IBM Data and AI

【WAS・MQ・Db2アニバーサリー】トロントラボツアー開催報告

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2023年は、IBMにとってWASのリリース25周年、Db2・MQのリリース30周年を迎えたアニバーサリーイヤーです。長らく多くのお客様にご愛用いただいているこれらの製品ですが、今後ともより安心してお客様にご利用いただきたいという思いから、お客様・ビジネスパートナー様と共に製品の開発拠点を訪問し、開発者と直接コミュニケーションを図る機会として「トロントラボツアー」を開催しました。

本ツアーは、10月23日から10月25日の3日間の日程で、製品開発拠点の一つであるカナダのIBMトロントソフトウェアのラボで実施され、オフィス見学や製品の最新情報のご紹介、製品のデモンストレーションなどを中心に行いました。

 

イベントハイライト

Db2

Db2セッションではDb2関連製品の最新情報とサポートについて紹介がありました。Db2・Db2 Warehouse on Cloud・Db2 LUWなどの製品の最新情報をお伝えするだけでなく、現地の製品サポート担当者も登壇し、IBMのサポート体制や製品開発体制の説明が行われました。サポートはお客様がIBMを選んでいただく大きな理由の一つでもあり、その取り組みについて担当者から説明があることによりIBMがサポートに力を入れていることも実感いただけました。

AIプラットフォーム

AIプラットフォームセッションでは、IBMが目指す今後のAIの方向性の説明とAI活用を実現するwatsonxの紹介を中心に実施されました。従来の機械学習と基盤モデルの両方の開発プラットフォームとなるwatsonx.ai、データのサイロ化や複雑化、肥大化などの課題を解消するデータレイクハウスのwatsonx.data、AIガバナンスを総合的に支援するwatsonx.governanceの3つの製品でビジネスにおけるAI活用の促進をサポートします。また、BIツールであるCognos Analyticsのご紹介では自然言語によるChat機能強化がされ、将来的には過去のデータの分析だけでなく未来の予測も目指していくとのことでした。

MQ

MQセッションでは、IBMのメッセージング製品について、改めてその特徴や機能についての紹介がありました。MQは、異なるアプリケーションやシステム間でメッセージのやり取りを行うためのツールであり、オンプレミス、クラウド問わず、幅広いシステム環境へ対応していることが伝えられました。また、具体的な機能の紹介として、管理者向けコンソールやセキュリティー機能、Kafkaと接続するためのサポート機能などについての紹介がありました。本セッションパートは3つに分かれており、MQの他にも、システム間連携製品であるACE(App Connect Enterprise)、Event Automationについて、製品概要や新機能の紹介、今後のアップデート情報についての説明がありました。

WAS

WebSphereセッションでは最新のランタイムであるWAS Libertyの最新情報やアプリケーションのモダナイズ事例についての紹介がありました。また最新のJavaテクノロジーを備えたマイクロサービスを楽しくご体感いただける”Space Rover”というIoTゲームや、独自の高速起動の技術であるLiberty InstantOnのデモを通してLibertyの軽量さや起動の速さをご体感いただくことができました。Liberty Toolsのデモにおいては、クラウドネイティブJavaアプリケーションを迅速に開発、実行、テスト、およびデバッグする方法、Libertyを使用した開発をスピードアップする方法をご覧いただきました。

AIOps

AIOpsセッションではIBMの注力 である運用高度化製品のInstana, Cloud Pak for AIOpsの最新機能の紹介を中心に行われました。Instanaについては現在様々な機能の開発が行われており、中核となる監視機能以外にも外形監視やOpen Telemetryのサポートや最新のAnsibleとの連携機能の紹介がありました。今後のロードマップについても説明が行われました。またInstana以外にもCloud Pak for AIOpsの各種機能についても製品概要や新機能の紹介、今後のアップデートの説明があり、このパートではデモも行われました。

 

ご参加いただいたお客様・パートナー様からのコメント

今回ツアーにご参加いただいたお客様・ビジネスパートナー様からのコメントを一部抜粋しご紹介します。

 

Q1 最も印象に残ったセッションと、興味を持っていただいた点、貴社でご活用いただけそうなシーンがあれば教えてください。

お客様からのコメント

  • watsonx.ai、data など個別にアレンジいただいたセッションが一番印象に残っています。私たちはご紹介いただいた製品やサービスをソリューションとして展開する立場なので、ソリューションとしてイメージした時に強みとなる点などが開発されている方の思いと合わせて整理ができた点が収穫になりました。
  • watsonxのデータマッピング等のセッションです。Apache ICEbergと関連させて提供できることで企業のデータサイロ化の解決策になればと感じました。
  • 弊社のお客様の中でもアプリケーションの開発をコンテナ化・モダナイズ化に取り組まれている事例があります。そういった中でWebSphere LibertyのデモやInstanaとAIOpsを組み合わせた疑似障害の検出デモといったセッション・デモが印象に残りました。今後お客様へ最新のJavaアプリ開発のフレームワークや、アプリ監視の動向としてお伝えしながら、IBMソリューションのご提案に結び付けていきたいと考えています。
  • mono2microのセッションが印象に残りました。アプリケーションのモダナイゼーションを半ば諦めていた中で可能性を感じました。

Q2 トロントの現地に行ったかいがあったと感じたポイントについて教えてください。

お客様からのコメント

  • 製品の最新の機能やロードマップは勿論なのですが、サービスや製品が”今できること”、”今後できること”、”これからメッセージしていくこと”、これらを直接、言葉で聞けたのが貴重な経験になりました。
  • 従前よりお世話になっていた多くの現地スペシャリストの皆様と交流できて有り難かったです。日本のユーザー様にはまる、はまらないは今後考えていかないといけませんが、貴社としてあるべきかたち、目指すべきところという部分を示してもらえて有意義でした。

ビジネスパートナー様からのコメント

  • AIOps関連の個別セッションで、直接Instana・Turbonomicの製品担当の方へお客様から寄せられた要望を伝えられたのが、大変貴重な機会となりました。日本のお客様のご意見・要望がどれくらい取り入れられるのか、日本の市場の特殊性から要望がくみ取られないか、不安な面がありましたが、①他のお客様からも同じような要望が寄せられており、改善に取り組んでいる。(ドキュメント改善)②(提示した要望が)開発予定に含まれているのか、開発のマネージャに確認する。(SaaSデータ保管のカスタマイズ)といった具体的なアクションを確認することができ、大変助かりました。また貴社の製品担当の方が、日本市場の声を重視していただいていると感じました。

 

Q3今回のツアーに参加したことで、IBMの製品・サービスが今後御社のビジネスに貢献できそうだと感じましたか

お客様からのコメント

  • watsonx.data と IKC、Data Virtualization の Product Manager や Director、開発責任者と合同で QA をさせて頂けたセッションは心に残るものとなりました。個別の製品を超えた連携による提供形態をイメージできた点は提案に活用できそうです。
  • MQ、AIOps製品は、ホスト含めた全社の最適化に強みがあると改めて感じました。コンテナ化にあたってLiftかマイクロサービスかの選択が必要ですが、mono2microの検討は必須であると考えています。
  • 障害発生時のレジリエンシーを求められる中、AIの活用、データの整理、AIのガバナンスを意識したテクノロジー×運用がビジネスに貢献できるのではないかと思います。

ビジネスパートナー様からのコメント

  • ビジネスパートナーとしての立場での参加となるため、どのようにお客様へ弊社のソリューション、IBM製品を販売していくかという視点での回答となりますが、Automation関連製品(運用の高度化・自動化)、watsonx関連製品(Generative AIの業務利用)について、お客様が取り組むべき課題とそれに対してIBM製品をどう活用すべきかの理解が進みました。また個別セッションにおいて、まだ未公開の製品ロードマップの提示を頂いたり、直接製品担当と要望・QAのやりとりをする場を得られたことは、弊社がいちはやく新製品への対応を進めたり、既存製品のより詳細な知見を得る場になり有用でした。

 

参加したIBM社員からのコメント

本ツアーには日本IBMの社員も同行し参加しました。参加した社員からのコメントをご紹介します。

  • IBMの海外開発拠点を訪問することで、私自身も国内にいるだけでは感じることができないような IBMのスケールの大きさを体感しました。お客様にもIBMグローバルメンバーと実際に直接お会いいただくことで、そのサポートの手厚さを実感いただき安心感を持っていただくことができたかと思っています。ぜひ今後も多くのお客様に実際に開発拠点にお越しいただき、その価値を体感いただきたく思います。また、近年IBMは今回のテーマであったWASやMQなどの歴史のある製品のみでなく、watsonx・Instana・Turbonomicなど新しい領域の製品にも力を入れておりますので 新しい領域の製品もぜひ知っていただき、よりIBMへの興味を持っていただければ嬉しいです。(Data, AI and Automation 事業部 蓮見)

 

  • 直接開発者とお客様がディスカッションをできることが、このツアーを開催する最大の意義だったように思います。ご参加いただいたお客様やパートナー様からは、開発者の熱意や思いを感じ取っていただくと同時に、ユーザー視点でのリクエストや疑問点等をあげていただき、近い存在として話ができたことについて多くのお褒めのお言葉を頂戴しました。ディスカッションが有用だったのは、ご参加いただいた皆様だけではなく、弊社メンバーも同じ、あるいはそれ以上であったように思います。特に開発者は、直接ユーザーにお会いして声を聞くことが少ない分、非常に意義深く膨大なフィードバックをいただけたことを喜んでおりました。まさにIBMとしてお客様、パートナー様と共創する機会になったと思います。私個人としては、このように共創できる場を今後とも作っていければと思っております。(Data, AI and Automation 事業部 越前屋)

 

 

執筆:アニバーサリー広報チーム(Data, AI and Automation 事業部)

写真撮影:トロントラボツアー担当チーム(Data, AI and Automation 事業部)

 

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