SPSS Modeler ヒモトク
医療分野におけるSPSSの活用法
2012年01月02日
カテゴリー SPSS Modeler ヒモトク
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対馬 栄輝 氏
弘前大学大学院保健学研究科
医療分野でSPSSを活用することは、他分野と比較して特別なことではありません。いままでの研究報告において、SPSSを中心とした統計解析ソフ トウェアは十分利用されてきたと思います。私はSPSSを使って十年以上経過しますが、その間、他のさまざまな統計ソフトウェアも併用していました。しか しソフトウェアの信頼性、汎用性を考慮すると、最もバランスのとれたものがSPSSであると確信して、現在に至っています。こうした利点は多くの方に共通 して 認識されているのではないかと思います。
ひとことに医療分野といっても広い範囲にわたってさまざまな統計手法の需 要があります。私の関わる機会が多いのは実験的な部分であり、基礎的な検定手法が中心となっています。最近の医学研究では、一般線型モデル、多重ロジス ティック回帰分析やCox回帰といった手法から、順序回帰分析やカテゴリカル回帰分析のような手法も多用されてきています。また調査研究では共分散構造分 析のニーズも高まってきています。このように多様化する統計解析手法をカバーできる統計ソフトウェアとして、SPSSを利用する価値は高いでしょう。さら にスプレッドシートソフトとの互換性が高く、グラフ加工も簡単であることから、探索的なデータ解析としてだけではなく、プレゼンテーション資料作成にも実 力を発揮しています。
大学の授業や研究場面でも多用しておりますが、学生や初学者は操作を覚えるのが非常に難しいようです。それでも一昔前のように手計算で検定した頃を 思い出すと、ずいぶんと楽になりました。私はSPSSの操作手順を暗記する必要はなく、いつでも利用できるマニュアルを参照しながら解析できるようになれ ば十分であると話しています。自分も解析手順の習得には苦労しましたので、手順の解説を中心としたマニュアル作りを地道に行ってきました。その成果として 著書「SPSSで学ぶ医療系データ解析、東京図書」、「SPSSで学ぶ医療系多変量データ解析 東京図書」を発行しています。
簡素化を目指したのは普及のために必要なことではあったのですが、研究における統計解析の意義として、簡単に結果さえ得られたら十分満足と考える人 が多くなっていくのは否定できません。そういったことから、必要以上の結果を出力するSPSSは煩雑な印象を持たれるようです。しかし、根拠に基づく医療 (EBM)がもてはやされている現状で、もっとさまざまな方向からデータを見る機会を多くしなければならないと考えます。これからはSPSSを統計処理と しての便利ツールとしてではなく、データ解析の有効ツールとして活用できるノウハウを身につけなければなりません。そうした意味でもSPSSは高い可能性 を秘めていると思います。
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