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IBM Power10のビジネス価値

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2021年後半にIBM POWERプロセッサー・ファミリーの第10世代となるIBM Power10プロセッサーを搭載したサーバーの提供が始まると、AIとハイブリッドクラウド時代の真っ只中にいらっしゃるお客様は、どのようなビジネス価値を新しいサーバーに期待できるのでしょうか。

IBM Cognitive Systemsジェネラル・マネージャーであるステファン・レナード(Stephen Leonard)氏に、その価値について語ってもらいました。


7 nmプロセス技術を採用したIBM Power10プロセッサーのシリコンウェハー。IBM Power10プロセッサーは、前世代のPOWER9と比較して、キャパシティーとエネルギー効率は最大3倍に向上、AI推論は最大20倍に高速化されると期待されています。

IBM Power SystemsとIBM Power10について知っておくべきこととは?
IBM Power Systemsは、あらゆる規模の企業にとって必要とされる製品であり、新世代のIBM Power10プロセッサーは一層の差別化が図れるように設計されています。この7nmプロセス技術を採用したプロセッサーは、郵便切手ほどの大きさに180億個ものトランジスタを内蔵しています。もし皆様が小売、通信、金融サービス、医療などの業界に属するお客様でしたら、これまでお客様のデータセンターに存在していなかった最先端かつエンタープライズ・クラスのビジネス・プロセスを遂行する手段をご提供することがPOWER10の目標であるとお伝えしたいと思います。

IBM Power10プロセッサーは、お客様がIBM Power10搭載サーバーをオンサイトで稼働させ、信頼性と安全性に優れた高速処理を実現できるように設計されています。例えば、現在、薬局に設置されているIBM Power Systemsサーバーは、政府のプライバシー規則に準拠しながら、患者の処方を迅速かつ安全に追跡する必要があります。通信業界のお客様は、エンタープライズ・クラスのAIとハイブリッドクラウド機能を提供するために、IBM Power Systemsを利用しています。そして、自動車部品サプライヤーは、ますます自動化が進む先進的な製造の世界でIBM Power Systemsを利用しています。

中小企業においても、IBM Power Systemsは万全の信頼性とセキュリティーを必要とする環境で、ビジネス・クリティカルなワークロードを処理するために導入されています。特定のタスクに特化したコンピューティング要件を持つ中堅企業のお客様は、環境に配慮した高床式のデータセンターに投資することはできませんが、機密性の高い高度な運用にエンタープライズ・クラスのサーバーを必要とする場合があります。

IBM Power Systemsは、お客様が必要とするカスタマイズが可能であり、エンタープライズ・クラスのエクスペリエンスをご提供します。また、省スペース性、スピード、およびエネルギー効率を新しい基準に高め、必要な場所で確実かつ安全に稼働します。

IBMの新しいPower10プロセッサーは、ハイブリッドクラウド時代に向けて開発されており、クラウドのキャパシティーを向上させるためのMemory Inceptionなど、画期的な新機能を備えています。また、現在最も厳しい基準である暗号化を40%高速化し、さらにポスト量子暗号化のような将来の暗号化基準にも対応しています。

デジタル変革、AI、ハイブリッドクラウドにおけるIBM Power Systemsの役割とは?
お客様は、特にIBM Power Systemsのような優れた処理能力と柔軟性を長年享受された場合には、所有しているシステムを長く使い続けたいとお考えになるでしょう。一方で、AIやハイブリッドクラウドについては、議論の余地はありません。検討すべきポイントは、「もしも採用したら」 ではなく 「いつ採用するか」、そして「どれだけ早く」に移っています。AIやハイブリッドクラウドを検討していた企業は、今すぐ行動を起こす必要があることが、世界的なパンデミックによって非常に明確になりました。IBM Power Systemsは、IBM Power10によって、AIとハイブリッドクラウドの両機能を新しいお客様や数万人の既存ユーザー企業にご提供することで、デジタル変革の推進役を果たすことができます。

例えば、ビジネスでAIを活用することを考えてみましょう。まず、そのAIモデルが十分に学習されていなければなりません。この学習には、膨大な計算能力が必要です。しかし、IBM Power Systemsサーバー・ファミリーには、AI学習モジュールを大規模なエンタープライズ・システムの最大4倍の速度で実行できるものがあります。また、アプリケーション内でAIを実行することもできます。さらに、IBMの膨大なソフトウェア・ライブラリとISVエコシステムを通じて、あらゆる規模の企業に対してAIモデルの自社開発を支援するソリューションやサービスをご提供しています。

次に、ハイブリッドクラウドです。お客様は、柔軟性、ビジネス変革のための共創、市場アプローチの高速化など、パブリッククラウドが注目を集め推進されたのと同様の効果を求めて、ハイブリッドクラウドを推進しようとしています。ハイブリッドクラウド化により、お客様のITインフラストラクチャーは俊敏になり、新しい市場機会に軸足を移したり、競争上の脅威に対応したりすることができます。ITインフラストラクチャーは、「企業全体で必要としているものであり、すべてを企業の外に置いておくことはできません」と語るお客様も多くいらっしゃいます。IBMは、クラウドとオンプレミスの両方をリードできる企業であり、Red Hat OpenShiftをベースとするオープンソースのハイブリッドクラウド・アーキテクチャーへの取り組みを推進しています。IBM Power10は、クラウドの基盤として機能するよう設計されており、顧客をハイブリッドクラウドに移行する上で最適なポジションにあります。

IBM Power10が業界の他の製品と比べて際立っている点とは?
お客様は、当社がIBM Power10の実現に向けて設計した最高レベルのサイバーセキュリティーが十分であるかを確かめたいとお考えのことでしょう。IBM Power10はソフトウェアによる暗号化を行わず、ハードウェアによって全てのメモリーが常に暗号化されるため、処理能力の低下を心配する必要はありません。さらに、IBM Power10は帯域幅と耐障害性を実現するメモリー・アーキテクチャーを備えて設計されています。IBM Power10搭載システムを使用すれば、アプリケーションを移動させる際に、ハイブリッドクラウドの世界で非常に重要となるセキュアーなメモリー環境も実現できます。

また、IBM Power10に搭載されたMemory Inceptionという新技術も公表しました。お客様は、この機能によって複数のIBM Power10搭載システムにまたがるメモリー・プールを作成できるようになります。その結果、数ペタバイトのメモリーを活用できます。アプリケーションはある1つのシステム上で稼働しますが、稼働しているシステム上と同じように、プール内のどのサーバーのメモリーにもアクセスできます。メモリーを大量に消費するようになったアプリケーション (CRM、ERPのサプライチェーン・アプリケーションなど) を考えると、ハイブリッドクラウド環境では、この新機能がゲームチェンジャーになると予想されています。

IBM Power10は、高レベルの耐障害性セキュリティーと拡張性の要件を持つ非常に大規模なアプリケーションを実行している企業にとっても価値を感じていただけるでしょう。

関連情報

IBM の将来の方向性および指針に関するすべての記述は、予告なく変更または撤回する場合があります。 これらは目標および目的を提示するためにのみ使用しています。


*本記事は、Q&A: Stephen Leonard on the Business Value of IBM Power10を抄訳し、一部編集したものです。

 

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