IBM Sustainability Software
[事例: つながる店舗] シャンゼリゼからショッピングDXを
2020年07月13日
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この記事は、オンライン店舗の他、フランスを中心に南米やインド洋地域に12,000以上の食品小売店舗を展開し、22万人以上の従業員からなる小売大手「カジノ・グループ」のCDO(最高デジタル責任者)シリル・ブルゴワ氏による寄稿記事How to delight store shoppers with digital innovation を、日本の読者向けにリライトしたものです。
価格の透明性、無限とも言える豊富なバラエティ、24時間年中無休の便利さ、そしてレジ行列と無縁であること — オンラインで買い物をするとき、私はこれらのメリットを享受し楽しみます。
でもときどき、従業員たちの活気と、彼らが作り出す温もりのある雰囲気に溢れた実店舗が、とても恋しくなりますよね。
フランス中南東部、サンティエンヌに本拠を構える私たちカジノ・グループは、お客さまにデジタルの魅力と実店舗の魅力を同時に提供するべきだと考え、従来店舗にデジタル体験を組み込む必要があると考えています。
両者を組み合わせることで、支払いの手間や行列、在庫切れなどの不快な体験をお客さまにさせてしまうことなく、優れたショッピング体験を味わっていただけます。
それを実現したのが、カジノ・グループの新しい3階建てのコンセプトストア「レ・キャトル・カジノ」です。パリのシャンゼリゼ近くのこの店舗では、デジタルと人間それぞれが持つ良い点を融合したマルチチャネル・アプローチを体験いただける、史上初のつながる店舗(コネクテッド・ストア)です。
私たちは、長年のフランチャイズであるプロディストリビューション社、そしてテクノロジーパートナーであるIBM、パナソニック、SFD Systemsなどの数十社と共に、日々のショッピング体験を向上させる最先端の顧客向けアプリを多数開発しました。そして体験をより良いものとするために、IoT(モノのインターネット)も活用しています。
また、これらの取り組みと同時に、レ・キャトル・カジノには同規模の店舗よりも多くの店員を配置しています。それは、店舗における接客をより充実させるためです。
■ 試食、ショッピング、ダイニング、仕事まで。シームレスに心地よく
年中無休で営業しているレ・キャトル・カジノには、レストラン、グルメコーナー、オーガニック食品専用通路、グループブランドの食品コーナー、ゲストブランドやシェフによる高級ラインアップ、ワインセラー、ディスカウントショールーム、そして無料のコワーキング・スペースがあります。
ご来店されたお客さまは、商品購入前のテストや試食、ショッピング、ダイニング、さらに仕事までを、心地よくシームレスに味わっていただけます。
一方のデジタル体験も他では味わえないものを揃えています。まず目を引くのが、店舗前の通りからも見える、近未来的な印象の拡張現実ディスプレイです。
店内には、巨大な「デジタル・ピッキングウォール」があり、オンラインカタログをタップして買い物をすれば、当日夜までにご自宅にお届けします。
他にも店内の商品配置位置やショッピングルートを案内するデジタルサービス、商品の詳細検索やスキャンアンドゴーを実現するオンライン決済アプリなども用意されており、ご希望とあらば、レジで立ち止まる必要もなく、そのまま買い物を済ませ店外に出ていくことも可能です。
■ IoTによる最適化と差別化
お客さまの目につかないところでも、デジタル・トランスフォーメーションは進んでいます。
AIによる画像認識が店内における盗難や損傷に目を光らせ、IoT分析テクノロジーが店舗オペレーションを最適化しています。
例えば、冷蔵庫の監視にはIBMのWatson IoTプラットフォームが使われており、冷蔵棚に配置されたセンサーがドアの状態を検知して分析を行い、適切な温度レベルを保っています。そして確認や点検が必要となれば、店長にアラートを送信します。
こうして、IoTシステムが食品の鮮度管理と冷蔵コストの削減を実現しています。
レ・キャトル・カジノは今後もIBMと協力し、AIと機械学習によりIoTデータモデルを成熟させていきます。そしてここから得た洞察により、在庫管理を改善し、エネルギー効率を向上させ、より完璧なつながる店舗へと成長させていきます。
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問い合わせ情報
お問い合わせやご相談は、Congitive Applications事業 cajp@jp.ibm.com にご連絡ください。
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