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正しい言葉のモノサシ、使っていますか?

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日本IBM DataOpsチーム、テクニカルセールスの久保です(DataOpsという言葉の定義については、こちらのブログをご参照ください)。

入学、入社、転職、異動、昇進等で新しい環境に所属する場合、そこで語られる多くの言葉の意味が分からず、言葉を聞いて分からないことがあると、その意味を覚える必要があります。

一般的な言葉であれば、検索エンジン等が教えてくれる便利な世の中にはなりましたが、特定の組織内で使われる言葉については、その限りではありません。

後輩A「その言葉ってどう言う意味ですか」

先輩B「これこれこう言う意味だよ」

ところが、その場に立ち合わせた別の人から、こう指摘されることもあるかもしれません。

先輩C「えっ、その言葉って、そう言う意味でしたっけ?これこれこう言う意味じゃないんですか?」

先輩B 「・・・どうりで時々、君が何を言っているのかわからなかった訳だ。

    同じ言葉を使っていても、意味に伴う認識が違っていたんだな」

 

 

語る言葉の定義が不明瞭な場合、ビジネスのみならず、日々の会話においても、誤解を生じる場合があります。同じような事は、組織内で扱うデータにも言えます。

例えば売上分析をしている部署が「売上」と言うデータを分析している場合、そのデータ定義は経営層が求めている定義と合致しているのでしょうか。

また、売上の数字が立つと言う場合、企業の考え方によりタイミングが異なります。注文確定があった時、出荷した時、配送先に届いた時など、売上というのは企業やチャネルごとに変わります。

さらにビジネス分析でよく使う言葉の例として、「高付加価値顧客」という言葉があります。

高付加価値とは、なにをもって高付加価値と言うのでしょうか?また、金額に換算するとは幾らなのでしょうか?

ビジネス用語の実際の定義は、時代や背景、商品、サービスによって、見直され変更されていきますが、システムで採用されている定義は、システム構築時の概念を採用されたままで、今現在の共通認識と乖離がある場合もあるかもしれません。

そのようなビジネス用語の定義や属性を、ビジネス・メタデータと言い、ビジネス・メタデータを集めたものをビジネス・グロッサリー(用語集)と言いますが、まさにビジネス活動を正確に把握する為の、最も基本的なモノサシと言えます。

 

定義を統一し、現時点での例えば高付加価値顧客と言う言葉の定義をビジネス用語として登録しておけば、ビジネス上でのガバナンスを強化させることができます。

皆様は現在、正しいモノサシをお使いでしょうか。この機会に、見直してみては如何でしょう。書籍「THE IBM DATA GOVERNANCE UNIFIED PROCESS」は、モノサシを作る弊社のプロセスをご紹介しています。また、製品「Watson Knowledge Catalog」は、ビジネス用語の定義にも使える、データ・カタログのツールです。皆様の正しいモノサシを作る一助となれば幸いです。

 

文責:久保 俊平 (Technical Sales for DataOps, Cloud & Cognitive Software)

 

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