ITコラム

The best of IBM Japan 2021

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2021年12月21日、米国IBMは「The best of IBM 2021」というサイトを公開しました。

「The best of IBM 2021」では、IBM Consultingの発足や、100量子ビットを超えた量子プロセッサー、IBM QRader XDR、IBM Power10プロセッサーを搭載するサーバーといった主要な発表など、2021年のIBMにおける12のトピックが紹介されています。

本記事は、米国IBMの取り組みを真似て、「The best of IBM 2021」で紹介されていない出来事の中から、「日本」「日本人」という視点で選んだ2021年の日本IBMの10のトピックを紹介します。

  • 全世界のIBMが対象の製品やサービスの発表と、各種のイベントは対象としておりません。
  • 記載順は時系列であり、何らかの順位を表すものではありません。

コンテナ共創センター(3月)

3月1日、日本IBMは、コンテナ技術を活用したソフトウェアやソリューションの拡大と、クラウドネイティブ技術者の育成による日本企業のDXの促進への貢献を目的に、「コンテナ共創センター」を4月1日に立ち上げることを発表しました。

4月1日の立ち上げ後、50社以上のSIerとISVがコンテナ共創センターに参加。クラウドネイティブ技術をテーマとした勉強会を月次でリモート開催するとともに、ブログを用いた情報の発信と共有を行っています。


Women Leaders in AI(3月)

米国時間の3月18日、IBMは、AI分野における女性リーダー賞である「Women Leaders in AI」の受賞者を発表。2021年は、18ヵ国の様々な企業や組織から40名の女性リーダーが選出されました。

日本からは、5つの企業や組織から6名の女性リーダーが選出されました。6名の方々のお名前、功績、AI活用事例は「Women Leaders in AI」にて、ご覧いただけます。


浅川智恵子、日本科学未来館の館長に就任(4月)

4月1日、IBMフェローである浅川智恵子が、日本科学未来館の館長に就任しました。

『日本科学未来館の新館長選任に向けたご挨拶』(2020年4月13日)において、館長就任後取り組みたいと考えていることとして挙げられていた「誰一人取り残さない」社会の実現に、科学技術を通して貢献することSociety5.0が進展する中で、未来館自身をその実験場とすることが始まっています。


二上哲也がIBMフェローに(4月)

IBMは「IBMフェロー」を新たに8名任命。日本IBMからは、執行役員 IBM オープン・クラウド・センター長の二上哲也が任命されたことが、4月12日に発表されました。

IBMフェローとは、IBMコーポレーションにおける最高技術職位で、卓越した技術により、エンジニアリング、プログラミング、サービス、科学技術、デザイン、テクノロジーなどの分野で継続的に貢献した技術者の中から任命される職位です。

IBMフェローは、1963年に初めて任命されてから317名が授与されており、二上哲也は日本人では6人目のIBMフェローとなります。


東京大学とIBM、量子コンピューター・ハードウェア・テストセンターを東京大学に開設(6月)

東京大学に設置した量子システム・テストベッド。(ニュースリリースより転載)

6月7日、東京大学とIBMは、将来の量子コンピューター技術の研究・開発を行うハードウェア・テストセンター「The University of Tokyo – IBM Quantum Hardware Test Center」を、東京大学 浅野キャンパス内に開設しました。

量子コンピューターのコンポーネントの試験用に構築した、大規模な量子コンピューターの動作環境を再現するプラットフォームである「量子システム・テストベッド」が、「The University of Tokyo – IBM Quantum Hardware Test Center」に設置されました。


オープンソース・フォント IBM Plexの日本語対応版「IBM Plex Sans JP」(7月)

7月24日、IBMのオープンソース・フォント「IBM Plex」に、日本語対応版「IBM Plex Sans JP」が追加されました。

「IBM Plex」は、IBMのブランド精神、信念、デザイン原則を反映し、あらゆる場面において、IBMのアイデンティティー(自己同一性)を伝えることを意図してデザインされたフォントです。

「IBM Plex Sans JP」の登場以降、日本IBMが作成する日本語の資料では、原則的に「IBM Plex Sans JP」が使用されるようになりました。


東京大学とIBM、日本初のゲート型商用量子コンピューターを始動(7月)

「kawasaki」と命名されたIBM Quantum System One

7月27日、東京大学とIBMは、ゲート型商用量子コンピューティング・システム「IBM Quantum System One」の「新川崎・創造のもり かわさき新産業創造センター」における稼働開始を発表しました。

このIBM Quantum System Oneの占有使用権は東京大学が持ち、量子イノベーションイニシアティブ協議会の参加メンバーが利用します。

実際に利用している方々へのインタビュー記事を読むと、待ち時間が少なくて済むことなど、国内に実機があるメリットを享受していただけていることが分かります。


IBM発の社会貢献プログラム「SkillsBuild」、大阪府のDX(IT)人材就職支援プログラムとして無償提供を開始(10月)

SkillsBuildのメニュー画面

10月1日、日本IBMは、大阪府が実施する公民のパートナーシップによる若者のDX(IT)人材就職支援モデル事業の「OSAKA若者リ・スキリング・パートナーズ」に参画したことを発表しました。

日本IBMは、IBMがグローバルで 展開する社会貢献プログラムの1つであるオンライン学習プラットフォーム「SkillsBuild」を、DX(IT)スキル習得に向けたトレーニングとして、受講希望者にサービスを無償で提供します。


産業標準化事業表彰(経済産業大臣表彰)を受賞(10月)

ニュースリリースより転載)

10月19日、日本IBMは、経済産業省から長年にわたる産業標準化に向けた活動を評価され、令和3年度産業標準化事業表彰(経済産業大臣表彰)を受賞したことを発表しました。

日本IBMは、50年以上にわたって日本の情報技術分野(ISO/IEC JTC 1)の標準化に尽力してきました。

今回の受賞は、長年にわたる日本IBMの活動が、重要な社会基盤を支え、日本の産業発展の基礎となる産業標準化活動として評価され、情報処理産業の発展に大きく寄与したとして授与されたものです。


JAバンク(農林中央金庫)と日本IBM、JAバンクアプリで「2021年度グッドデザイン賞」を受賞(10月)

ニュースリリースより転載)

10月20日、JAバンク/農林中央金庫と日本IBMが手がけたスマートフォンアプリケーション「JAバンクアプリ」が、2021年度グッドデザイン賞を受賞しました。

JAバンクアプリは、「誰もが安心して使えるシンプルな通帳アプリ」をコンセプトに開発した、スマホから口座残高や入出金の明細が確認できるモバイルアプリです。

日本IBMのiX部門のデザイナーの参画により、使いやすく魅力的なユーザー体験の提供を実現しました。


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黒澤 巧
黒澤 巧
THINK Blog Japan 編集責任者
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