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OEC新オフィス「未来の杜 Play Field」から広がるつながりとウェルビーイングな社会

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コンピューター商用化の創成期から現在まで、大分を拠点に先端テクノロジーを駆使する総合情報処理サービス企業として業界をリードしてきた株式会社オーイーシー(OECが、先日大分市のソフトパークに本社新社屋を新設。同時に旧社屋もリニューアルし、敷地面積3,500㎡超の「未来の杜 Play Field(プレイ・フィールド)」としてオープンしました。

当記事では、4月12日に開催された新社屋完成式典の模様を通じて、OEC社が見つめる未来へ向けた働き方と、ウェルビーイングな社会の実現に向けた取り組みをご紹介します

幅16メートルを超える壁画「Playful Flow」を背に記念写真を撮る、株式会社オーイーシー代表取締役社長 加藤 健(カトウ タケシ)氏(左)と、日本アイ・ビー・エム株式会社 執行役員 テクノロジー事業本部 エコシステム共創本部長 村澤 賢一(むらさわ けんいち)(右)

 

村澤賢一よりOEC様へお祝いのひとこと

「大分電子計算センター」として創業された昭和41年当初より、我々IBMが大変お世話になっておりますOEC様の、大分本社新社屋開所祈念式典に伺いました。
OEC様が九州を地場とする多くのパートナー企業様に常に注目される存在であること、そして次世代を担う若い世代から就職希望先としてランキング上位に常に存在していること——式典ご参加者の皆さまとの会話の中で、そして新社屋の共創ゾーン「Play Field」に流れる未来思考の空気感の中で、それが当然であることを改めて強く感じました。
また同時に、Play Field を起点に、九州 → 日本全国 → 果ては世界へとつながる、異能連携による付加価値共創の『組み紐』が紡がれていく姿が目の前に見える感覚を得ました。

OEC 様のご期待に少しでもお応えできるよう、私たちも社会価値創造に向けてさまざまなご提案をぶつけさせていただき、道のりをご一緒させていただきたいと決意を新たにするひとときでした。
OEC 様の益々のご発展をお祈り申し上げます。

 

■ Play Fieldに込めた思い | OEC代表取締役社長 加藤健

テクノロジー系企業を中心とした多くの企業が集まる集合拠点「ソフトパーク」の入り口にひときわ目立つ、ガラス張りで透明感にあふれた建物。

近づいていくと、エントランスから大きく広がる球技場のようなスペースと、それを見下ろすように広がる木製の大階段が、建物外からも目に飛び込んできます。

 

「まずは、ここで働く私たちOECのメンバー自身が仕事を楽しむこと。この新社屋入り口のプレリュード『OEC CUBE』に足を踏み入れたとき、ワクワク・ドキドキする気持ちが胸に広がる——。今回オープンした『未来の杜 Play Field』には、そのための工夫を随所に凝らしています。

そしてPlay Fieldという呼び名には、オフィスワーカーが集められ作業をこなしていくという従来の『ワークスペース』のイメージから脱却し、自分らしく伸び伸びと想像力と実行力を発揮する『プレイヤーたちのためのフィールド』へという想いを込めています。

ぜひ、『想いがカタチになる』OEC OFFICEコンセプトをご確認ください。」

 

OEC代表取締役社長の加藤氏はそう語ると、『OEC OFFICE』のコンセプト説明イラストを大きなスクリーンに表示しました。

Open | オープンなオフィス

Enjoy | 会社に来るのが楽しくなるオフィス

Creative | 創造的なオフィス

Originality | 斬新なオフィス

Focus | 集中できるオフィス

Flexibility | 柔軟な働き方のできるオフィス

IoT | IoTを活用したオフィス

Communication | コミュニケーションしやすいオフィス

Environment | 環境に優しいオフィス

ワクワク・ドキドキをイメージさせるキーワードが並ぶOEC OFFICEのコンセプト。その一文字目を読むと…OEC OFFICE !

 


 

加藤社長によるオープニングの後に登壇したのは、大分県の佐藤知事と大分市の足立市長です。

  • 地元文化と新たな価値観のつながり。
  • 地域生産年齢人口(15〜64歳)の減少と生産性向上のイノベーションのつながり。
  • テクノロジーの進化とウェルビーイングの深化のつながり。

お二人からの祝辞に共通していたのは、OECにはこうした「つながり」を今後もビジネスを通じて引き続きリードしていただきたいという期待でした。

 

■ これから求められるオフィス

続いて登壇されたのは、Play Fieldの施工を中心となって進められた株式会社山下設計の窪田氏と茂木氏です。

「リモートワークが日常となる経験をした後、オフィスの意味とは。そして集まりたくなるオフィスに求められるものとは何か。そんな議論から生まれたのが、以下のPlay Fieldの特長です。」

お二人による基調講演「これから求められるオフィス」の中から、印象的だったキーワードやフレーズを中心にご紹介します。

 

・ 多様性と自由とクリエイティブ

プレイヤーとなってフィールドを駆け回ってもらうために、知識創造行動を誘発する「12の知識創造行動」を元にデザイン。

さらに、「働く場」から「企業のアイデンティティを発信する装置」と、現在のオフィスの役割変化も踏まえ、ラウンジ風のインテリアや時代を超えた名著をそろえたライブラリー、たくさんの植栽とアート作品を各所に配置。社員の五感をさまざまな観点から刺激。

OECが得意とするドローンやロボット、MaaSなどの最新テクノロジーと社会を、社員の多様性と自由とクリエイティブを用いてつないでいきます。

 

・ (リモートを超えて)「枠がない/よりシームレスな」空間概念

対話を活性化させ創造性を発揮するプレイフィールドには、可変性の高い仕事環境が必要です。

仕事内容やそのときの気分に合わせて働く場所を自由に選択できるフリーアドレスを前提としたABW(アクティビティ・ベースド・ワーキング)の採用に加え、執務エリアには6X6メートルのグリッド単位でレイアウトや天井照明・空調を変更できるグリッドゾーン・システムを取り入れ、さらに柔軟性を高めました。

また、当初の計画には入っていなかった3階と4階をつなぐ吹抜階段や、「すべてがオープンなワンルーム」をテーマにつなげた執務空間とコラボレーションエリアなど、人の混ざり合いやすさを重視しています。

 

・ 光・風・空気・人の流れをパッシブデザインで

空気や風は下部から上部へ、光は上部から下部へと流れる、自然を生かしたパッシブデザインを採用。ガラス面を大きく取りつつも南・西面はガラス面積を絞り、夏は紫外線や日射熱などを和らげ冬は暖房効率を高めるという省エネ「Low-Eガラス」も大胆に導入しています。

そしていつでも太陽光パネルを設置して「Nearly ZEB(創エネ技術を加えて75%以上を削減する)」を達成できるよう、屋上にあえて現在は何も置いていません。

 

■ 「ソフトはアート」 | 館内見学会とドローンサッカー

最後に、オープニング・イベント参加者を3つのグループに分けて、見学会とデモンストレーションが行われました。

「ソフトはアート。感受性を大切に。ひらめきを大切にできる環境を!」とOECの役員の方がたが口々に語るように、見学会ではオフィス各所に置かれたアート作品と、フロアの隅々まで考え込まれたデザインの工夫が紹介されました。

著作権の関係から写真公開には制限があるとのことでしたので、ここではOECの新オフィス公式サイトに掲載された写真を交えてご紹介します。

Playful Flow (simo / Kyosuke Shimogori, 2023)

South Field大階段を上った先の、遊び心溢れる宝探しのような16.0m×2.7mの壁画アート

ナイルの賜物 (葉山有樹,2023)

正面玄関・受付横の壁面に展示された、陶磁器の伝統技法と革新を備えた精密画を施した陶額

Nebula prism (小川剛,2023)

3階の渡り廊下に展示された、さまざまな素材・表面加工を組み合わせ、光の屈折を応用してさまざまな表情を見せる立体作品

万花彩 (葉山有樹,2023)

South Field2階エレベーターホールに展示された、伝統の和絵具で花々の美を表現した細密描画が美しい色絵磁器

 

最後に紹介するのは、個人的に大きなインパクトを受けた「ドローンサッカー」デモンストレーションとお試し会についてです。

 

ドローンサッカーとは、球状のフレームに覆われた専用ドローンを飛ばし、相手陣地内に設置されたリング状のゴールを通過させることで得点を競う、5対5のチームスポーツ。

その大きな特徴は、年齢、性別、身体の障がいなどに関係なく、誰もが同じフィールドで共に楽しめるバリアフリーな競技であることです。

 

OECは日本ドローンサッカー連盟の理事企業で、執務エリアの見学を終えOEC CUBEに戻ると、そこには3m×3m×6mの「ドローンサッカー」のケージが組み立てられていました。

公式競技用のケージは7m×16m×5mで、こちらはいわば「ミニサッカー」用の小型ケージ。なお、別府市の社会福祉法人「太陽の家」には、国内初の常設競技場が設置されているそうです。

参考 | (2020年7月25日)朝日新聞デジタル記事 – ドローンがボール 障害者もできるサッカー、日本に進出

 

この日はOEC社員によるデモンストレーションの後、来場者の中から参加者を募り、3分間のドローンサッカー体験会が行われました。

せっかくの機会ということで筆者も初めてドローン操縦を体験。初心者でも操縦しやすい高度維持機能がついた入門機とのことでしたが、それでもプロペラ音もスピードも迫力満点。操縦は難しいながらもとても楽しく、また機会を見つけてやってみたいと強く思いました。

ドローンサッカーとケージについてより詳しく知りたい方は、OEC新オフィス公式サイトの紹介記事『OEC CUBEでドローンサッカー』をご覧ください。

 

一度の訪問ではとてもすべてを感じきることはできない、見どころたくさんの「未来の杜 Play Field」。

OEC CUBEとSouth Fieldの一部は事前連絡不要で見学も可能とのことですので、ぜひお近くに行かれる際にはお立ち寄りになってみてはいかがでしょうか。

ドローンサッカー用ケージは常設ではありません。見学の際は事前にお問い合わせください。

 


TEXT 八木橋パチ

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