発表情報 / 重要情報

「収益性の改善」と「業績の向上」に寄与するIBM Powerの最新発表

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パフォーマンスとデータ保護の維持、IT投資の削減とを両立させるIBM Power

IBM Power の今年の戦略を発表した際に、お客様から最も多く寄せられた質問のひとつは、パフォーマンスとデータ保護に妥協することなく IT 投資を削減するにはどうすればよいかというものです。その後しばらくして、金利とインフレの上昇の中で世界経済市場が変動し、不確実性が継続する中、これらの懸念はさらに広がっています。

IT サービスに対する需要が加速する中、コスト効率の高いサーバー環境を提供することの重要性がより一層高まっています。本日、IBM Power は、このような激動の時代において、お客様がデジタル・トランスフォーメーションを推進し、総所有コスト(TCO)を削減して収益性を高め、エネルギー消費を効率化し、インフラのパフォーマンスを改善、運用をモダナイズして成長と変革をサポートできるよう、いくつかの新機能を発表しました。

最新のストレージ・ドロワーが提供する性能とエネルギー効率の最適化

IBM は、業界初登場の PCIe ダイレクト・アタッチ  24ベイ NVMe ストレージ・ドロワーにより、I/O 機能を拡張しています。この新しいストレージ・ドロワーは、現在の SAS ストレージの JBOD や RAID ストレージを置き換えるために設計されており、データ遅延を削減するとともに、大規模なストレージ容量を備え、パフォーマンスを向上し、さらにストレージ管理を簡素化します。

新しい IBM Power 24ベイ NVMe ストレージ・ドロワーの機能は以下の通りです:

  • 現在の SAS ベースの Enterprise SSD ソリューションと比較し、ダイレクト・アタッチの IBM Storage コスト($/TB)を62%削減[1]
  • 現在の IBM SAS ベースのエンタープライズ SSD ソリューションと比較し、I/O 帯域幅(GB/s)が約10倍、I/O オペレーション/秒(IO/s)が最大で3.7倍向上[2]
  • 1台の IBM Power E1080 に最大1.2 PB のストレージ(1つのドロワーで153 TB、最大8ドロワーまで対応)をダイレクト・アタッチすることができ、現行のIBM SAS ベースの Enterprise SSD ソリューションと比較して、85%以上向上した電力効率 (容量/ワット) を実現することでエネルギー消費を改善[3]
  • 大規模でミッションクリティカルなデータベース・アプリケーションに必要な Flash Cache 容量を拡張
  • 最大24区画のネイティブ・ブート機能

これらの機能強化は、現時点での IBM SAS RAID ベースのストレージ・ソリューションよりも大容量のストレージを提供するように設計されており、ワークロードの実行に必要なインフラストラクチャーの量を削減し、結果としてお客様のエネルギー消費と経費の削減につながる可能性があります。

IBM Navigator for i の機能強化を含む IBM i の最新テクノロジー・リフレッシュの発表

IBM は、5月に IBM i の最新のテクノロジー・リフレッシュである IBM i 7.5 TR2 および IBM i 7.4 TR8 を出荷する予定です。IBM i ポートフォリオ全体では、IBM Navigator for i の改良を含む多くの機能強化があり、エンド・ユーザーとシステム管理者の両方が、より簡単かつ使いやすく IBM i 環境にアクセス、管理、監視できるようになっています。これらの機能は、複雑なデータ要求を行うクライアントが、Power10 により強化された SQL エンジンを活用することにより、パフォーマンスを向上できるように設計されています。

IBM は現在、Power10 上で動作する IBM i 環境向けのテープ・バックアップ・ソリューションを提供しています。これらのソリューションには、IBM i 専用にサポートされた新しい4ポート12Gbps SAS アダプター(現行の SAS アダプターより2倍以上高速)[4]、8Gbpsファイバーチャネル・テープ・ライブラリーまたはスタンドアロン・テープ・デバイスとのダイレクト・アタッチに新たに対応し、容量とパフォーマンスの向上を目指した新しい LTO9 テープ技術のサポートが含まれています。これらのソリューションは、最新の I/O 技術を活用しながら、ダイレクト・アタッチ・テープのシンプルさと安全性を提供します。

また、IBM は FalconStor Software と協業し、エンタープライズクラスのデータ保護、災害復旧、ランサムウェア保護、クラウド移行のための新たなソリューションを用意しました。この仮想テープ・ライブラリー・ソリューションは、クラウドとオンプレミスのハイブリッド・バックアップを可能にするよう設計されており、お客様は IBM Power のワークロードを IBM Power Virtual Server に移行、バックアップ、復元できるようになります。このソリューションは、主要なバックアップ・ソフトウェアと連携して容量要件を削減し、統合された重複排除技術によって重複したデータのコピーを削除することでレプリケーション時間を最小化します。

Linux 専用モデル(SAP HANA 認定ハードウェア)による TCO の最小化

IBM Power は、SAP HANA のために設計された最高クラスの信頼性[5]を持つサーバー・プラットフォームで、SAP HANA への移行コストを下げるための選択肢を提供するために、新しい構成を用意しました。今年の1-3月期に、IBM Power L1024とIBM Power L1022が、2~6TB の SAP HANA環境向けのハードウェアとして認定されました。Power L1024とPower L1022は、17.8千ドル/TB から始まる、SAP HANA環境向けのコスト効率が高い新オプションとなります。

6~12TB の SAP HANA 構成の場合、IBM Power E1050 の DIMM 容量を複数種類の DIMM カードの組み合わせにすることで(単一の DIMM 容量構成に比べ)柔軟性を高め、お客様の要件に合わせてメモリー構成を最適化することができます。12TB 構成で最大30%のメモリー・コストの削減が可能です[6]

収益性の向上と管理の簡素化を実現するこれらの機能強化により、お客様はインフラストラクチャーの IT 費用を節約し、その節約した分を他の重要なイノベーション分野に振り向けることで、組織を持続的なビジネス成果の推進に適した状態にすることができます。

多くの実績がある「リホスト」によるITモダナイゼーションの促進

国産メインフレームのビジネス撤退などのニュースにより、それらを利用されているお客様は余儀なく今後の方針の決断を迫られることになりました。メインフレーム上のアプリケーションはミッション・クリティカルなシステムであり、システム資産の重要性や複雑性などを考えると、早くから移行を検討することが重要になります。メインフレームの信頼性・安定性を継承しながら、最新の IT 基盤へ移行する IT モダナイゼーションの選択肢としては、「IBM Power + IBM i への移行 (リホスト)」が効果的であり、多くの実績があります。

「IBM Power + IBM i」が選択される理由は主に3つあります。

  1. 性能と信頼性: IBM Power は世界中の超大規模なミッションクリティカル・システムを担っています。メインフレームと同等のパフォーマンスを高い信頼性で提供するだけではなく、ハードウェア、OS、データベース、アプリケーション稼働環境の IBM による統合設計は、強力なセキュリティーをも実現しています。
  2. 容易な移行と将来を見越したオープン化:IBM i は COBOL-85 に準拠した ILE COBOL、SAM/ISAM/VSAM/NDB/RDB を含めたデータセットを移行できる Db2 for i、強力なジョブ管理機能と印刷スプール機能を装備しており、メインフレームのアプリケーションだけでなく、データベースや運用方法の移行も容易です。また、REST API、JDBC、ODBC も標準装備しており、既存のアプリケーションとデータベースを活かしながら、モダナイゼーションや DX を低コスト・短期間・低リスクで実現できます。
  3. アプリケーションとデータベースの後方互換性:一度作成されたアプリケーションやデータベースは、ハードウェアや OS の更新タイミングを超えて稼働し続けます。IBM i は後方互換性の担保により、ハードウェアや OS のグレードアップ時のコスト・期間・リスクを最小化・最短化します。

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Power10 プロセッサー製品のファミリー画像

手前左:IBM Power E1080、手前中央下:IBM Power E1050、手前中央上:IBM Power S1022、手前右:IBM Power S1024、後方左:IBM Power E1080を収納しているラック、後方中央:IBM Power S1022を収納しているラック、後方右:IBM Power S1014


[1] 現行の FC #ESLS (1.55TB) と新しい FC #ESR0 (6.4TB) の現時点の IBM価格 とエンタープライズクラスの最大ストレージドライブの容量を比較

[2] IBM i 環境において、Power E1080に接続された新しい FC #ESR0 と、IBM Power E980に接続された現行の FC #ESLS が、100% 読み取り処理(GB/sは256KB、IO/sは4KB)を実行した IBM 社内測定結果に基づく

[3] 最大容量と消費電力は、U.2エンタープライズ NVMe ドライブを使用した FC #ESR0 では 153.6TB、1000W、エンタープライズクラスの SSD を使用した FC #ESLS では37.2TB、450Wに基づく

[4] 現行の 3Gbps および 6Gbps と比較し、新しい 12Gbps SAS アダプターに基づく

[5] 2022 ITIC Global Server Hardware Reliability Report に基づく

[6] 現在の 16 x 1TB 機能に対して、8 x 1TB + 8 x 512GB 機能の混合構成の IBM 価格に基づく


本記事は「Focusing on Increasing Our Clients’ Profitability and Performance When They Need It Most (written by Steve Sibley, Vice President, Power Systems Offering Management)」の抄訳に一部情報を追記したものです。


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