IBM Z

iF DESIGN AWARD 2021をIBM z15が受賞

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iF Design Award 2021のロゴ画像「デザイン界におけるオスカー賞」とも称されている国際的なデザイン賞「iF DESIGN AWARD」。

このたび、進化を続けるメインフレームであるIBM Zの最新製品「IBM z15」が、プロダクト部門で「iF DESIGN AWARD 2021」を受賞しました。

IBM z15

イベント会場に展示されたIBM z15(筆者撮影)

受賞製品であるIBM z15を紹介するiF DESIGN AWARD 2021のページに書かれている内容を、以下、抜粋します。

  • IBM Zは、ゼロ・ダウンタイムを実現するとともに、セキュリティーを最大化する設計によってソフトウェアでもハードウェアでも不正アクセスを防ぎ、大量のデータを処理します。
  • 我々の日常の金融活動を支える陰のヒーロー(IBM Z)は、人目に触れることがない密室に隠されていますが、IBMはユーザー・ファーストの厳格なアプローチでIBM Zを設計しています。
  • IBM z15は、工業デザインとエンジニアリングが、パフォーマンス、製造品質、ブランドの一貫性をどのように組み合わせられるかを示す一例です。

 

上述した内容のうち、まず、工業デザインブランドの一貫性について補足します。

工業デザインの観点において、IBM Zというブランドには一貫したデザイン言語があります。このIBM Zのデザイン言語は、ビジネス・コンピューティングの進歩に対するIBMの献身的な意思表明を表しており、ビジネス・コンピューティングの進化とともに、デザイン言語も進化を続けています。(2013年にiF DESIGN AWARDを受賞したIBM Enterpriseを参照)

「デザイン言語の進化」は、IBM Zのフロント・パネルの変化で察していただけるかと思います。

IBM z15の筐体には、シングル・フレームとマルチ・フレームがあります。そこで、フロント・パネルの変化を比較しやすいように、シングル・フレーム筐体の画像を並べてみました。左から順に、IBM z13s(2016年発表製品)、IBM z14 model ZR1(2018年)、IBM z15(2019年発表製品)となります。

並べてみると、「Origami Design(折り紙デザイン)」と称されている、折り目を配したフロント・パネルが、変化していることをご確認いただけるかと思います。

そして、ここから述べる内容は、あくまでも、筆者の推測となります。

筆者の推測を明確にするために、画像に赤い線を追加してみました。

左のIBM z13sで下方にあった分割線が、中央のIBM z14 model ZR1では上方に移動しています。その結果、IBM z13で概ね2分割であった見た目が、IBM z14 model ZR1では3分割になった感じです。

そして、IBM z15では4分割となり、4つの正方形の小型パネルが連なる形へと変化しています。

「Origami Design」を踏襲することでブランドの一貫性を保ちつつ、2分割から3分割、そして、4分割への変化で「進化」を示すデザイン…そのように、筆者は感じるのです。

 

人目に触れることがない密室に隠されていますは、まさに、その通りです。

「金融活動を支える」と書かれていたので銀行業界を例にとると、IBM Zは世界の銀行のトップ100行のうち92行で採用されています。そして、重要なデータを扱うIBM Zは、当然ながら高度なセキュリティー技術で保護されたサーバー・ルームに設置されます。

つまり、サーバー・ルームに入室できるサーバー管理者以外はIBM Zを目にすることがありません。まさに、「人目に触れることがない密室に隠されています」という状態です。

サーバールーム内部のIBM Zを覗き込みながら会話する人々この画像は、2014年にIBM Mainframe Blogで公開された記事『見られることがないからと言って、手を抜く理由にはならない、と考えるIBM』向けに制作されたものです。よって、画像に登場しているIBM Zは、当時の主力機であるIBM z13です。

この記事には、「たとえ限られた人しか触れる機会がない製品であったとしても、触れた人がステータスまで感じられるような製品を全力で目指す」という一文があります。

これは、IBM z15を紹介するiF Design Award 2021のページに書かれている「IBMはユーザー・ファーストの厳格なアプローチでIBM Zを設計しています」を、分かりやすく換言している文章と言えるでしょう。

 

ゼロ・ダウンタイムを実現の「ゼロ・ダウンタイム」とは、「障害などでシステムが停止する時間がゼロ」であることを示す言葉です。

名称に「Z」が冠された製品は、2000年に発表された「IBM eServer zSeries」が原点です。その後、「IBM System z」「IBM zEnterprise System」「IBM z Systems」そして、現在の「IBM Z」へとブランド名称は変化を続けますが、「Z」は一貫して継承されています。

「ゼロ・ダウンタイム」を意味する「Z」を製品名称に用いている理由は、常に稼働していることが求められる重要な業務にIBM Zが使用されているからなのです。そして、システムやサービスの停止時間がないことの意味や意義は、「メインフレームなしで5分間でも生活できますか?」と題した映像(日本語字幕)をご覧いただくと分かりやすいと思います。

 

セキュリティーを最大化の1つは、盤石なセキュリティー対策が求められている時代の要請に応えるためにIBM z14が実現した「全方位型暗号化」です。

そして、オンプレミスとパブリッククラウドを組み合わせて利用するハイブリッドクラウド環境におけるデータ保護の観点でIBM z15が実現した「データ・プライバシー・パスポート」も、その1つです。

どちらも短い文章による紹介が難しい内容であるため、本記事での紹介は割愛します。別途、『全方位型暗号化: データ保護の新たな標準』『Think London イベントでIBM Zの二つの「業界初」を披露』中の「あらゆる場所での暗号化とセキュリティー」を一読いただけたらと思います。

 

IBM ZがiF DESIGN AWARDを受賞するのは、今回で4回目です。初回は、2001年のIBM eServer zSeries。2回目は、2013年のIBM zEnterprise System。3回目は、2019年のIBM z14でした。

これまでの製品発表サイクルを鑑みると、次なるIBM Zは今後1年か2年の間に出てくるかもしれません。その場合、フロント・パネルのデザインがどうなるのかが、当然ながら気になります。IBM zEnterprise EC12とIBM z13の時のように同じデザインが継承されるのか。それとも、デザイン言語が更なる進化を遂げるのか。

権威あるデザイン賞を受賞する製品でもあるIBM Z。多くの皆様に、工業デザインの観点でも注目いただきたいと思います。

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