IBM i
IBM i アプリ開発環境をモダナイズするRational Developer for i
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IBM i アプリケーションの作成や保守を行なう統合開発環境 IBM Rational Developer for i (RDi) は、Java、Java EE、C/C++、RPG、COBOL、制御言語(CL)、およびデータ記述仕様(DDS)など、広範囲のプログラミング・モデルとプログラミング言語をサポートしており、開発効率を高める様々な工夫が施されています。
その1つが「PDMパースペクティブ」で、従来からIBM iアプリケーションを開発してきたエキスパートにはとても嬉しい、プログラム開発管理機能(PDM)と互換性を持ったeclipseのインターフェース(ユーザーが作業中の特定のタスクに応じてさまざまなビュー、ツールバー、メニューの配置を分類・定義)です。PDMパースペクティブを一言で表現すれば、IBM i 開発用のあらゆる機能を1つのGUI画面上に集約した便利ツールと言えるでしょう。
それでは、RDiの生い立ちを振り返りながら、昨年RDi V9.6.0.3で新たに追加されたPDMパースペクティブ機能について見ていきましょう。
Rational Developer for i の生い立ち
RDiの一番最初のバージョンは、2003年に出荷開始されたIBM WebSphere Developmet Studio Client for iSeriesです。RDiを「最新のIBM i 統合開発環境」と称してご紹介することもいまだにありますが、すでに15年以上の歴史を持つ実績のあるツールです。
RDiのベースであるeclipseは、元々はIBMがVisualAgeの次期バージョンとして開発したコードをオープンソースとして寄贈したものです。IBMは、オープンソースとなったeclipseに独自のプラグインを付加して製品として販売しています。Java開発者向けのIBM Rational Application Developer (RAD)は有名ですが、RDiはその従兄弟にあたります。RDiはeclipseにIBM i 開発用のプラグインを追加した製品で、IBM i の5250開発環境で長年使われているSource Entry Utility (SEU)やScreen Design Aid (SDA)などが含まれています。従って、ファンクション・キー(PFキー)の操作や行編集コマンドなどがSEUと共通になっており、5250ユーザーに対する使い勝手にも配慮されています。
RDi 開発画面
RDi 機能例:PDMパースペクティブ
さて、RDiが発表から15年以上も経った今、新たにPDMパースペクティブを追加する理由はなんでしょうか?
私見ですが、UNIXでコマンドラインを愛する開発者が多く存在するように、IBM i でも5250やSEUを愛するエキスパートの開発者が現在も相当数存在するからではないでしょうか?
実際、GUIのIDEに比べるとテキストベースで反応も軽く、PFキー操作も身体が覚えているハッカーレベルの5250開発者には、eclipse GUI開発環境はかったるいのかもしれません。しかし、だからといってあきらめないのがIBMの製品開発担当者なのです。製品開発の現場では「テキストベースの開発エキスパートであっても、RDiをつかえば必ずメリットを享受できるはず。IBM i 開発者も一度はeclipseベースの開発環境を習得すべきだ」と考えていると思います。エキスパートの開発者に向けたIBMの答えが、このPDMパースペクティブではないでしょうか。
PDMパースペクティブには、5250では複数のコマンドや画面に分かれるエディター、オブジェクト操作管理機能、デバッグ、コンパイルコマンド、コンパイルリスト(スプール)表示機能、DBデータ参照機能をなど、 あらゆる機能が含まれています。これらをたった1つのGUI画面から透過的に呼び出して使用することができるのです。そして、PDMパースペクティブの一番のメリットは、ずばり、5250のPDMとおなじ操作体系を移植している点にあります。
例えばSTRLIBPDMコマンドを実行し表示されたライブラリーのOPT欄に12を入力するとオブジェクトが表示され、さらにソースファイルのOPT欄に12を入力するとソースメンバーが表示され、さらにメンバーOPT欄に2で編集、3でコピー・・・・ 5250ハッカーのみなさんが身体で覚えている操作コマンドがeclipseでも使えるのです!
RDi 機能例1:PDMパースペクティブ
さらに、GUIマウス操作でのコピーなら、論理分割(LPAR)されたOSイメージをまたいだコピーもできてしまいます!!どうですか?つかいたくなってきませんか?
RDi 機能例:ソースコードの比較・マージ
5250テキストベースではできない、RDiの機能をもう一つご紹介しましょう。2つのソースの比較・マージ機能です。これは以前からRDiで利用可能な機能ですが複数のソース比較して差異の提示とマージを実行できます。いまどきのIDEでは当たり前な機能ですが、RDiでも当たり前です。
RDi 機能例2:ソースコードの比較・マージ
このように、RDiは新たにIBM iアプリケーションを作成する開発者だけでなく、5250をバリバリ使いこなしていたエキスパートまで、アプリケーション開発の生産性を高める工夫が随所に施されています。
もっとPDMパースペクティブを知りたい!という方は次のビデオをどうぞ。
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