ダイバーシティー&インクルージョン
IBMが展開するダイバーシティー:JWCが取り組む「女性活躍推進」の歴史と今
2019年12月20日
カテゴリー ダイバーシティー&インクルージョン
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すべての “ 個 ” が輝く働き方のできる組織づくりのために
日本IBMでは、女性がキャリアを継続していく上で直面するさまざまな課題を社員自らが確認し、目標を掲げて、結果に結びつく施策を提言していくため、1998年に諮問委員会として「Japan Women’s Council(※JWCと記す)」を発足しました。
「意識改革、スキル改革、働き方改革」を3本柱として、2019年からは男性メンバーも参加し、新しい視点を取り入れた女性活躍の推進を実施しています。このブログでは「女性活躍推進」をテーマに、歴史あるJWCの取り組みをご紹介。
“Be Equal”で平等な職場環境づくり
今や「ダイバーシティー(多様性)」は、知名度のある言葉に感じますが、まだ取り組み始めていなかったり、既に現在進行中であるという組織の中でも「女性活用を推進することがゴール」という捉え方も、まだまだあるのではないでしょうか。
経済産業省「ダイバーシティー2.0 一歩先の競争戦略へ」によると、ミレニアル世代の人材は就職先を選ぶポイントとして企業の「多様性や受容性の方針」を最重視していることや、イノベーション創出を促進するためにダイバーシティーが正の相関を持つことが挙げられ、持続的に経営上の効果を生み出せるステージへの進展が急務であるとされています。
日本IBMでは、1998年から本格的にダイバーシティーの文化を社内外にて推進してきました。年齢や人種、思想、文化、性的指向、障がいの有無などに関わらず、お互いの違いを尊重し、全ての社員が最大限に能力を発揮することによって、価値あるイノベーションを生み出そうというもので、2019年からでは「Be Equal」という標語をかかげ職場の全リーダーが全ての社員にとってより平等な職場環境をつくる機会をもたらすことに注力しています。(参照:日本IBMのダイバーシティーの取り組み)
女性をフォーカスする背景
組織の中に様々な事情を抱える社員が存在するいま「個々が抱える悩み・事情に寄り添いながら働き甲斐のある組織」とするためには、様々な観点での配慮や取り組みが必要となってきます。今回は、JWCで長年取り組んできた「女性」にフォーカスを当ててみました。
IBMが行った世界の2,300の企業や行政機関を対象に行った調査では「女性活用は財務改善やイノベーションの促進をはじめとした、さまざまな点で企業にメリットをもたらすことが判明しています」という結果となりました。(参照:女性とリーダーシップについての調査:Institute for Business Value、2019より)
加えて、JAFE・昭和女子大学・日経DUALによる女性エグゼクティブ意識調査(2017年、回答数126)によると、「あなたの会社において、女性が活躍するために必要であると思う事柄は何か」という質問に対し、第1位の「多様な働き方の導入」(61.9%)に続く第2位に「女性の管理職やチームリーダーへの登用」(58.7%)がランクインしています。
1998年のIBM女性役員は1人だった
日本IBMは、今でこそ、女性活躍に関して、政府やメディアから表彰いただくことが増えてきましたが、JWC発足当初(1998年)には女性役員は1人だけ、管理職に占める女性の割合はたった1.8%でした。
そんな中でも状況把握から始め、プログラムの開発、人材育成、新制度の立ち上げといった様々な施策が功を奏し、2018年時点で、部下を持つ女性管理職は14%(うちワーキングマザー率は37%)、理事を含む役員級の女性比率は16%(うちワーキングマザー率は34%)と、数値は下記の図のとおり向上してきています。
IBMの数字で見る女性の背景
IBMの女性活躍支援の取り組みと成果
女性活躍支援に関連して受けた社外からの表彰・受賞
女性活躍推進に向けてIBMの次のステップ
一方で、JWCで過去実施したIBM若手社員アンケート結果からは、昇進することや管理職になることに対しては、女性の方が躊躇する傾向が強く、個人差だけではない明らかな男女差があることも判明しています。
2012年から2017年に入社した社員に対する調査(2018年9月実施、回答数220名)において、「将来管理職になりたいか?」という質問に対し、「管理職になりたい」と答えた男性は74%だったのに対し、女性は46%でした。理由を深掘りすると、「部下に対する責任があり、負担に感じる」「忙しくなる」「待遇が良くない」などの点で、男女の大きな差が見られました。
これらのデータを俯瞰的に捉えると、女性が管理職やリーダー職に就くことへの期待の高さと、当事者となる女性の希望の低さ、という乖離があるといえそうです。
ディスカッションで認識した「違い・思い込み」
JWCでは、「女性社員が自分らしく働くことができる環境の整備に向けては、男女全く同じように接することが必ずしも最適解でない場合がある」と仮説を定義し、所属長やプロジェクトマネージャーが女性社員の特性を理解し、女性社員が自分らしく、自身の可能性を最大限に活かして働くことができる環境を整備するために、社内セッションを展開してきました。
各組織にて、その組織に所属するパネラーから現場の生の声を伝えていくことにこだわりながら、パネルディスカッションを交えて、女性の特性(昇進意欲の差、働き方・キャリア意識の差、子供を持った場合の今後の働き方のイメージの差)を共有する取り組みを行ったところ、受講した所属長やリーダークラスの社員からは、
- 「男女差」ではなく、「個人差」によるものと思い込んでいたが、男性・女性はやはり考え方が根本的に違うものだということを念頭におくことが重要であることを理解した。
- 良かれと思って、担当業務や研修案内などに気を遣っていたが、それが相手に違和感を感じさせている可能性があったかもしれない。
- キャリアのバリエーションが必要だということを再度痛感した。
など、ワークショップを通して様々な角度から発見があった。という感想が述べられています。
JWCでは、引き続き女性活躍推進のための施策は必要であるとして
・マネージャー向け意識改革セッションをブラッシュアップして継続的に開催
・女性の意識を変えられるような施策やメッセージの開発
を実施していく予定で「女性活躍推進」の内容についてはこのブログで随時公開していきます。
次回は、JWCに初めて男性として参画したメンバーへのインタビューを交え、「男性視点を入れた女性活躍推進について」お届けします!
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