社員が語る「キャリアとIBM」
SAPで実現する「お客様の変革」と「メンバーの成長」
2022年11月17日
カテゴリー 社員が語る「キャリアとIBM」
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社員が語る「キャリアとIBM」では、IBM社員のキャリアや仕事内容をインタビュー形式でご紹介します。
今回は、IBMコンサルティング事業本部のBTS事業、SAP Financeチームのリーダー、N.M.さんのインタビューです。
Q.現在の所属部署と役職、入社時期を教えてください。
IBMコンサルティング事業本部のBTS事業に所属しています。役職はパートナーです。SAPの会計チームをリードしています。
IBMへの入社は2003年です。新卒で入社した会社がIBMに買収されたのに伴い、日本IBMに入社しました。新卒以来20年、SAPの仕事に従事しています。
Q. 今に至るまで、キャリアを考えるタイミングで大事にしてきたことを教えてください。
一貫して、元々自分がやりたいと思っていた「ITを使って課題解決をし、お客様や社会の役に立つ仕事ができること」を大事にしてきました。この20年の間には、他社に転職しようかと考えた時期もありましたが、結果として今もIBMで仕事をしています。
Q. 今もIBMでキャリアを続けているのはなぜでしょうか?
お客様の役に立つ仕事がIBMでやれていることに加えて、自分に大きな自由裁量があるためです。
私は今、2つの立場を担っています。1つは、個々のお客様に対するIBMのプロジェクト責任者という立場、もう1つが、100名程度のコンサルタントをマネージしていく組織のリーダーという立場です。両方とも、自分のやりたいように自由にやらせてもらっています。このような働き方ができているのは、上司たちが、私の意見や立場を尊重し、サポートしてくれているからです。
Q. 「ITを使って課題解決をし、お客様や社会の役に立つ仕事をしよう」と思ったのはなぜですか?
私は、「道にゴミが落ちていたら、文句を言ったり、見過ごしたりするのではなく、自分で拾って捨てたい。何らか自分から能動的に仕掛けて、問題を解決していきたい」と思っています。学生の頃、親にPCを買ってもらったのがITとの出会いです。使っていく中で、ITが様々な課題解決に役立つことに気づきました。好きだったこともあり、就職活動の時には、ITを武器とする仕事をしていこうと思いました。
Q.今の仕事を遂行する上で役に立っている過去の経験を教えてください。
結果として、プロジェクトなどの自分の仕事が難しい状況にある時が、一番の学びになったと言えます。
もちろん渦中にいるときは大変でしたし、周囲に迷惑をかけてきました。しかし、問題から学んだからこそ、何をするとトラブルになるのか、逆に先んじてこうやったらうまくいく、という判断がつくようになりました。
また、IBMは、問題を決して現場だけに任せることなく、上司や、管理部署の方をはじめ、普段やりとりをする機会が少ない専門家の方々を含め、組織としてサポートをしてくれます。そういった方々との人間関係ができたことが、今の仕事をする上で大変役に立っています。
Q.SAPの会計チームについてお聞きします。どのような職種の方が、何をやっている組織ですか?
チームのメンバーは、コンサルタント職です。それぞれが、お客様のSAPプロジェクトに参画し、会計ソリューションの導入や運用を担当しています。
Q.ご支援させていただいているお客様は、「新規にSAPを導入されるお客様」ですか?それとも「既にSAPを導入済みのお客様」ですか?
両方いらっしゃいます。
新規にSAPを導入されるお客様は、2000年代前半に到来したSAPの流行に乗らず、現在ホストのシステムや、SAP以外の国産のパッケージをお使いのお客様が大半です。そして今、DXの一環として、デファクト・スタンダードと言えるSAPの導入を検討されています。
また、SAPを以前導入されたお客様からは、バージョンアップを検討したいとご相談いただきます。6年程前に、SAPの新しいバージョン、SAP S/4HANAが出荷されました。それを機に、保守が切れる前にバージョンアップを検討したい、という引き合いが増えています。
Q.SAPの導入をお考えのお客様は、どのような課題をお持ちでしょうか?
経理、販売や購買といった基幹業務に関する標準化や効率化、コスト削減、見える化を課題としてお考えのお客様が大変多いです。
従来のシステムが、「ビジネス、組織、業務」の変革の足枷になってしまっているケースがあります。それを是正するために、古いシステムをすっきりさせ、新たなテクノロジーに追随できる先進的かつ柔軟なものに変えていきたい、というご要望もいただきます。
また、特に日本から世界に進出した製造業のお客様は、まだまだグローバルで見ると、業務とシステムがバラバラなケースが見受けられます。「データに基づいた経営判断を行うために、業務やシステムを統合したい」というのは、多くのお客様から頂戴する共通したご要望です。
Q.そのようなお客様に、IBMは何をご提供できるのでしょうか?
事例や実績にもとづき、より確実な変革の姿を描く。それを実現し、最後までやり切る。やり切った後もご一緒する。最初から最後まで総合的にご支援できるのが、IBMの強いところです。
最近は、お客様のパートナーの選び方が変わってきた印象です。
以前は、上流の企画構想はコンサルティングファーム、実装はシステム会社に依頼するのを「適材適所」とするケースが多かったかと思います。
今は、「自分達のDXの変革を、最初から最後までやり切る変革のパートナーを選ぶ」という視点を持つお客様が増えてきていますし、それがIBMに期待されていることでもあると思います。
Q.なぜ、お客様のパートナーの選び方が変わってきたのでしょうか?
企画構想とシステムの設計開発で会社が異なると、設計開発の局面になったら、自分の会社や業務を知らない人がまたやってくることになります。そこで分断されてしまい、いわゆる伝言ゲームが起き、コミュニケーションのロスが発生するケースが散見されました。
また、システムの本当の実装を知らない人が、「絵に描いた餅」を描いてしまう、実装しようと思ってもできない、コストが膨らむというケースが多発していました。過去のそのような失敗を糧に、やり切ったところの姿までを最初から一緒に描けるパートナーこそが必要だということに気づかれて、お客様のパートナーの選び方が変わってきたのだと思います。
Q.そもそもの質問です。SAPを導入するプロジェクトに、なぜコンサルタントが必要なのだろうか、と思われるお客様がいらっしゃるかもしれません。
SAPを導入する際は、お客様の組織や業務を、SAPに合わせなければならないところがあります。逆に、SAPをお客様に合わせるために拡張しなければならないところが出てくることもあります。その調整を行うのが、コンサルタントの役割になります。いわゆる「フィット&ギャップ(適合性分析)」を行うフェーズです。
Q.「調整」を具体的に教えてください。
例えば「ここは開発をするのではなく、SAPに合わせていく。今の業務のやり方をシステムに合わせるために、これとこれをやめなければならない」「何をどうやめるのか。やめて良いのか、悪いのかを整理する。必要に応じて取引先に交渉していただき、契約条件を変えてもらうこともある」「今4つ行っている業務のやり方のうち、3つをやめる提言をする。ただしこのようにすれば効率は変わらない」のように、お客様が変わるお手伝いをしています。
また、お客様の業務をSAPに合わせるだけではなく、SAPを開発しなければならないケースがあります。お客様の競争優位性を支える業務ケースや、業務を変えると法律遵守の観点で支障が出るケースなどです。開発する場合は、システム開発の要件定義を行わせていただき、SAPの良さを失わずに、機能を拡張するためには、どのような開発方式が良いかを考えていきます。
Q.コンサルティングファームで、システムの実装部隊を持つ会社があります。また、多くのSIerにはコンサルティングを行う組織があります。お客様はベンダーを選ぶときに、すごく悩むのではないでしょうか?
悩まれると思います。プロジェクトが始まる前に得られる情報で選ぶのは難しいというのも事実です。
提案依頼書を元にした選考の場合、短期間で資料とプレゼンテーションを元に選ぶことになるため、どうしても「プレゼンテーションが素晴らしかった」「値段が他より数億円安いから良い」といった点に目が向きがちです。
IBMは、実現性と品質の観点から、精度を高く見積もるので、値段は決して安くありません。ですので、その点では目を引かないかもしれません。しかし、プロジェクトを実際にご一緒したお客様からは、大変高いご評価をいただいています。
Q.プロジェクトをご一緒したお客様から、IBMがご評価いただいている点を教えてください。
テクノロジー企業としての技術力の強さ、プロジェクト管理の品質の高さを含めた実現力です。IBMは、大規模で複雑困難なプロジェクトでも、最後までやりきり、無事にシステムを稼働させ、その後の業務をご支援してきた実績が多くあります。
Q.お客様は、ベンダーを選ぶときにどのような点を見るべきでしょうか?
全体の話でいうと、SAP導入の実績と事例や、お客様の業界や業務の理解度、課題に対する解決方法の仮説は見るべきポイントです。お客様が抱えている課題に対して、「業務のやり方を変えて、SAPをこのように使うとうまく」「同業他社の事例では、こういうシステム開発で対応している」など、具体的に実現可能な施策のレベルで話ができるかをよく見る必要があります。
さらに重要なポイントは、プロジェクトに関わる人です。腕っ節のあるコンサルタントがいるかどうかです。コンサルタントの存在が、プロジェクトの成功に不可欠です。そのため、このプロジェクトには実際に誰が入るのか、その人の過去の経歴はどうなのかをよく見るべきです。
Q.ベンダー選びに於いて「テクノロジー」は重要なファクターになり得ますか?
SAPの先進的な技術を活用するプロジェクトの場合は、極めて重要になります。
SAPの最新のバージョンに限らず、新しいものには常に技術リスクが伴います。パワーポイントには夢のある話がコンセプトとして書かれていますが、実際にそれが動くかを検証しているのかどうか。動いた実績があるのかどうか。何ができて、何ができないのかを技術的な背景や理由も含めて説明できるのかどうか。そして、デモとして動くものを持ってこられるのかどうか。企業間で大きな差があります。
IBMは、グローバル・レベルでの経験を共有しています。日本でも投資をし、SAPの最新バージョンに対する研究開発を時間を掛けて行い、お客様に本当の話、本物をお届けしてきました。
ただ、お客様が、初めてSAPのプロジェクトを行う場合、何が本質的に重要なポイントなのか、お客様自身が気づいていない場合があります。だからこそ、IBMとして、しっかりとお伝えしていかなければならないと思っています。
Q.ベンダー選びに於いて重要なポイントをお客様にお伝えするために実施していることはありますか?
SAPを検討されている初期の段階のお客様に、導入に成功したお客様に実際に会ってもらう機会を設けることがあります。お客様とお客様でお話いただくわけです。SAP導入経験談や、IBMの生の評価を知っていただくことができます。
Q.積極的に採用を行っています。どのような方に来てほしいか教えてください。
SAPプラスアルファのソリューションで、企業のDX変革を実現までやりきりたい方を求めています。
例えば、SAPのスキルや経験を一定もっていて、お客様に対して、より革新的な貢献をしていきたいという思いを持っている方です。そういう方こそ、IBMが持っている様々なテクノロジーやサービスを、SAPに組み合わせることで、より先進的なソリューションを生み出してくださると思っています。
Q.「一定」について教えてください。
SAPのスキルや経験があれば、年数に応じて、色々な採用のポジションがあります。
最低10年の経験がないと難しい、ということではなく、1、2年の経験で入社される方、5年の方、10年の方、様々です。その方に合わせた役割からスタートできますし、IBMは、成長を支える文化がある会社だということをお伝えしたいです。
Q.「成長を支える」に関して、チームで取り組んでいることは何ですか?
チームとして、専門性を共有していく活動と、一人一人に合わせたキャリアを考えていく、両方を実施しています。
私たちが担当する会計といっても、例えば固定資産や決算、債権の管理等、細かな領域ごとに深い専門性があります。チームとして専門性を共有するために、最も詳しい人をそれぞれの領域の専門家として任命し、その方から新しいソリューションに関する情報共有や、課題に対するアドバイスをもらえる仕組みにしています
もう1つは、一人一人のキャリアを考えていく、という活動です。「やるべきこと、やれること、やりたいこと」が重なり合うほどに、個人としてやりがいを持って働け、その結果、お客様を幸せにできる。チームとしても良いことです。この原則を土台にし、一人一人の思いを踏まえ、話す中で合意をし、参画するプロジェクトや、IBMの様々な成長の機会にマッチングさせることに力を入れています。
Q.取り組みの手応えを教えてください。
会計チームのリーダーになって、6年が経ちます。順調にキャリアを伸ばしていき、昇進したメンバーがとても多いです。やりたいことがあると言っていたメンバーが、今それを成し遂げているのを見ると、リーダーをしていて良かったと思います。
また、SAPで獲得したスキルを元に、他チームに異動して活躍しているメンバーもいます。コンサルタントとして、戦略、業界、業務に特化したり、人事や経理のような後方支援部門で働いたりなどです。SAPを通じてシステム・スキルを身に付け、幅広い業務、上流から下流までのプロジェクト経験を積むことができるため、キャリアとしての幅が広がるという印象です。
Q.最後の質問です。IBMでのキャリアを通じて成し遂げたいことを教えてください。
お客様には、テクノロジーを使った課題解決で貢献していきたいです。SAPを中核にして、IBMのテクノロジーやサービスを組み合わせることで、お客様の改革を、より早く、確実に成し遂げることができると思っています。例えば、IBM自身も使っている経費精算の仕組みとして、SAP Concurがあります。SAP S/4HANAを基幹システムとして、経費精算部分はSaaSをクイックに利用し、クラウドに蓄積したデータを、IBMの統計ソフトウェアにかけることで不正検知を自動化する、業務運用はIBMのアウトソーシング・サービスにお任せいただく、といった形です。
IBM社内では、引き続きチームのリーダーとして、一人一人の思いに誠実に向き合いっていきたいです。共に働くメンバーの目標実現をサポートし、メンバーが充実したキャリアを積むことができたら、それは私にとっても、幸せなことです。
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