IBM Consulting
IBMがRPAプロバイダーを買収した理由と、Cクラスの経営層がオートメーション・イニシアチブにより得られる価値
2020年07月17日
カテゴリー IBM Consulting
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IDCの予測によると、2024年までに、AIを利用する企業はAIを利用していない企業と比べて、顧客、競合他社、規制当局、パートナーへの対応速度が50%上昇するとのことです。[1]
こちらのプレスリリース(英語)をお読みになった方は、IBMがブラジルに拠点を置くロボティック・プロセス・オートメーション(RPA)プロバイダー、WDG SOLUÇÕES EM SISTEMAS E AUTOMAÇÃO DE PROCESSOS LTDA(以下、「WDG Automation」)の買収を進めていることをご存知でしょう。この買収の目的は、AIを活用した自動化プラットフォームを強化することであり、この強化によって、ビジネスやIT運用を迅速に変革、標準化して成長、効率、回復力を求めているCIOやCOO向けの、全てが完備されたプラットフォームを獲得できます。
私たちは、ビジネス・プロセスの変革とIT運用の管理という、企業が抱える重要な自動化ニーズが存在している2つの領域に、WDG AutomationのRPAとAI駆動のオムニチャネル・チャットボット機能を提供することを計画しています。
最終的には、IBM Cloud Pak®ファミリー全体にRPA機能を組み込む予定です。第一弾として、ビジネス・プロセス向けのIBM Cloud Pak® for Automation、IT運用向けのIBM Cloud Pak® for Multicloud Managementから着手していきます。
ビジネス・プロセスの変革:推奨から対応までの時間を短縮
IBM Cloud Pak for Automationのお客様はすでに、インテリジェントな意思決定、コンテンツ、キャプチャー、およびワークフロー機能を利用して、あらゆるタイプの作業をデジタル化および自動化しているため、ワークフローにAIを適用して状況をよりよく理解し、チャンスや問題を見抜き、より適切な意思決定を行うことができています。
では、WDG AutomationのRPA機能が追加されることで何が変わるのでしょうか。RPAを搭載すると、Cloud Pakなどのシステムを介してタスクを完了するボットに指示を送信することで、タイムラグや人間の介入なくAIの洞察を利用できるため、プロセスの効率化や、顧客や従業員のエクスペリエンス向上につながります。
現在では、AIの洞察の多くは人間の行動が発端となっています。たとえば、Procure to Pay(購買依頼から支払い)ワークフローには、ある時点で、請求書の支払いを承認する必要があり、その時に請求処理担当者が関与します。では、その代わりに、手動のステップを簡単に識別し、調整されたRPAロボットをすばやく構築して、それを請求処理担当者のプールに追加できるようになったらどうでしょうか。請求書のタイプによっては、ボットにルーティングして、推奨事項をボットに直接送信するのがベストの方法であると、ワークフロー・エンジンが徐々に判断するでしょう。この自動ルーティングは、対応時間を短縮し、請求処理の時間が確保できるため、担当者は他の作業に集中でき、プロセスのエンドツーエンドの自動化が可能になります。
IT運用の管理:ITバックログの削減
現在抱えている問題の理解をさらに深めるためにCIOやCTOと話をしたところ、運用の監視と自動化のための「スマート」ツールに何十年も投資をしてきたにもかかわらず、自分たちの重要な環境をエンドツーエンドで理解していると答えたCIOやCTOは半数以下でした。また、70%は、すでに持っているリソースを使い続けるので十分であると答えました。彼らは、1か月あたり数千件のインシデント(マイナーなものから大きな停止に至るまで)の状況について説明しました。インシデントの解決策を発見するまで、ユーザーは、ツールの切り替え、データの綿密な調査、信号の診断に苛立たしい時間を費やしています。
IBM Cloud Pak for Multicloud Managementの一部であるWatson AIOpsでRPAを使用することにより、CIOやCTOはITの異常をリアルタイムで自己検出、診断し、対応が可能です。ITユーザーはITタスクをインテリジェントに自動化して効率化を実現し、ITプロセスやインフラストラクチャーの回復力をさらに高めて、将来の混乱に備えることができます。スタッフは製品への新機能の追加や問題修正により多くの時間を使うことができます。
このソリューション・パスは、上記の「Procure to Pay」の例に似ていますが、新しいRPAロボットを請求処理のプールではなく、AIOpsアクション・リストに追加します。すると、ボットはチケットに対応し、人間の担当者に代わってアクションを実行できます。
シンプルかつインテリジェントなオートメーションをより迅速、簡単に開始
IBM Cloud PakソリューションのRPA機能、およびよりシンプルになったライセンス・モデルにより、お客様は、迅速に結果が得られ、影響力の大きいタスク自動化プロジェクトをより簡単に開始、拡張できます。また、RPA機能(例外処理、自然言語処理、構造化されていないコンテンツの抽出など)にAIを取り込むことで、業務部門やIT部門は、サイト・リライアビリティ・エンジニア等の多様な職務に合わせて、コンプライアンス、リスク、人事、セキュリティ、サプライチェーンなど、さまざまな分野で多くのことができるインテリジェント・ボットの早期アクティブ化を期待できます。
私たちの目的は、お客様がAIを活用した自動化ソリューションの立ち上げに成功し、ビジネスとIT運用全体にわたって生産性や効率を向上させることです。AIとRPAを含む統合型自動化機能のフルセットにより、CIOやCOOは以下のことが可能になります。
- ローコードツールを使用してオートメーションを迅速かつ簡単に構築できる能力をチームに付与
- オートメーションに、ビジネスやIT運用の最も一般的なシナリオのテンプレートなどのインテリジェンスを注入
- オートメーションの実現により、最も一般的なアプリケーションやコラボレーションツールに事前に統合することで、チームとのシームレスな連携が可能
- 上記全てを一元管理された、クラウド対応型の一貫したランタイムで提供し、総所有コストを削減
私たちの目標は、AIの洞察がお客様の組織全体に行き渡るよう、お客様を支援することです。
7月15日開催の「Ask Me Anything」Webセミナー(英語) にぜひご参加ください。今回の買収やその着手の経緯などの、よくある質問について説明いたします。その他のことについても、何でもご質問ください。
* 買収は慣習的な買収完了条件を満たした後に完了予定です。
出典:
[1] IDC FutureScape:Worldwide Digital Transformation 2020 Predictions, Doc # US45569118、2019年10月
この記事は次の記事の抄訳です。
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