SPSS Statistics
SPSS Statistics Small Tips #01顧客データ分析を始める方必見!!〜SPSS Statistics Direct Marketing〜
2021年08月10日
カテゴリー IBM Data and AI | SPSS Statistics | アナリティクス | データサイエンス
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ダイレクトマーケティングとは
顧客ひとりひとりにあった、広告を提示、あるいは商品を販売するダイレクトマーケティングはどうすれば実現できるのでしょうか。
統計解析ツールのパイオニアSPSS Statistics のオプションDirect Marketingは、顧客の属性情報や購買履歴などの行動情報、プロモーションなどへの反応情報を使用して、さまざまな観点から顧客を素早くグループに分類、マーケティング成果を向上させる効果的な活動をすぐに実施できるように設計された一連の機能がコンパクトに用意されています。
SPSS Statistics Direct Marketingの機能
❶ 最良の連絡先を特定する:RFM分析
RFM分析は、通信販売ビジネスで発展してきた手法です。顧客の取引履歴から、リーセンシ:最後にいつ購入があったのか?フリークエンシ:過去に何回取引が生じたのか?マネタリー:総額いくらなのか?の3つの指標軸で、顧客ごとに情報を抽出し、顧客をグループに分類します。そして得られた数値から分かりやすく顧客を差別化するために、それぞれの軸でランク付けをします。3種類のランクを統合したものをRFMスコアと呼びます。
❷ 連絡先をクラスタにセグメント化する:クラスタ分析
クラスタ分析は、データ内の自然なグループ(クラスタ)を見つけることを目的とした探索的な手法です。顧客の性別や年齢、居住地域や収入などの人口統計情報や取引履歴などから顧客間の距離を類似度の指標として顧客をグループに分類します。
❸ オファーに回答した連絡先のプロファイルを作成:決定木分析(ディシジョンツリー)
決定木分析は、対象となる目的変数に対して影響のある要因でデータを分類する手法です。たとえば、キャンペーンへの回答あり、なしに対して、顧客の性別や年齢、居住地域や収入などの人口統計情報や取引履歴などからどの要因のどの要素や条件だと回答があるのか、ないのかを見つけて顧客の優先度を分類します。
3つの分析手法はいずれも顧客を分類します。❶のRFM分析では、顧客を分類するための軸がリーセンシ(R)、フリークエンシ(F)、マネタリー(M)と決まっています。❷のクラスタ分析では、探索的に顧客を分類します。また、❸の決定木分析ではターゲットに対して顧客を分類してゆきます。つまり、目的変数を必要とします。
では、それぞれの手法をもう少し詳しく取り上げてみましょう。
この説明で使っている一部のサンプルデータは、「ファイル」メニューの「「ようこそ」ダイアログ」を選択すると表示されるサンプルファイルから利用できます。
❶のRFM分析は、顧客をリーセンシ(R)、フリークエンシ(F)、マネタリー(M)の3つ軸で、一般的にはそれぞれの軸を5グループに分割します(Direct Marketingオプションでは、分割数を2〜9の範囲で変更可能)。すると、R1〜R5、F1〜F5、M1〜M5の全部で5×5×5の125のグループが出来上がります。たとえば、最も直近に(Rスコア5)、最もたくさんの量を(Fスコア5)、最も高い金額で(Mスコア5)、購入の顧客のRFMスコアは555(Rスコア×100+Fスコア×10+Mスコア)で、赤い部分になります。
ここでは、サンプルファイルのrfm_costomer.sav(または、rfm_transaction.sav)データを使用しました。
SPSS Statisticsの「分析」メニューの「ダイレクト マーケティング」>「手法を選択」を選択すると「ダイレクトマーケテイング」ダイアログが表示されます。「連絡先について」の「最良の連絡先を特定する(RFM分析)」を選択するとRFMスコアを作成するための設定ができます。実行すると次のようなアウトプットが表示されます。
データエディタには、各種スコアが出来上がります。
RFMスコアを利用することで、ロイヤルカスタマーや優良顧客などの顧客のランク付けが可能になり、これに基づき次のアクションを検討できます。
❷のクラスタ分析は、同じような行動パターンを持つ顧客をグループ化します。このグループのことをクラスタと呼びます。通常クラスタには、プロフィールを作成します。たとえば、クラスタAは、購入履歴から食品と靴がよく買われていて、男性で30代の中部地方在住の人が多いなどといった具合です。アップセルやクロスセルなどの施策を実施する際に利用します。
ここでは、手法としてTwo Stepクラスタが使用されています。
SPSS Statisticsの「分析」メニューの「ダイレクト マーケティング」>「手法を選択」を選択すると「ダイレクトマーケテイング」ダイアログが表示されます。「連絡先について」の「連絡先をクラスタにセグメント化する」を選択するとクラスタを作成するための設定ができます。実行すると次のようなアウトプットが表示されます。
データエディタには、クラスタの番号が出来上がります。
クラスタごとにプロフィールを作成することで、ターゲットの抽出やターゲットに対してどの商品をお薦めするかなど、次のアクションを検討できます。
❸の決定木分析は、目的変数たとえば、ダイレクトメールの返信や商品の購入などに対して、返信や購入の有もしくは、無の条件式つまり、ルールを表現します。どのような条件(ルール)に該当するとダイレクトメールの返信や商品の購入の率が高いかを見つけることができます。
ここでは、手法としてCHAID(Chi-squared Automatic Interaction Detection)が使用されています。
SPSS Statisticsの「分析」メニューの「ダイレクト マーケティング」>「手法を選択」を選択すると「ダイレクトマーケテイング」ダイアログが表示されます。「連絡先について」の「オファーに回答した連絡先のプロファイルを作成」を選択するとルールを生成するための設定ができます。実行すると次のようなアウトプットが表示されます。
ルールは、回答率(レスポンス)の降順になっています。累積回答率を参考にしてどこまでをターゲットにするかを決定し、次のアクションを検討します。
Direct Marketingオプションには、他にも❹〜❻の実施したキャンペーンを改善するための情報やヒントを得るための機能も用意されています。
ここでは、サンプルファイルのdmdata2.savデータを使用しました。
❹ 上位の回答郵便番号を特定する:デシル分析を活用
キャンペーンへの応答率が高かった郵便番号を抽出します。
SPSS Statisticsの「分析」メニューの「ダイレクト マーケティング」>「手法を選択」を選択すると「ダイレクトマーケテイング」ダイアログが表示されます。「マーケティングキャンペーンを改善する」の「上位の郵便番号を特定する」を選択して、変数を指定して実行するとキャンペーンへの回答率が郵便番号ごとにデータとして生成されます。
❺ 購入の可能性が高い連絡先を選択する:ロジスティック回帰
過去の購入やキャンペーンへの応答履歴から予測モデルを作成します。顧客ごとに傾向スコアを算出します。
SPSS Statisticsの「分析」メニューの「ダイレクト マーケティング」>「手法を選択」を選択すると「ダイレクトマーケテイング」ダイアログが表示されます。マーケティングキャンペーンを改善するの「購入の可能性が高い連絡先を選択する」を選択して、変数を指定して実行するとキャンペーンへの回答率がレコードごとにデータとして生成されます。
❻ キャンペーンの有効性の比較:有意差検定
キャンペーンA、キャンペーンBの応答率に違いがあるかを検定します。
SPSS Statisticsの「分析」メニューの「ダイレクト マーケティング」>「手法を選択」を選択すると「ダイレクトマーケテイング」ダイアログが表示されます。マーケティングキャンペーンを改善するの「キャンペーンの有効性の比較」を選択して、変数を指定して実行するとキャンペーンの前と後での回答率の違いが有意かどうかを検定した結果が得られます。
最後に、❼マイデータをコピーの「モデルファイルのスコアを適用」では、スコアリングウィザードを使って、作成した予測モデルxmlファイルを選択し、新しいデータの予測値やその確信度を算出することができます。スコアリングウィザードも用意されています。
まとめ
いかかでしたか。ダイレクトマーケティングで使える顧客分析の手法がコンパクトにまとまっていることがおわかりいただけましたでしょうか。
SPSS Statistics のオプションDirect Marketingでは、さまざまな手法が裏で実行されていますが、ユーザーはそれをほとんど意識することなく、すぐに利用できる設計になっています。もちろん、一つ一つの目的をじっくりと実行したい場合には、SPSS StatisticsのBaseやその他のオプション機能でサポートします。
SPSS Statistics 無料評価版 https://www.ibm.com/jp-ja/products/spss-statistics
お問い合わせは SPSS営業部まで jpsales@jp.ibm.com
牧野 泰江
日本アイ・ビー・エム株式会社
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