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サプライチェーンとサステナビリティーを結びつける from IBVレポート

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当記事は、IBM Institute for Business Value(IBV)のレポート『強靭なデジタル・サプライチェーン | 効率性とサステナビリティーの両立におけるインテリジェント・ワークフローの有効性』の一部を抜粋し再編集したものです。

全編は下記ページよりダウンロードしてご覧いただけます。

https://www.ibm.com/thought-leadership/institute-business-value/jp-ja/report/digital-supply-chain

 

強靭なデジタル・サプライチェーン

将来を見据えているCSCO(最高サプライチェーン責任者)は、現在のみに集中している同業者との差別化を図ることができます。

 

重要なポイント1 | 経営幹部はプロセスを最適化しています

サプライチェーンの経営幹部の72%は、今後3年から5年でプロセスとワークフローの大部分が自動化されると予測しています。

質問: 混乱の結果、貴社が着手している長期的なサプライチェーンの戦略を教えてください。

業務運営を最適化 – サプライチェーンのモダナイゼーションは、混乱を契機にデータ主導の長期戦略へ

 

掌握した適切なデータを使用することで、企業はプロセスの刷新や自動化されたインテリジェント・ワークフローの設計という大変な作業に取り組むことができるのです。重要な最初の一歩は、プロセスの隠れた非効率性の発見・修正です。プロセスの隠れた非効率性とは、パフォーマンスを阻害する表面化しない要因であり、人、プロセス、テクノロジーがともに働くという複雑性の中で長年かけて発達する傾向があります。以下のような例があります。

  •  在庫切れにより5回に1回の割合で注文がキャンセルされる可能性がある注文管理
  •  チケットが最大10回も再割り当てされる可能性があるITサービス管理(ITSM)
  •  専門職が意図せずに1通の請求書に対して2回以上支払ってしまう可能性がある経理部門

 

企業はプロセス・マイニングを使用して、このような非効率性を特定できます。プロセス・マイニングは、ワークフローとプロセス・データを複数のデータ・モデルにわたってリアルタイムで統合し、プロセスの「X線」をレンダリングするものです。サプライチェーン・チームは、この情報を使用して、買掛金、売掛金、在庫管理、注文管理、調達のボトルネックを取り除き、自動化を展開し、プロセスを再構築することができます。

 

お客様事例

グローバルな石油・ガス会社がプロセスを最適化し、資産管理を変革

石油・ガスの生産および流通は非常に複雑です。資産管理の最適化は、運用効率と価値へのインパクトに大きく関わります。

  • 課題 | この会社は、需要の増大に対応するために生産を拡大したので、業務運用とその結果として生じるマージンを最適化する必要がありました。
  • 解決策 | AIを活用したプロセス分析を5つのシステムにわたる9つの分野に適用し、マイニング・チームが自社のエンタープライズ・アセット管理(EAM)プロセスを設計して再構成しました。これらの段階を経て、資産および投資管理ポートフォリオと機能の変革・モダナイズとともに、世界的なプロセスの統一が実現可能になりました。
  • 成果 | この最適化がプロセスの可視化と標準化を促進し、自動化を通じて効率性を提供し、KPIダッシュボードを通じた継続的なモニタリングと測定によってリアルタイムの可観測性(オブサーバビリティー)を確立しました。

 

重要なポイント2 | 企業はサステナビリティーを取り入れています

サプライチェーンのリーダーの66%は、サステナビリティーが企業価値の中核だと回答し、循環経済(サーキュラー・エコノミー)を発展させるために、再設計したワークフローにサステナビリティーを組み込んでいます。

サステナビリティーの向上を要求しているステークホルダーの割合とCSCOが実行している具体的な取り組み

全方位からの要求 – CSCOはサステナビリティーの促進に対する強まる圧力に対応しています

 

サプライチェーンとサステナビリティーを結びつける

CSCOは、具体的なサステナビリティーの目標を特定しています。企業の71%は、積極的にカーボン・ニュートラルに移行する予定だと話しています。また、29%は、二酸化炭素回収プログラムが取り組みに含まれると述べています。

CSCOは、すでにサステナビリティーと特定のプロセスを結びつけ始めています。最近の別のIBVサステナビリティー調査から、CSCOの78%は、需要およびサプライチェーン計画の機能的な活動に、環境的に持続可能なビジネス手法を取り入れていることが明らかになりました。また、72%は、調達やソーシングの機能的な活動にサステナビリティーに関する施策があるとのことです。

しかし、CSCOは、取締役や顧客、投資家、規制当局など全方面から、サステナビリティーの目標達成に対する圧力を受け続けています。最高経営幹部間の連携により、テクノロジー主導のビジネス・ソリューションを活用して社会問題と環境問題を結びつけることが可能です。例えば、当社が実施した2021年のCIOに対する調査では、CIOの42%が、今後3年間にテクノロジーがサステナビリティーに関する施策に大きなインパクトを与えるだろうと述べました。 

一方、ステークホルダーの要求を満たすために、CSCOはエネルギー効率の向上、オーガニックおよび再生可能な材料の使用量の増加など、複数の施策で対応しています。

 “The 2021 CIO Study. The CIO Revolution: Breaking barriers, creating value.”(CIOスタディ2021。CIO革命: 障壁を打ち破り、価値を生み出す)IBM Institute for Business Value、2021年11月。https://www.ibm.com/thought-leadership/institute-business-value/jp-ja/c-suite-study/cio

 

循環経済

循環経済により、CSCOは短期的なコストに関する懸念を軽減し、顧客に対して長期的な価値を強調できます。循環型に移行するにあたり、企業は、社内、パブリック、科学、マーケットプレイスなど、複数のソースからのデータをビジネス・プロセスの再設計や意思決定に活用できるようにします。また、環境へのインパクトを考慮して、ワークフローを評価・再設計できます。

また、仮想化を使用して、環境的なフットプリントを縮小し、循環に関する9つのRをサポートします。

サプライチェーンはサステナビリティーを支えるために循環ビジネス・モデルに移行しています。循環に関する9つのRとは、CSCOの現在のサステナビリティーに関するアジェンダで最も重要なコンセプトです。

 

お客様事例

欧州の自動車会社による流通および運送プロセスでカーボン・フットプリントを削減するための取り組み

製品(部品または自動車)のあらゆる接触と動作により、二酸化炭素を増大させる可能性が高まります。

  • 課題 | この世界的な自動車会社は、物流と運送のプロバイダーの広大なネットワークとそれに関連する複雑なプロセスの全体に、プロセスの改善を求めていました。
  • 解決策 | チームは、原料の移動、返品、生産ライン・プロセスの非効率性について根本原因分析を実施しました。それから、ABC分析を採用し、ワークロード、利益をもたらす貯蔵材料の割合、ウェアハウスと運送ネットワーク間の移動距離を特定しようとしました。
  • 成果 | これらのシミュレーションと関連した透明性の高いダッシュボードとメトリックにより、この会社は、有効な流通経路を1年に601km削減し、緊急の材料注文の管理業務を13時間以上削減し、生産ラインの供給を最適化するとともに需要に基づく配送を確立し、すべての場所で物流に関連した返品を削減して、二酸化炭素を削減する運用を加速させました。

 

CSCOは、複数の具体的な行動計画を特定し、今後3年間に循環経済の目標達成を目指しています。

47%は、材料や部品の再利用を拡大させて製品ライフサイクルの無駄を削減することを目的に、材料や製品に関するライフサイクル全体の設計を始めています。また、44%は製品やサービスのエネルギー効率も改善する予定です。35%は再生可能エネルギー・コンポーネントに基づく新製品や新サービスの開発を計画しており、30%はゼロウェイストの新製品や新サービスを設計する予定です。パッケージングの目標には、再生材料を使用していない(バージン)プラスチックの使用量の削減(32%)、再生可能または生分解性の材料およびパッケージングの使用の増加(30%)などがあります。

 

循環経済活動は、原材料の供給の保証を向上させ、イノベーションを刺激し、経済成長を後押しし、雇用を創出するというような、非常に大きな利益を生み出します。その結果、CSCOが、サステナビリティーに関する施策から得たメリットを具体的に数多く列挙しています。さらに、CSCOの55%が、今後3年間に、環境的および社会的なサステナビリティーについてのリアルタイム・モニターおよびレポートを導入する予定だと回答しています。


IBMをお勧めする理由

IBMのAIソフトウェアの幅広いポートフォリオは、企業が360度のアプローチで、サステナビリティーに関する取り組みを全社的に運用できるよう支援します。支援の内容は、物理資産の寿命の延長、効率性と強靭さを高めたサプライチェーンの構築、気候が事業運営に及ぼす影響の把握、ESGのデータとイニシアチブの分析やレポートなどです。

これらのソリューションは、環境に関する洞察、運用上のデータ、およびAIを基盤としており、さらに優れた持続可能な意思決定を日々促進する洞察へとデータを変換します。IBM Environmental Intelligence SuiteIBM Maximo Application SuiteIBM Supply Chain Intelligence SuiteEnviziをはじめとするソリューションの詳細は、 ibm.com/jp-ja/sustainability をご確認ください。

 

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