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エンタープライズ Automation 2.0 – AIを活用した自動化

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この投稿は、2020年10月19日に、米国 IBM Cloud Blog に掲載されたブログ(英語)の抄訳です。

ニュー・ノーマル時代に向けた、プロセス・オートメーションの拡張

多くの企業が、私たちの新しい日常に対処するために必要不可欠な要素として、高度な自動化の実現を模索しています( 参照記事(英語))。COVID-19によるパンデミックにより、ビジネスのダイナミクスと私たちの働き方は一変しました。その一例がYouTubeでしょう。同社は20億人のログイン・ユーザーに毎日10億時間以上の動画を提供しています。同社は最近のブログ記事(英語)の中で、世界中でオフィスにいる人が少なくなったことで、自動化ソフトウェアがより多くのコンテンツ・モデレーションを行うようになったと指摘しています。また、「通常はコンテンツ・レビュー担当者が行う作業の一部をテクノロジーに頼るようになりました」と述べています。

 

AIでオートメーションの実現を高速化する

ニュー・ノーマル時代に向けて、単調で反復的な業務を排除し、人の能力を増強して、より迅速にこれまで成し得なかった結果を生み出せるようプロセスの自動化をしたいというお客様のご要望が強くなっています。このニーズに応えるために、当社は人工知能(AI)による自動化を促進し、以下の例に示すように、企業がより広範なタスクを自動化できるようにしています:

  • 業務の排除は、ビジネスとIT全体における単純で反復的な業務を対象としています。これらの業務を自動化することにより、従業員はより高度な知識を必要とする仕事に専念できるようになります。例えば、PayPal社では、オフィスが閉鎖されて多くの従業員が出勤できなくなったことで、チャットボットに目を向け、ここ数週間のメッセージベースのお客様からの問い合わせの65%に使用しています。「AIを通じて展開できるリソースにより、スタッフはより柔軟に対応することができ、安全と健康の優先が可能になりました」とPayPal社は述べています。
  • 業務の増強は、従業員の業務スピードを加速し、効率性の向上を支援します。例えば、コロナ・ウイルスによるパンデミック時にオンライン・サービスの利用が増加しましたが、AIを搭載したカスタマー・サービス・エージェントを利用することにより、1人のエージェントでより多くのユーザーを支援し、サービスの待ち行列を減らし、顧客の満足度を高めることができるようになります。AIは、ユーザーの考えていることを理解し、問題の性質を理解するために使用されます。そして、自動化されたワークフローにより、人を介在させることなく、可能な解決策を検討することができます。つまり、人とAIシステムが連携して目的を達成するときに、最も強力な増強の形となるのです

 

これらを達成するために、IBMはAIを活用した自動化の実現に向けて積極的に取り組んでおり、これを「Automation 2.0」と呼んでいます。AIを活用した自動化とは、データ・パターンが発見・分析され(Discover)、データからの洞察に基づいた決定(Decide)が自動化されたアクションに変換され(Action)、プロセスの各段階でAIがプロアクティブな最適化を提供する(Optimize)、継続的なクローズド・ループ自動化プロセスと定義されています。 AIを活用した自動化は、実用的なインテリジェンスを使用して、ITとビジネス・オペレーションにおけるスピード、低コスト、ユーザー・エクスペリエンスの向上を実現します。次のセクションでは、これら4つの段階を検証し、それぞれの段階でAIがどのように進化を遂げているかを説明します:

The next section examines these four stages, illustrating how AI is transforming at each of these stages.

Discover(発見)

非構造化データやプロセスをよりよく理解して分類することで、手動による分析およびアクションのオーケストレーションの負担を軽減できます。

AIなしでは、自動化に関連したデータ発見は、構造化プロセスと構造化データに限定されることがほとんどです。非構造化データは本質的にノイズが多く、通常、自動化へのプロセスを遅くします。機械学習(ML)を使用すると、ノイズの多いデータ・パターンを切り取って、それを明らかにし、検出するためのモデルが生成されます。例えば、適切に訓練された分類モデルでは、文書を請求書や保険請求書として分類することができます。同様に、ITシステムからのアラートをグループ化し、特定のトラブルチケットと照合することができます。AIを使えば、発見プロセスはもはや構造の欠如によって妨げられることはなく、AIをインテリジェントに使用して発見から意思決定へと移行することができます。

異なるタイプのAIテクノロジー間の違いについては、AI vs. 機械学習 vs. ディープラーニング vs. ニューラルネットワーク:その違いとは」(英語)を参照してください。

 

Decide(決定)

よく定義されたIT自動化の精度と業務自動化の方法論を組み合わせることで、ITと業務の両方をより速く、より正確に自動化することができます。

AIを活用した自動化は、ビジネス・ワーカー、ソリューション・アーキテクト、ソフトウェア・エンジニア、IT運用、SRE、セキュリティー、コンプライアンス・エンジニアなど、幅広い職種にまたがる業務とITの自動化システムを包括的に提供することを目指しています。ビジネスとITを横断したデータ・パターンを発見することで、企業の特定の部分にサイロ化されたシステムに比べて、意思決定をよりインパクトのあるものにすることができるようになりました。この例として、ソフトウェア開発と IT 運用のアクティビティーを相関させることが挙げられます。この場合、開発中のソースコードや構成の変更を、実行中のITシステムで発生しているインシデントと照合して、そのコードや構成の将来の変更に関連するリスクを予測することができます。 自動化にAIを適用することで、発見された新しいパターンに企業が対応するスピードが大幅に向上します。

 

Act(実行)

ソフトウェア・ボットをより自然かつ協調的に関与させることで、よりセルフ・サービスかつ生産性の高いものになります。

自動化プロセスは、自動化されたアクションがどのように実行されるかでさらに差別化されます。アクションの自動化におけるゴールド・スタンダードは、RPAテクノロジーです。AIの力を借りて、RPAは単純なロボット・スクリプトから、職場でのデジタル・ツインのような技術へと進化しています。デジタル・ツインとは、プロセス、製品、サービスの仮想モデルのことです。このように仮想世界と物理世界を対にすることで、問題が発生する前に行動をシミュレートし、ダウンタイムを防ぎ、新たな機会を開発することが可能になります。さらに、Automation 2.0では、高度な自然言語処理を用いて、AIと従業員がより協調的な関係を構築し、ハイブリッド・ワークフォースを実現します。

 

Optimize(最適化)

潜在的なインシデントを早期に予測することで、システムは通常の運用に影響を与える前に対策を講じて問題を解決することができます。

最適化は、発見、決定、実行の各フェーズで継続的に適用され、クローズド・ループのフィードバックを通じて、ビジネスと IT 運用を自律的に強化するために新しい洞察を活用しますAutomation 2.0 では、最適化はリアクティブなものから予測的なもの、プロアクティブなものへと変化していきます。ビジネスと IT 全体のデータをエンド・ツー・エンドで見ることで、AI を活用した自動化は変動を予測し、過剰反応を回避することができます。 例えば、企業のIT部門における過去の変更やインシデントの記録について構造化されたプロパティーと非構造化されたプロパティーを組み合わせることで、変更-インシデント間の関連性を抽出し、変更リスク・モデルへの新たなインプットとして経験的な証拠を作成することができます。ITによって新しい変更がロールアウトされると、これらの変更が高リスクであることを過去事例をもとに予測して、リアルタイムでプロアクティブなアラートを発行することができます。Gartnerの発行している Market Guide for AIOps platforms (英語)では、このプロアクティブなスタイルのリスク管理は、自動化の最も洗練された段階であると宣言しています。

 

オートメーションのスピード

Discover(発見)、Decide(決定)、Act(実行)、Optimize(最適化)といった自動化へのプロセスは、自動化が連続的で時間のかかるプロセスであると思われるかもしれません。 自動化へのプロセスを完成させるのに数週間から数ヶ月かかることは確かにありますが、早い道のりもあります。例えば、RPA とロー・コード開発の用途は、すべて「一口サイズ」のアクティビティーやプロセスの自動化を高速化するように設計されているため、顧客はエンド・ツー・エンドのプロセス全体が自動化されるまで待つ必要がなく、すぐに ROI を得ることができます。 また、ターン・アラウンド・タイムが短いため、素早く繰り返し、外部影響にリアルタイムに対応することで、ビジネスやITにおけるフェイル・ファストを可能にします。

 

誰もが利用できるオートメーション

AIを活用した自動化は、関係者全員がデータ・サイエンティストである必要はありません。それどころか、AIを使用することで、IT開発者、高度に熟練したナレッジ・ワーカー、そしてもちろんデータ・サイエンティストに加えて、一般的なビジネス・ユーザーにも自動化技術が利用可能になります。企業全体のユーザーは、深いAIスキルを必要とせずに、専門家によって事前に用意されたトレーニング済みのモデルをすぐに利用して恩恵を受けることができます。 自然言語とチャット・ボットを使用してAIを活用した自動化を実現することで、ユーザーが仕事をしている場所で、仕事をしている方法で、ユーザーと自動化システムが接する環境が生まれます。これにより、より自然なインタラクションを提供し、企業全体でより多くの従業員が自動化に貢献し、その恩恵を受けることができます。

 

IBM とAIを活用したオートメーションの未来

AIを活用した自動化に対するIBMのアプローチは、企業全体のプロセスを自動化するための手段として、Discover(発見)、Decide(決定)、Act(実行)することで継続的にOptimize(最適化)する能力を備えた、ビジネスとITの融合した自動化システムの形をとっています。このようなエンド・ツー・エンドの自動化の視点で、お客様の従業員がビジネス全体に渡ってより能率を上げて、新しいビジネスチャンスに集中できるように時間とお金を解放できる、ハイブリッド・ワークフォースの実現に向けて、私たちは大胆な一歩を踏み出しています。

この記事では、AIを使った自動化についてお話ししました。次回の記事では、AIをを活用した自動化の背後にあるプロセスをさらに定義して検討し、アーキテクチャーと機能を含めた観点まで広げていくつもりです。

AIを活用した自動化のトピックに興味がある方は、ぜひこちらの新しいポッド・キャスト「The Art of Automation(英語)」もご参照ください。


翻訳:IBM Cloud Blog Japan 編集部

*このブログは、2020/10/19に発行された“AI-Powered Automation is Enterprise Automation 2.0”(英語)の抄訳です。

 

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