IBM Sustainability Software

サステナブル・ビジネス運営ガイド(その2)

記事をシェアする:

サステナビリティーの目標を定める

ESGデータ基盤の確立

 

データシステム全体のベースラインを確立する

CEOの60%近くが、投資家はより透明性の高い持続可能性指標を望んでいると回答しています。規制当局や顧客、従業員も、企業に対して地球環境に対して意味ある行動と前向きな結果を期待しています。

そして素晴らしいことに、取締役会も同様に考えており、前向きな変化を心から望んでいます。つまり、全員の願いが一致しているのです。

 

残っている最大の問題は、社外への情報開示と社内での的確な行動のための、適切な全社データを揃えること。

そして必要となるのは、サステナビリティー・データを最大限に活用できるよう、収集、分析、報告するための自動化技術を備えた、強固なESGテクノロジー基盤です。

 

強固なESGテクノロジー基盤に必要な機能

  • 日常業務からの、関連企業からの、取引先からのデータ収集
  • 収集したデータを分析し、現在のESGパフォーマンスと改善すべき点についての洞察提供
  • AIによる取るべき行動の推奨。およびその一部の瞬時自動実行
  • 全員の意識と足並みを揃えさせ、役割を果たそうと意欲を向上させるデータの可視化

 

理想的には、コンプライアンス義務を果たすだけでなく、従業員のモチベーションを高め、さらに積極的な影響を与えるようなESGテクノロジー基盤作りを目指すべきです。

それが組織にどれほど大きなものをもたらすかを示す1つのデータを、IBM Institute for Business Value(IBV)レポート『Balancing sustainability and profitability』から紹介します。

「消費者の3人に2人以上、実に67%が持続可能性に貢献している企業への就職を希望しており、68%が持続可能性に貢献している企業からのオファーを受け入れると回答しています。」

 

単一の記録システムでデータの課題を解決する

データセンターからサプライチェーン、最上階の役員室から地下のボイラー室にいたるまで、持続可能性の取り組みには組織のあらゆる要素での意味ある行動が必要です。

組織全体からくまなくデータを収集し、財務報告書レベルの精密な情報へと変換する必要があります。そしてそれらの情報が組織全体にタイムリーに伝達され、適切な行動を導き促す必要があるのです。

 

効果的な取り組みには、組織全体からESGデータを収集、管理、報告し、それを分析して次に取るべき行動を誰もが正しく理解できなければなりません。

そこで必要とされるのは、すべての関係者が同一データを元に行動ができるよう、単一のESG記録システムが用いられることです。各目標へと向かう進捗を測る上で、基礎となる明確なベースラインを作成する必要があります。また、ESG記録システムを確立し進捗状況を文書化・モニタリングする必要があります。

 

目標への道のりと足取りを正しく計測するのに必要なデータが何であり、どのように計測可能かを、事業全体から正しく評価し、選択します。現在のベースラインを再調査し、KPIを設定します。

このプロセスには、機器や設備などの資産、施設、サプライチェーン、ITインフラなど、事業運営に関するさまざまな分野のデータが含まれるでしょう。

 

単一ESG記録システムの導入により可能となること

  • 企業のESG目標に向けた進捗状況の監視、監査、報告
  • 株主や規制当局が求める正確なESG指標の開示
  • ネット・ゼロやクライメートポジティブ(温室効果ガスの吸収量が排出量を上回る状態)などの目標達成のために、具体的に何が必要となっているかの理解
  • ESGパフォーマンス・データを基にした組織全体の調整

 

ESGデータと業務システムの連携

ESGデータは、意味のある行動へと導き、促してこそ有用なものとなります。

自社のESGデータを業務システムと連携させ、自動化されたフィードバック・ループを構築することで、適切なアクションが確実に実行されるようにしましょう。

 

業務システムとESG記録システムが連携されることで、削減したCO2排出量のすべてが、そして埋め立てられることなく再活用された廃棄物が、さらにその他あらゆる環境保全に対する社員の貢献が、社内外のステークホルダーに正確に報告されます。

この記録は、さらに改善すべき点について賢明な決定を下すのに役立つのと同時に、成果を讃え、社員のサステナビリティーへの士気を高めるのにも役立ちます。

 

ESGデータと連携すべき業務システム

  •  施設・資産管理システム | クリーンエネルギーへの転換、効率的な水・廃棄物管理、脱炭素化の推進
  •  サプライチェーン管理システム | 責任ある調達の改善、スコープ3排出量の管理、廃棄物削減の実現
  •  ITインフラ管理システム | エネルギー消費と排出量の最小化、機器のリサイクルと再利用の促進による廃棄物削減

 

[事例] セレスティカにおけるCO2排出量の削減

スコープ1と2の温室効果ガス排出量を1年間で21.3%削減。10,000トン以上のCO2排出を回避。IBM Envizi ESG Suiteを使用して、セレスティカがどのようにESG目標を達成しているかの事例をご覧ください。

“国連の持続可能な開発目標との連携や、GRI、SASB、TCFD などの報告枠組みはすべて、企業の透明性を高め、世界が直面する多くの問題の解決に取り組むのに役立ちます。”

セレスティカ社 サステナビリティー・マネージャー Jessica Peixoto氏

[事例] 多国籍EMS企業 セレスティカ社 | 製造業におけるESGの課題

 

ESG報告の合理化に最適なツールを

IBM Envizi ESG Suiteは、ESGおよびサステナビリティー・データの複雑さと動的性質の管理を目的に構築された、データ管理・分析ソフトウェア・プラットフォームです。

IBM Enviziは、過去10年間にわたり150カ国、19万以上の拠点で事業を展開する180社以上の企業に採用されており、世界中で多くの優良企業がIBM Enviziを使用してESG報告を合理化し、脱炭素化への足取りを加速し確かなものとしています。

 


当記事は『Define your goals』を日本の読者向けに編集したものです。

 

関連製品・サービス

 

問い合わせ情報

この記事を読んだあなたへのおすすめ

IBM Enviziが日本語対応。より早く信頼に足るレポーティングと分析を提供

動画で紹介「ESGデータとは」

[IBM Envizi ESG Suite導入事例] メルボルン・ウォーター社 | エネルギー消費とGHG排出量を削減

 


More IBM Sustainability Software stories

「第2回ベジロジサミット」レポート後編 | ベジロジシステム討論会

IBM Partner Ecosystem, IBM Sustainability Software

ベジロジ倉庫とベジロジトラック、そしてキャベツ食べ比べを中心にご紹介した「第2回ベジロジサミット」レポート前編に続き、ここからは第二部、場所を屋内に移して開催されたベジロジシステム討論会の様子をご紹介します。 目次 前編 ...続きを読む


「第2回ベジロジサミット」レポート前編 | レタスの食べ比べとベジロジ倉庫・トラック

IBM Partner Ecosystem, IBM Sustainability Software

「佐久地域は葉洋菜類の一大産地であり、産地の生産を守ることは日本の食を守ることです。主体的に取り組んでいきます。ただ、青果物の取り組みは特に困難な要素が多く、物流業界でも取り組みが進んでいない分野です。そんな中で、持ち前 ...続きを読む


日本Maximoユーザー会2024@天城ホームステッド 開催レポート

IBM Partner Ecosystem, IBM Sustainability Software

2024年10月15〜16日の2日間に渡り、IBM天城ホームステッドにて1年半ぶりの「日本Maximoユーザー会」が開催されました。   石油・化学企業、産業機械製造企業、エネルギー企業、エンターテインメント企 ...続きを読む