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IBMの気候変動への取り組み:早期の対策と持続的な成果、カーボンプライシングへの支持
2019年12月13日
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IBMコーポレーション バイス・プレジデント 環境担当
IBMが「気候変動は世界規模で有効な対策を講じるべき重大な問題である」と宣言してから10年以上が経ちました。その後多くの取り組みが進んだにもかかわらず、現在もこの状況は変わりません。地球の温暖化は近代産業が幕を開けた頃よりも進み、気温の上昇は看過できない重大な悪影響を及ぼしています。二酸化炭素などの温室効果ガスが温暖化に拍車をかけており、科学者たちによると、地球の大気中に含まれる二酸化炭素の量は今、過去数十万年で最大になっています。この状況の悪化は、放出された二酸化炭素が長期にわたって大気中にとどまっていることが原因です。
なぜこのような状況が起きたのかを論じたところで、目の前の問題に対処しなくてはならないことに変わりはありません。人類は化石燃料をエネルギーとして利用することで目覚ましい経済発展を遂げてきましたが、化石燃料の使用は大量の二酸化炭素の排出という弊害をもたらしました。しかしながら、この排出に関わるコストはエネルギーの価格に反映されておらず、政策としてこのような状況を変えるべきです。
IBMは、カーボンプライシングの推進に賛同しており、気候変動に関する研究・提言を行う民間団体のクライメート・リーダーシップ・カウンシル(Climate Leadership Council)が提言する計画を支持しています。二酸化炭素の排出に税金を課し、その税収(炭素配当)を市民に還元するというもので、環境と経済の両方に配慮しつつ、炭素排出に関する公共政策として多くの人々の賛同を得られるという点で、非常に現実的で適切な機会だと確信しています。この計画は、二酸化炭素の排出1トンあたり40ドルを課し、インフレ率を5%上回る割合で毎年増額することにより、エネルギー関連企業の炭素排出量を削減し、また消費者の使用エネルギー量を抑制するという強力な経済的インセンティブをもたらします。
“ 現在、IBMが全世界で消費している電力の38%は再生可能エネルギーで、IBMはこの割合を2025年までに55%にまで引き上げることを目標としています。”
IBMが気候変動分野で行動を起こすのは初めてではありません。世界的な平均気温上昇を産業革命以前に比べて2度以内に保つという、2015年に採択されたパリ協定の必要性を再確認し、継続したコミットメントを2017年に表明しました。これは、環境分野におけるIBMの長年のリーダーシップをさらに強化するものでした。1992年、IBMは米国環境保護庁のエネルギースター・プログラムの立ち上げを支援しました。1994年には、IBMのエネルギー消費に関連する二酸化炭素排出量について自主開示を始め、年1回の開示を26年間続けています。また、2015年にはパリ協定に対するIBMの支持の姿勢を示すために、米ビジネス気候変動対応行動誓約(the American Business Act on Climate Pledge)に初期段階で署名しました。
実績は、コミットメントの主要な指標です。IBMは2005年以降、エネルギー消費に伴う二酸化炭素排出量を32%削減しました。将来的には、温暖化を1.5度から2度の間に制限するために必要とされるペースに合わせ、2025年までに40%削減するというIBMの目標を達成する見込みです。省エネは、これまでも、そしてこれからも重要な取り組みであり、エネルギー消費量の削減は、それが可能な場合はオフセット(相殺)より望ましい方法です。過去数十年間と同様に、IBMは今後も年間消費量の少なくとも3%に相当するエネルギー節約を徹底していきます。
責任ある企業は、再生可能エネルギーの消費についても透明性を持ってコミットすべきです。現在、IBMが世界中で消費する電力の38%は再生可能エネルギーですが、この割合を2025年までに55%に引き上げることを目指しています。重要なのは、IBMは再生可能エネルギー証書(RECs)の購入に頼らず、化石燃料からの電力消費のオフセットによって「再生可能エネルギー達成率」を宣言していることです。透明性は炭素系燃料からの移行において不可欠であり、そのためIBMは、再生可能エネルギーの使用に関する報告書に実際の物理消費量とそれに相当する再生可能電力消費量を明記しています。
現実に起きている気候変動への対応として、IBMは炭素排出に課税する責任ある計画を支持しています。そして、私たちはパリ協定を支持し、その実現に必要なペースに合わせて自社の排出削減目標の達成を目指し、また再生可能エネルギー使用量を開示して使用量の大幅増加を目指します。これらは非常に大きなチャレンジであり、通常の業務を超えた努力をしなければなりません。さらに、カーボンプライシングの導入には、経済成長を維持しながら気候変動リスクに対処する計画が欠かせません。IBMはクライメート・リーダーシップ・カウンシルの計画が最適であると確信しており、世界中の政府代表、市民の皆さま、および従業員と共に、この計画を支持するために努力してまいります。
※この記事は米国時間2019年12月1日に掲載したブログ(英語)の抄訳です。
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