IBM Power
4月なのでIBM Power Systemsの発表当時を振り返る
2021-04-02
カテゴリー IBM Power
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Power10プロセッサー搭載サーバーの年内発表を控えているIBM Power Systems。改めて、IBM Power Systemsを紹介するにあたり、初めて発表された当時の状況をIBM Power Systems日本語サイトの初代ウェブマスターが振り返ります。
黒澤 巧
日本アイ・ビー・エム株式会社 マーケティング&コミュニケーションズ ウェブ・オプティマイゼーション・スペシャリスト
IBM Power Systems日本語サイトの初代ウェブマスター。ライターとしてPOWER9プロセッサー搭載サーバー発表記事「高速化された計算能力によってAI時代を担うサーバー」「次世代のテクノロジーで構築されたクラウド対応サーバー」「スケールアップ・サーバーが加わったPOWER9プロセッサー搭載サーバーのラインナップ」を執筆。
2008年4月。実は日米で違ったIBM Power Systemsの発表日
この記事のタイトルを「4月なのでIBM Power Systemsの発表当時を振り返る」としたのは、4月が2008年にIBM Power Systemsが発表された月だからです。具体的なIBM Power Systemsの発表日を検索すると、一般的には「4月2日」という結果が表示されると思います。ところが、実は、日本におけるIBM Power Systemsの発表日は「4月2日」ではありません。当時は、重要な製品発表の場合は、日本国内向けのメッセージを入念に練った上で、米国IBMからスピーカーを招いて登壇させる記者向け発表会を開催することが多かったのです。その結果、米国IBMとは異なる発表日を設定する場合がありました。
IBM Power Systemsの場合も同様で、1週間後の「4月9日」が日本IBMからの発表日だったのです。当時のフラグシップモデルの製品発表レター「IBM Power 595 サーバー(9119-FHA)の発表」が「4月9日」発表であったことの証拠となります。(「IBM Power Systems」「2008年」「日本IBM」 といった複数のキーワードで検索すると、2008年4月9日に開催された記者向け発表会を紹介する当時のメディア記事が検索結果に表示されると思います)
では、なぜ、日本IBMは、IBM Power Systemsの発表にあたり、周到な準備を行ったのでしょうか。
2つのサーバー製品群を統合したサーバー。それが、IBM Power Systems
ご存じの方はご存じと思いますが、IBM Power Systemsは、IBM AIX、IBM i、Linuxの3つのオペレーティング・システム(OS)をサポートするサーバーです。このIBM Power Systemsが、2008年4月以前は「IBM System i」と「IBM System p」という2つの製品群に分かれていたのです。
IBM System i は、OSとしてi5/OS(現在のIBM i )を搭載するビジネス・アプリケーション用サーバーであり、日本では「オフィスコンピューター(オフコン)」に分類されていました。なお、IBM System i の「i」はIntegrationを意味していました。
IBM System p は、OSとしてIBM AIXを搭載するUNIXサーバーでした。また、IBM System pはLinuxも導入できたので、UNIXサーバーという記述以上のことを実現したサーバーでした(正確には、IBM System i もLinuxが導入できました)。なお、IBM System p の「p」はPerformanceを意味していました。
具体的な製品を例に挙げて、IBM System i と IBM System p の統合を紹介してみましょう。例えば、IBM System i にはPOWER5プロセッサーを搭載する「IBM System i5 モデル595」がありました。そして、IBM System p には、同じくPOWER5プロセッサーを搭載する「IBM System p5 モデル 595」がありました。これらの2つのシステムが、IBM Power Systemsとして統合された結果、POWER6 プロセッサーを搭載する「IBM Power 595」になったのです。
ただ、OSとハードウェアを一体化した製品群であったIBM System i とIBM System p が、単一のハードウェアに対して用途に応じたOSを導入するIBM Power Systemsに変わったことで、日本IBM社員のみならず、お客様もビジネスパートナー様も表現方法に苦労しました。商標的に正しいかどうかは別として「IBM i on Power Systems」「AIX on Power Systems」「IBM Power Systems(i)」といった書き方で区別していた時期がありました。
もちろん、表現方法の件は一例にすぎません。製品の統合によって直面する様々な課題を鑑みて、入念にIBM Power Systemsの発表内容を練り、体制を整える必要があったのです。
現在のIBM Power Systems
2021年4月現在、IBM Power SystemsはPOWER9プロセッサーを搭載し、スケールアウト・サーバー、スケールアップ・サーバー、そして、AIの学習や推論に最適な高速コンピューティング用サーバーを提供しています。また、企業の大規模基幹システムを担うSAP HANA環境の効率的な構築と安定稼働に貢献する認定ハードウェアも提供しております。
IBM Power Systemsが提供するスケーラビリティーはハイブリッドクラウドに最適です。また、災害対策のバックアップ環境や、開発・検証環境構築のためにIBM Power SystemsのLPAR(論理区画)をIBM Cloud経由で従量課金にて活用できるIBM Power Systems Virtual Serverもご利用いただけます。
明確なロードマップのもと、時代が必要とする機能を提供するために確実に進化を続けているIBM POWERプロセッサーとIBM Power Systemsにご期待ください。
関連情報
- SAP HANA 認定ハードウェア
- IBM Power Systems Virtual Server
- AI学習やAI推論に最適な高速コンピューティング用サーバー
- 次世代 IBM Power10 プロセッサーを公開
【本記事のリードスペース画像について】
上は、2008年開催「IBM i 次の20年へ」セミナーで配られた升。下は、2010年開催「POWER7発表セミナー」で配られた升。(2つの升の実物を所持しているのですが、セミナーに関しては記憶が曖昧な部分があります。ご容赦ください)
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