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もっと大きなハッピーをもっとたくさんの人たちに(Watson IoT 村田 大寛)

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Watson IoTチームメンバー・インタビュー #4

村田 大寛 テクニカル・セールス

 

IoTやAIが持つ可能性とそれがもたらす未来について、Watson IoTチームのメンバーに個人的な視点を交えて話していただくインタビューシリーズ、今回は村田 大寛(ダイカン)さんに登場いただきます。

(インタビュアー 八木橋パチ)

 

     — 突然ですが、ダイカンさんはもうWatson IoTチームに加われて長いんですか?

よろしくお願いします。いや、実はまだ3〜4カ月なんですよ。

ソフトウェアを駆使してお客様の課題を解決するという点では大きな違いはないのですが、ついこの間まではクラウド事業部というところに所属して、RPAなどを担当していました。

パチさんはRPAってご存知ですかね?

 

     — もちろん! ロボティクス…パーソナル…あれ、なんか違うな。なんですかRPAって?

ロボティック・プロセス・オートメーションで、ロボットによる業務自動化ですね。

ここ数年、長時間労働だとか、労働力不足だとか、そういう社会課題への対応策の一つとして注目されているエリアですね。

 

     — 社会的意義も大きいしおもしろそう! でも、異動されたんですね?

はい。まあ理由はいくつかあるんですが…。

おっしゃる通り、意義は本当に高いんですよ。でも、対象がほぼデスクワークに限られているということもあって、影響範囲というか恩恵を得られる人の数はあまり大きくないんですよね。

それに比べて、Watson IoTってもっと社会全体と関わってくるじゃないですか。なんていうか、その…もっと大きなハッピーをもっとたくさんの人たちにもたらせるっていうか…その…。

 

     — ステキです!でも、どうしてそんなに言い淀んでるんですか?

だって、何だか社会的なことをいつもしっかり考えている人みたいに思われると困っちゃうし。

それに、まだ大きな価値を提供できている訳でもないのに、あんまり大きなことばっかり言っているみたいに思われそうでちょっと…。

 

 

     — ダイカンさんが「おもしろさ」を感じるのはどんなときですか?

うーん、僕にとってのおもしろいものって「新しい視界や世界感を与えてくれるもの」ですね。たとえば、ある一つのインプットから、それまで自分が想像もしていなかったり、予想を覆すようなアウトプットが出てくることがあると、ときめきますね。

僕が最初に就職したのはロータス社だったのですが、いま考えてみれば、そのときめきを求めて惹かれたのかもしれません。

ソフトウェアとかインターネットとかの技術が、過去の知識や先人の思いのようなものと新たなインプットを融合させて、質を高めたり、それまで不可能だったことを実現したりする場に身を置きたかったからなのかも。

 

     — ダイカンさんもロータス出身なんですね。なるほど先日の「知識や技術の継承」をテーマにしたセミナーで話されていた分野に直結していますね。

そうなんです。

技術的には、今、情報の共有や継承はかなりしやすくなってきていますよね。

それなのに、なかなかそれが進まないのは、むしろテクノロジーよりもマインドセットのせいなんじゃないかなと思っています。

 

     — ナレッジマネージメントの阻害要因は、もはやマインドや文化である、と。

はい。人間って、苦労して手にしたものは、やすやすと他の人に分け与えたいと思わないんじゃないですかね。「あんなに俺は苦労したんだから」って。

これは割と根深い問題で簡単には変えられないだろうと思っているんですが、でも視点をガラッと180度変えられれば、一挙にかたがつくのかもしれない。

 

     — どうやって?

最初から苦労せずに入手できるようにすればいいんじゃないですかね。簡単に手に入るものなら、簡単にシェアしたり再活用できるようにしておこうって思うんじゃないでしょうか。ちょっと自分のコメント加えたりして、少しだけ価値を高めたりしながら。

僕が担当している「作業員向けAIアシスタント」もそういうコンセプトで、「より早くより簡単に解決策を見つけたい、ヒントを得たい」っていう現場の方の思いに応えて、それがどんどん質を高めながら広がっていくものなんですよ。

 

 

     — とはいえ、そんなに簡単に熟練者の技は伝承できないですよね。

その通りです。実際に知識として知っていれば対応できるレベルのものと、知っただけでは実行できず時間をかけて習得していく「技」とがあります。

でも結構よく目にするのが、なんでもかんでも技としてしまっているケースです。それを知識として持つだけで問題解決につながるようなものものまで技としてしまっていて…。

棚卸しが必要だと思うんですよね。

 

     — ちょっと違う話かもしれませんが、ときどき耳にする「部活の理不尽な伝統」が頭に浮かびました。「俺たちも1年生のときにやらされたんだから、お前らもやれ」みたいな。

それに近いものが会社生活にも少なくないのかもしれないですよ。かなり昔の話ですが、僕自身若い頃、ゼロから書くように言われて頑張って書き上げたプログラムのコードを、チラッと一瞥しただけで全部消されたことがありました。

その先輩には「まあ、こうやって育っていくもんだよ。どうせ汚いコードだったんだろ」って言われたんだけど、先輩の書いたものとほとんど変わらなかったんですよね…。

まあ、最近はGitHubとかで最初からある程度オープンに共有する文化が広がってきているので、変わってきているとは思いますけど。

 

     — なんだか、無駄が多いというか、無駄を生み出している感じすらします。

そう、僕は無駄を減らしたいし、無駄を生みたくないんですよ。

もっとオフィスワークにも日常生活にも、製造の現場にも、学校や保育園にも、助言をくれる「アシスタント」が増えて効率が良くなって欲しいんです。

 

     — アシスタントですか。

そうです。有益な情報を、状況に応じて伝えてくれるAIアシスタントです。

Watson IoTのソリューションラインアップには、職場や建物内の安全性を高めて人を保護するWorker InsightsとかHome Insightsというのがあるんですが、これがどんどん発展して行けば、深刻なトラブルが減っていくはずなんですよ。

 

     — トラブルを減らしたい、と。

そうです。保育園でのうつ伏せ事故や、介護現場での思わぬ事故とか…。

リアルタイムのデータを活用して、音声や視覚を通じて注意を促したり適切な助言を送って、深刻な状況を招かないよう早いタイミングでアシスタントが入っていく。

Watson IoTが今後そういう分野でどんどん活躍して欲しいし、そこで僕も貢献できたら嬉しいですね。

 

     — 最後の質問です。2030年のダイカンさんはどこで何をしていますか?

きっと、そのときも何かおもしろいものを見つけて、人がハッピーになる解決策を探しているんだろうなって思います。

そしてその頃には、もっとアシスタントが身近になっていて、人はもっと自由な時間を持ちもっとハッピーになっているんじゃないかと期待しています。

 

インタビュアーから一言

「問題を解決したい」というエンジニア魂と「人をハッピーにしたい」という優しさ。
— ダイカンさんと話していると、根底には常にこの想いが流れているんだろうなって感じました。そして、普段はぐっとそれを抑えているがゆえに、きっかけを与えられると想いが吹き出してくる…。

ビジネスやテクノロジーには効率が不可欠だとは思いますが、同時にダイカンさんのような温かさや人間くささも欠かせませんよね。ビジネスにハッピーなコラボレーションを!

 

(取材日 2018年12月27日)

 

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