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企業活動はより“目的意識”重視へ「Global Purpose Study」に対する報告書で明らかに

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IBMコーポレーションは、Morning Consult社と協同で「Global Purpose Study」に対する調査を2019年11月に実施し、その結果を報告書(原文:英語)にまとめました。

 

  • 調査対象者は、日本を含む14ヶ国(オーストラリア、ブラジル、カナダ、中国、フランス、ドイツ、インド、イタリア、メキシコ、ロシア、スペイン、英国、米国)の成人7,020人(調査実施国ごとに成人約500人)からなる国際的なサンプルに基づき調査されました。
  • 検証要素は、次の8項目です。
    (1)労働者の将来に向けた投資などによる質の高い業務とスキルの促進
    (2)消費者に対する価値の提供
    (3)近隣コミュニティーの支援
    (4)環境に対する配慮
    (5)データ・プライバシーとセキュリティーの推進などのデータ責任
    (6)従業員に対する投資
    (7)サービスが行き届いていないコミュニティーにおける経済的機会の拡大
    (8)多様性やインクルージョンの推進
  • 本調査は「株主への利益配当」以外に、グローバルにおいて上記の8つの検証要素のうち、どの要素が企業活動にとって影響力があり、また国別ではどのような違いがあるのかを検証するほか、企業が消費者からのブランド好感度を高めるメカニズムや、それに伴う企業活動の推進力となるメカニズムを検証しました。

企業活動に影響があり、ブランド好感度を高める要素

グローバルの結果

グローバルでは企業活動にとって影響力が高いと評価されたのは「(4)環境に対する配慮」でした。

回答者の78%が環境に責任を持つ企業に対して、「大いにまたはある程度、好感を持つ」と答えています。また近年、企業も責任ある行動を選択することで、消費者から企業への尊敬とロイヤルティを得られる傾向を理解しています。

日本での結果

日本においてもグローバルの調査結果と概ね一致しており

(4)環境に対する配慮
(2)消費者に対する価値の提供
(1)労働者の将来に向けた投資などによる質の高い業務とスキルの促進
(5)データ・プライバシーとセキュリティーの推進などのデータ責任

に関する施策を計画的に推進している企業に好印象を持つ傾向が示されました。

企業活動の推進力となる、消費者の購買決定の要因

企業が、企業目的に基づいたブランド価値を提示することも、これまで以上に消費者の購買決定の要因となっていることが明らかになりました。ただし、調査において回答者の年齢と居住国が認識に影響することも判明しています。例えば、イタリア、中国、メキシコ、ロシアに居住している回答者、および世界中の49歳以下の回答者は、回答者が自分をその企業のサービスや商品を購買する見込み客であると想像するよう求められると、回答者の好感度の要因が変わることもわかりました。自分を見込み客と見なすよう求められた回答者は、「高品質なサービス提供と、それに伴うスキルの育成や向上を積極的に推進している企業に対して最も好感を持つ」と述べています。一方、日本、英国、米国、およびカナダに居住している回答者、および世界中の50歳以上の回答者は、「顧客への価値の提供」を最も高く評価しています。

企業活動へのポジティブな印象

また、企業へのポジティブな印象が、収益の増加につながることも示されました。例えば、企業の社会的責任に関する施策活動を推進している企業では、売り上げが最大20%増加することがVerizon社の調査で明らかになっています。IBMビジネス・バリュー・インスティテュート(IBM Institute for Business Value)の調査では、目的を重視する購買者の平均70%が、リサイクル商品や環境に優しい商品などの持続可能な商品の購入のために、初期費用を35%割り増しして支払うことが判明しています。さらに、57%は環境への悪影響を減らすために、積極的に購買習慣を変えようとさえしているようです。

参照

IBM CSRバイス・プレジデントのギレルモ・ミランダも本調査結果に関してBlog(英語)を執筆しています。

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