IBM Sustainability Software
Think Summit 2019レポート#3 – 「社会とともに – IBMのSDGsへの取り組み」セッション・レポート
2019年07月01日
カテゴリー IBM Sustainability Software | イベントレポート
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IBMが昨年発行したレポート『IBM’s contributions towards achieving the United Nations Sustainable Development Goals』(国連の持続可能な開発目標(SDGs)※ の達成に向けたIBMの貢献)の1ページ目には、1969年、当時のCEOであったトーマス・ワトソン・ジュニアの言葉が掲載されています。
“We accept our responsibility as a corporate citizen in community, national and world affairs; we serve our interest…. We want to be at the forefront of those companies which are working to make our world a better place.”
地域社会における企業市民としての責任を、きちんと果たしていきたい。国内の問題、そして世界の問題に、私たちの利害に見合う形を見つけ応えていきたい。
私たちIBMは、世界をより良い場所にしようと活動している企業仲間たちの、旗振り役でありたいのです。
2015年にSDGsがスタートするおよそ50年前から、IBMは世界をより良い場所とするためのリーダーとしての活動を続けてきました。
今回は、先日4日間に渡り天王洲アイルで開催された「Think Summit 2019」でのショートセッション「社会とともに – IBMのSDGsへの取り組み」の模様といくつかの関連展示の情報と共にお届けします。
※ SDGs(Sustainable Development Goals: 持続可能な開発目標)とは、2015年9月の国連総会で採択された『我々の世界を変革する: 持続可能な開発のための2030アジェンダ』と題する成果文書で示された、2016年から2030年までの国際目標です。
世界が抱える問題を解決して持続可能な世界をつくるために、世界各国が合意した17の目標と169のターゲットで構成されています。
■ 良き企業市民たれ – IBMのSDGsへの貢献の主要5領域
(講演者: IBMグローバルファイナンシング事業 相談役 滝澤哲也)
「良き企業市民たれ=Be a good corporate citizen」 — IBM創立者のトーマスJ.ワトソンSr.のこの言葉と精神は、1911年のIBM創業時から現在に至るまで絶えることなく続いています。
1953年には、IBMの企業姿勢を明示した「ポリシーレター」が発行され、そこでは人種や性別にかかわらず雇用機会を均等とすることや、商取引の公平性などが宣言されています。そして歴代のCEOは必ずこれに署名をし誓約することが求められています。
もちろん、私たち日本IBMも同じ考えの元に活動しており、今年5月に就任した山口明夫 日本IBM新社長も、「社会のために、お客様のために、そして人々のために、これまで以上になくてはならない存在に」とのメッセージを社内外へと送っており、社会の課題をテクノロジーとソリューションで解決するための支援を約束しています。
それでは、IBMがSDGsに貢献する5つの主要な領域をここでご紹介させていただきます。
IBM製品・サービスおよびソリューション
ブロックチェーン活用 – 「プラスチックバンク」(廃棄プラスチックをデジタルクープン化し、貧困地域を支援)やIBMフードトラスト(生産-加工-流通-小売を可視化し信頼できる食品サプライチェーンを確立)
職場の多様性とインクルージョン
社員の多様性と包摂的プログラム。ジェンダー平等推進。
環境プログラム
世界規模の環境管理システムやプロダクトスチュワードシップ。IBM製品のリユースやリサイクルの取り組み。
サプライチェーン
調達における環境と社会的責任への対処(責任ある業務提携 – サプライヤーの多様性や行動規範の適用)。
社会貢献活動
教育分野、経済発展、環境の持続可能性、ヘルスケア領域など。世界的にイノベーティブなソリューションの提供。
■ Think Technology and Society
ここからは、 技術と社会の2つの観点から、今回のThink Summitで展示しているサービスやプロジェクトがどのようなものかを、少々駆け足となりますがご紹介させていただきます。
Be Equal
先ほども述べました「性別にかかわない雇用機会」をはじめ、人権に対する一人ひとりのコミットメントを写真と共に表してもらう取り組みです。なお、イベント期間中は毎日50人以上の方がご自身の宣言にあわせた素敵なポーズで写真を撮って行かれています。
Call for Code
IBMが2018年に創設メンバーとして開始した世界規模の自然災害対策コンペティションです。自然災害を完全に防ぐことは難しいかもしれませんが、災害規模の予知や被害の最小化、人びとの心身の健康保護や地域コミュニティの早急な復旧などは、テクノロジーを活用して「減災」することが可能です。
昨年は、Bluetooth技術を活用して被災地に緊急支援ネットワークを迅速に張り巡らせるソリューションを開発したチームが優勝しました。
参考: Call for Code 優勝者: 緊急支援ネットワークで中断のない銀行サービスを実現
eco to education(e2プロジェクト)
日本には、虐待や貧困等の事情で社会的支援を必要とする子どもたちが約4万5千人います。日本IBMは、自社のパソコン再生技術で企業の使用済パソコンを再生し、NPOライツオン・チルドレンが児童養護施設の子どもたちへの支援として行っているパソコンの寄贈を支援しています。
法人で使用済のパソコンが30台以上ある場合は、ぜひ「e2プロジェクト」にご提供ください。
参考: IBM Think Summit 2019 で「e2プロジェクト」を紹介しました!! – NPO法人ライツオン・チルドレン
IBM Q(量子コンピューター)
これまでのコンピューターとはまったく異なるもので、従来は計算することができなかった問題を解くことに活用されていくことが想定されています。例えば、従来では不可能とされていた新エネルギー開発などの新分野での使用です。
量子力学の原理を用いた新しいコンピューティング技術が、これまでの常識と私たちの未来を大きく変えるかもしれません。
(上記画像をクリックすると紹介動画をご覧いただけます。)
Meet Your Second Life
今回の展示で初公開となる、IBM Watsonがあなたにピッタリの「第二の人生」を診断するシステムのプロトタイプとなります。
「超高齢社会」を目前とした日本に必要なのは、高齢者の方がたのこれまでの人生経験や性格に合わせ、第二の人生にふさわしい職種をアドバイスしてくれる仕組み、それも、迷うことなく簡単にすぐに使えるものではないでしょうか。
(上記画像をクリックすると紹介動画をご覧いただけます。(正しく再生されない場合はこちらでご覧ください))
Pommerman
不確実性が高く予測できない世界において、どのように不測の事態に対応していくのか。そのための技術やアルゴリズムを競う「Pommermanコンペティション」という人工知能(AI)の国際大会で、IBM東京基礎研究所のAIエージェントが1位と3位を獲得しました。
一見単なるテレビゲームのように見えますが、ここで用いられている技術の延長線上に、私たちの社会を大きく発展させる可能性が眠っているのです。
参考: IBM東京基礎研究所「NeurIPS 2018」のAIゲームコンペティション、圧勝の秘密
P-TECH
官民連携で展開するIT人材育成のための新しい教育モデルがP-TECH(ピーテック)です。
これまでさまざまな事情から学びたいという思いを進められなかった学生たちに、5年制の新しい教育モデルを通じてITスキルと社会人基礎力を届けます。
IBMは東京都教育委員会、学校法人片柳学園と共に、企業の教育への参画や支援の新しい姿を目指します。
参考: P-TECHって?
Smallest Computer
2018年にIBM Researchが発表した、CPU、メモリー、電源やストレージ、通信機能などが詰め込まれた塩粒よりも小さなコンピューターです。
どんな使い方をすればその何万倍もの大きさの価値を生み出せるのか、社会にその価値を届けることができるか。皆さまからアイデアを募集しているところです。
今のところ「人体にうまく活用できるのではないか?」というアイデアが多いようですが、今後もまだまだ引き続き募集していく予定です。
今後も、継続的にIBMのSDGsへの取り組みをお伝えできればと思っています。ぜひ引き続きぜひご注目ください。
関連記事: Think Summit 2019レポート#2 – 日本市場におけるIoTの実践セッション・レポート(Neuro Meets CVI)
TEXT: 八木橋パチ
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お問い合わせやご相談は、Congitive Applications事業 cajp@jp.ibm.com にご連絡ください。
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