IBM Cloud Blog
オープン・ソース・テクノロジーによる、モダナイゼーションの簡素化と、クラウド・ネイティブの構築
2020年02月03日
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クラウド・ネイティブ・テクノロジーは、アプリケーション開発の新しい標準です。クラウド・ネイティブは、アジャイルと運用コスト削減により、計り知れないビジネス価値を生み出します。さらにこの両輪が、新たなビジネス・チャンスを支援します。
アプリケーション開発での進歩においては、まったく新しいアプリケーションが重要視されてきました。私たちは、クラウドに簡単に移行できない既存のアプリケーションが、従来のテクノロジーから抜け出せない状況を見てきました。実際、IBM が委託した McKinsey & Company 社による調査を見ると、クラウドに実装済みの企業ワークロードは 20% 足らずです。
IBM はオープン・ソースが新しいハイブリッド・マルチクラウド環境の基盤であると考えており、2019年の IBM による Red Hat の買収は、IBM の長年のオープン・テクノロジーへの取り組みを浮き彫りにしました。
オープン・ソースにより一貫性と選択肢を提供
コンテナ、Kubernetes、Istio、Knative などの主要なオープン・ソース・テクノロジーは、一体となって新しいハイブリッド・マルチクラウド・プラットフォームを定義し、クラウド・プロバイダーの一貫性と選択肢を提供します。これらのテクノロジーにより、開発者は、ベンダーを自由に選択できる共通のテクノロジー基盤を使用して、企業ワークロードをサポートするアプリケーションを構築できます。また、企業がパブリック・クラウド、プライベート・クラウド、ハイブリッド・クラウドの各プラットフォームにアプリケーションを思いのままに実装できるようにします。
Kubernetes は、一貫したワークロード管理を行うコンテナ・オーケストレーション・レイヤーを提供します。Kubernetes は、さまざまなテクノロジーにわたって一貫した運用プラットフォームを維持し、開発者は言語、ランタイム、フレームワークをすべて自由に選択できるようになります。このアプローチは、既存のエンタープライズ・アプリケーションだけでなく、マイクロサービス・ベースのコンテナ・アプリケーションの基盤を提供します。
IBM の新しいオープン・ソース・プロジェクトによる、クラウド・ジャーニーの加速
2017 年に、IBM はソフトウェア・ポートフォリオをコンテナと Kubernetes へとモダナイズする取り組みを開始し、100 を超える製品を Red Hat OpenShift 向けに最適化しました。IBM は、自身の取り組みだけでなく、お客様やパートナー様の事例を通してモダナイゼーションに精通しており、これまで移行またはモダナイズしたワークロードは 100,000 件を超えます。
IBM は新しい IBM Cloud Pak for Applications により、自身の経験を一連のテクノロジーに昇華させ、クラウド・ジャーニーの加速化を実現してきました。IBM Cloud Pak for Applications は、オープン・ソース・テクノロジーに基づいて構築されており、Kabanero.io と Red Hat Runtimes を介して WebSphere ワークロードを任意のクラウドに移行するように設計されたツール、テクノロジー、プラットフォームを提供します。
IBM Cloud Pak for Applications は、企業が任意のフレームワークやランタイム (Java™、Open Liberty、SPRING BOOT® with Tomcat®、JBoss®、Node.js®, Vert.x などを使用するものを含む) を保護し、キュレートできるようにする、豊富なオープン・ソース・テクノロジーと機能を備えています。IBM Cloud Pak for Applications は、すべてのオープン・ソースのフレームワークやランタイムに対して脆弱性スキャンを実行して、セキュリティー問題を防ぎます。すべての IBM Cloud Paks に Docker 社認定のミドルウェアが組み込まれており、IBM はこれらのすべての IBM Cloud Paks をサポートします。
WebSphere アプリケーションを任意のクラウドに移行
新しい IBM Cloud Pak のモダナイゼーション・ツールは、既存の WebSphere アプリケーションを完全なオープン・ソース・スタックへとモダナイズするための道筋を示します。IBM Cloud Pak for Applications は、アプリケーションを分析して、アプリケーションごとに固有のモダナイゼーション計画を提供します。多くの WebSphere アプリケーションは、コードの変更なしに、自動化機能を使用してコンテナーに移行できます。
これにより、従来のアプリケーションを、IBM Cloud 上の OpenShift や、既存のインフラストラクチャーから、任意のクラウドに至る、あらゆるクラウドに実装できます。
IBM Cloud Pak for Applications は、将来に向けたオープン・テクノロジー・プラットフォームを提供します。また、前述の調査によって示された、80% にも及ぶクラウドにまだ移行されていない企業ワークロードの対応をご支援します。IBM Cloud Pak for Applications について詳しくは、こちらをご覧ください。また、開発者、管理者、設計者向けの詳細な技術セッションを実施した 2 日間のコンファレンスのリソース集、2019 Application Modernization Technical Conference Reference Library もご覧ください。
Danny Mace, Vice President, IBM Application Platform
※本ブログ記事は、米国IBMブログを翻訳したものです。オリジナル記事はこちらから>>>
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