業務の自動化

3社協業で考えるDX化の取り組みとソリューション

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セイノー情報サービス(SIS)とソフトバンク株式会社(SB)、日本アイ・ビー・エムは、製造業現場におけるDX化に向けたソリューションの共同検討を進めています。

各企業がDXの取り組みを加速していく中、3社がなぜ「共創」という形で推進していくのか?
現在の製造現場における課題から「共創」の意義、そしてそこから生まれたソリューションと今後の展開について、セイノー情報サービス LLP事業部の石井、ソフトバンク 法人事業統括の二藤、日本アイ・ビー・エム 坂本から取り組み状況とソリューションについてご紹介させていただきます。

二藤 優公 様

二藤 優公

ソフトバンク株式会社
法人事業統括 法人プロダクト&事業戦略本部
デジタルオートメーション事業 第2統括部
クラウドビジネス企画部 事業企画2課 課長

(SB 二藤)
経営方針に「DX」を掲げる企業、取り組まれている企業は、国内企業において業界問わず大幅に増加しています。

特に、製造・物流市場においては、大きく3つの課題があります。

  • 労働人口の減少
  • 技術/経験継承の難しさ
  • 労働品質のばらつき

加えて、経済・社会情勢においても、EC市場の更なる拡大や、リユース市場への期待の高まり、新型コロナウイルスによる勤務体系の変化、昨今の企業姿勢として「SDGs」への対応を迫られており、喫緊に解決していかなければいけない状況です。
今、物流・製造業において、新しいテクノロジーの導入や社会情勢の変化に伴い、各企業の取り組みにおいて大きな変化が求められています。

企業と関わりの深いSDGs目標

[目標12 持続可能な消費と生産] 持続可能な消費生産形態を確保する

[目標9 インフラ、産業化、イノベーション] 強靭(レジリエント)なインフラ構築、包摂的かつ持続可能な産業化の促進

[目標17 実施手段] 持続可能な開発のための実施手段を強化し、グローバル・パートナーシップを活性化する

坂本 佳史 Ph.D. (さかもとよしふみ)

坂本 佳史 Ph.D. (さかもとよしふみ)

IBMコンサルティング事業本部 技術理事
エッジコンピューティングCTO
テクノロジー・オーケストレーション担当マネージャ
博士(コンピュータ・サイエンス)

(IBM 坂本)
まず初めに「3社協業DX」で重要なポイントとは何か、ということを端的にご説明させていただきます。今回、企業のサプライチェーンのデジタルトランス・フォーメーションを実現するために、ソフトバンク、セイノー情報サービス、そして日本IBMと、3社のそれぞれの技術とサービスを持ち合わせているわけですが、それらを上手に組み合わせたからこそ実現が可能となった、ということです。

セイノー情報サービスは、実際の業務を前提としたアプリケーション領域におけるAI活用の経験やスキルをお持ちであり、またソフトバンクは大容量・高品質のネットワークとAI技術をお持ちであり、そして日本IBMが持つエッジコンピューティング技術とハイブリッドマルチクラウドを持ち寄ったことで、お客様の課題を解決しDX化を実現いたしました。

3社協業DXとは?

この取り組みの全体概要は、工場や倉庫、トラックなどから収集されるデータを、セキュリティを通し、サプライチェーン・プラットフォームでデータを共通化し、それらのデータを活用して製造現場・倉庫・物流業務において必要なソリューションを提案。そこから個々のソリューションとの連携やデータの共有化から生まれる新しい付加価値を提供するということです。
これら広い範囲での課題解決を実現していくには、段階的なロードマップを描く必要があります。まずは工場や倉庫の各現場でのオートメーション化による負荷軽減を軸とした部分的な最適化から、次に工場・倉庫の全体最適化、さらに、メーカーから小売/消費者までのEnd to Endの全体的な最適化へと、3段階でアップデートしていく必要があると考えます。

3社の取り組み - ソリューションアップデート

業務の部分最適化(Goal #1)を皮切りに、3社協業の枠組みにおいて適用範囲をアップデートしていきます (Goal #1→Goal #3へ)

  • Goal #1: 工場・倉庫の課題解決 (データ収集と自動化)
  • Goal #2: 工場・倉庫の全体最適 (+データ連結と利活用)
  • Goal #3: End to Endの全体最適化 (データ統合プラットフォーム)

ここであらためて3社協業で取り組む意義についてご説明いたします。各ユーザー企業様がおかれている困難な環境において高度なDX化を推進していくためには、様々なテクノロジーを組み合わせる必要があります。
近年の新しいテクノロジーは多種多様の異なる要素・領域で展開されているため、活用するためのノウハウが必要です。それらを1社で全ての領域でカバーすることは非現実的かつ非効率ですが、3社がそれぞれの強みを持ち寄ることで、スピーディーに実現できます。3社協業は、お互いのメリットを伸ばして、デメリットを補完する関係となり、様々なテクノロジーをフルに活用することが可能となります。

ソフトバンク、セイノー情報サービス、そして日本IBMの3社協業では、それぞれの強みの領域を持ち寄ることを意識し、それらを活かした取り組みを行いました。

3社協業が生み出す例

1社のみでは実現できないことが、3社の技術の組み合わせでより具体的に実現可能なソリューションとしてご提案可能になります。

石井哲治

石井 哲治

株式会社セイノー情報サービス
LLP事業部 BRAISグループ
課長

(SIS 石井)
今回の3社協業DXソリューションにおいて、まずは「個別最適化」のステップで実現/実装したアプリケーションの具体的な事例をご紹介したいと思います。

まず全体ロードマップにおける最初のステップ「個別最適化」で何を解決すべきかという選択は、非常に重要なポイントです。
現状のお客様の業務を理解しそのニーズを把握し、どのような価値を提供できるのか整理した結果、第一弾として「AI品質検査ソリューション」を提供していく結論に至りました。

これらの領域は、人的依存度が非常に高いこと、また導入後に別業務への展開追加対応が期待できる、ということが選択理由でした。また提供価値としても、作業コストおよび技術習得・習熟コストの低減や、検査工程の短縮による在庫回転率の向上など、現場の課題解決としても優先度の高い領域となっていました。

ご提案ソリューション(第1弾)

  1. AI品質検査ソリューション (Smart Inspectionサービス): 検査工程を画像認識技術とAIで自動化
    「AI品質検査ソリューション」について詳しくはこちら
  2. スマートロボット・ソリューション (次世代自動搬送サービス): ロボットによる搬送/カメラが荷物を検知し搬送指示を自動で出す/搬送履歴を自動で更新

選択理由

  • 大規模倉庫であっても人的依存度が非常に高い傾向
  • 導入後、別業務への展開・追加対応が期待できる(配送・在庫・資産管理業務)

提供価値

  • 作業コストおよび技術習得・習熟コストの低減
  • 検査工程の短縮による在庫回転率の向上

(SB 二藤)
まずは、上記でご紹介した『AI品質検査ソリューション 』からスタートいたしますが、これら以外にも、まだまだ部分最適の領域で提供していくべきソリューションがあると考えております。

そのバリエーションを増やしながら、それら部分最適領域で収集されたデータを活用できる生産物流そのものの最適化をはかり、最終的にはサプライチェーン全体の最適化に至るようなご提案を、引き続きセイノー情報サービス、日本IBM、ソフトバンクの3社でさせていただきます。

3社の取り組み・ソリューションコンセプト (ロードマップ)

今後も3社のソリューション・技術の準備状況や提供実績に応じ、個別の課題解決からスマート・サプライチェーンのトータル・コーディネートへと、サービス提供の範囲を拡張していきます。


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