IBM Watson Blog
Watson Assistantですべてを完備したバーチャル・アシスタントを構築
2020年06月17日
カテゴリー IBM Cloud Blog | IBM Data and AI | IBM Watson Blog
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2020年も半ば近い現在、世界は100年に一度とも言える世界的パンデミックに直面し続けています。新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより、公私ともに生活のあらゆる面が変わりました。新型コロナウイルスによる混乱でビジネス界が揺らぐ中、現代の企業にとってAIはもはや「あれば便利」という程度のテクノロジーではないことが一層明らかになってきています。
企業は、サプライ・チェーンの中断から予期しない財政の一時的な問題に対する急激な規制変更まで、あらゆる種類の課題に直面しています。カスタマー・サービスも例外ではありません。お客様からの問い合わせが殺到している中、多くの組織はスケールアップに迅速に対応できず、要求に応えることができていません。世界で強制的なロックダウンが起きたことで、カスタマー・サービス部門は一部のスタッフのみでの運用を余儀なくされ、その一方で広範な市場の混乱に対応しながらコストを最小化するというプレッシャーと、バランスをとっています。当然ながら、ほとんどの企業はカスタマー・サービスの運用を急に拡張できるような準備ができていないまま、コストを管理し、エージェントやお客様に適切なデジタル対話に必要とされるテクノロジーを提供しています。
このようなプレッシャーの下で、企業はまとまりのないカスタマー・エクスペリエンスを、シームレスで効率的なデジタル・エクスペリエンスに変える必要があります。今こそAIを適用する絶好の機会です。AIを活用すれば、よくある質問に迅速に回答し、カスタマー・サービスへの簡単な問い合わせを自動化できるので、お客様がコンタクト・センターにあわてて連絡しなくても問題を素早く解決できるようになります。担当者は重要な問い合わせに注力して対応できるようになります。IBMではこの度、Watson Assistantを新しい機能拡張と統合により強化しました。組織によるカスタマー・サービス・エクスペリエンスの見直しをサポートします。
自ら学習して向上: 企業が直面する最大のハードルの1つは、より良い回答を提供するには、時間をかけてバーチャル・アシスタントに手動で「教える」必要があることです。回答の向上には担当する人員の訓練が必要になる上、バーチャル・アシスタントの訓練も必要です。これまで、この作業では、特定の問い合わせに対するよくある定型の回答を開発者が手動で調査し、最も評判のよかった回答を今後に使用するようにアシスタントに指示する必要がありました。
現在、クローズド・ベータ版の自動学習機能は、お客様の問い合わせに対する最も適切な回答を洗い出してアシスタントに教え込んで機能を改善し、お客様とのあらゆる個別のやりとりを段階的に向上させます。
自動学習は、バーチャル・アシスタントの進化の流れの中での最新の形です。最初に、かつてのルール・ベースのチャットボットにAIが適用されました。その後、チャットボットはスマートになり、企業やその他業界のさまざまなシステムに接続し、膨大な情報ライブラリーにアクセスして回答を引き出せるようになりました。今や自動学習により、限られた人員の指導でもこれらバーチャル・アシスタントの能力を向上させ、カスタマー・エクスペリエンスにおける摩擦点を取り除くことができます。また、お客様に可能な限り最良のエクスペリエンスを提供できるため、お客様が担当者まで回される可能性が低くなります。そのため、お客様と直接的なやりとりや複雑な対話を交わすために担当者を確保しておけるので、カスタマー・サービスのコストが大幅に削減され、担当者はより有意義な作業に従事できるようになります。
自動学習は曖昧性解消に対処します。曖昧性解消とは、バーチャル・アシスタントに課される複雑な言語上の問題で、とっさに判断のつかないような隠れた意図を理解しようとすることです。今や、お客様からの問い合わせの進化につれて、バーチャル・アシスタントも進化できるようになりました。世の中では、企業がバーチャル・アシスタントの責務を急速に拡大し、多くのエンティティーやインテントをひっきりなしに追加しています。自動学習を導入することにより、担当者はとりこぼされていたデータすべてに対応できるようになります。
袋小路に迷い込まない: これまでは、基本的なチャットボットや電話で自動応答装置とやりとりしても必要な回答が全く得られず、ループに陥るか、電話を切りたくなったものです。Watson Assistantを使用すれば、お客様がこのようなフラストレーションを経験することは決してありません。Watson AssistantのLive Agent Handoff機能はZendesk、Salesforce、Intercomとシームレスに統合されているため、お客様の問い合わせが極めて複雑なものであっても、そのお客様とのやりとりの最中に担当者が入って対応することができます。Watson Assistantは、内部の知識ベースから動的な外部コンテンツ・ソース、コール・センターやヘルプ・デスクまでを結んで完全に相互運用可能で、音声プラットフォームとデジタル・プラットフォームにも働きます。
プラグ・アンド・プレイ・ソリューション: Watson Assistantの実装には、データ・サイエンティストもソフトウェア・エンジニアも不要です。数分で実装が完了します。Watson Assistantは、シンプルで直観的なユーザー・インターフェースを採用しており、ベスト・プラクティスを提案し、確実に最適なブランドイメージを確立することが可能となり、開発者でなくても実装と管理ができます。
独自のブランド・ボイスでカスタマイズ: 2020年現在、先進国では誰もが日常当たり前のようにバーチャル・アシスタントを扱っています。しかし、それらのバーチャル・アシスタントを他と区別できるでしょうか。高度にカスタマイズされた音声アシスタントがいくつも開発されているため、音声アシスタント分野はブランド・認知度の激戦地になると思われます。記憶に残るキャラクターや人との、心に残る体験をお客様に提供することは、間違いなく差別化要因になります。現在のWatson Assistantは、音声アシスタントおよびデジタル・アシスタント向けにこの機能を備えており、最小限の訓練データで構築できます。
この素晴らしいバーチャル・アシスタントは、どれほど複雑な問い合わせであろうと袋小路に迷い込むことなく、ほとんどのお客様の問題に対処できます。他の技術プラットフォームとの相性も良好です。自ら学習して、大規模に低コストで向上します。これらすべてのことをカスタマイズ可能な能力によって実行するので、構築や管理のために必要になる技術知識は驚くほどわずかです。この素晴らしいバーチャル・アシスタントを今すぐ導入できます。
原文:Building the complete virtual assistant with Watson Assistant (https://www.ibm.com/blogs/watson/2020/05/building-the-complete-virtual-assistant-with-watson-assistant/ (英語))
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