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アーキテクチャ価値を意識した基幹業務システムの再創造 〜 日本IBM : Best Oracle Cloud Applications Partner of the year受賞 〜

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ERP SaaSのリーディングパートナーとしての責任と誇り

日本アイ・ビー・エム株式会社(以下 日本IBM)は、日本オラクルSaaSビジネスに関し、最も顕著な功績のあったパートナーとして、「Best Oracle Cloud Applications Partner of the year」を2022年・2023年に引き続き受賞しました。日本IBMはOracle Fusion Cloudにおけるグローバル・アライアンス・パートナーとしての責任と誇りを持って、コンサルティング力とオラクル技術の融合によるグローバル総合力で、日本のお客様の基幹業務DXの構想と実現をご支援し、社会に未来に貢献します。

2024年7月5日、日本オラクル株式会社(以下 日本オラクル)本社で開催された「FY25 OPN Japan Partner Kickoff」内で発表された、「Oracle Japan Award 2024」において、日本IBMはBest Oracle Cloud Applications Partner of the Yearを受賞しました。これは日本市場におけるOracle Cloud Applications(SaaS)ビジネスに関し、最も顕著な功績のあったパートナーを日本オラクルが表彰するもので、日本IBMが導入した数多くの大規模ERPプロジェクトのデリバリー実績に加え、新規ビジネスの創出、オラクルSaaSの資格取得の推進、お客様事例化などを総合的に評価いただきました。

日本IBMのオラクル・コンサルティング・チームは、200名を超えるオラクル・アプリケーションの専門知識を持つコンサルタント、エンジニア、アーキテクトを有し、事業戦略の策定からテクノロジーの実装やアウトソーシングまで一気通貫で、特にお客様の中核業務であるサプライチェーンや経理・会計業務、組織・人事および経営管理の領域に強みを持ち、オラクル・テクノロジーを活用したコンサルティングの提供と、日本IBMのデリバリー手法に基づくシステム構築・運用保守を行っています。両社の35年以上にわたる長い協業の歴史に加え、2017年より数多くの日本のお客様へのOracle SaaSを活用したコンサルティング・サービス、導入支援および運用保守を提供し、実績に基づく教訓や知見を蓄積しています。

アーキテクチャ価値を意識した基幹業務システムの再創造

2018年に経済産業省が発行したDXレポートにおいて、日本におけるDX推進の課題として提起した「2025年の崖」まで残り1年となりました。当時DXレポートでは、 各企業のDX化が進まなければ2025年以降にさまざまなリスクを抱え、競争力を失う企業が続出し、2025年から2030年までの間に、最大で年間12兆円もの経済損失が生じるという大きな課題意識が共有されました。そのコンテキストの中で、サプライチェーンや経理・会計、組織・人事領域のビジネスプロセスの改善・刷新が経営課題となり、基幹業務システムの導入・更改プロジェクトが活況となっています。

基幹業務システムの統合化を目指したパッケージソフトウェアがERPであり、Oracle Cloud ERPに代表される「SaaS型ERP」が一つのトレンドになっています。
クラウドソリューションとしてのSaaS型ERPは、これまでのオンプレミス型ERPと異なりメジャーバーションアップの必要がなく、定期的なアップデートによりセキュリティを含む基盤のUpdate対応や新機能の享受ができ、保守コストが抑制される特長があります。一方でオンプレミス型との違いは、これまで以上に標準機能を活用していくことが求められており、企業固有の業務ロジックやユーザービリティを意識した画面などアドオン開発は強く推奨されていません。これは新しい基幹業務システムを活用する経営層・ユーザー層共に懸念を示される点であり、SoR(System of Record)としてのERPの良さを意識しつつ、基幹業務システム全体を一つのアーキテクチャとして捉え、UX/UI観点を含めSoE(System of Engagement)・SoI(System of Insight)というコンポーネントを含めたアーキテクチャ価値としてどのように効用最大化をしていくのかを論点と捉えていくことが重要であると考えています。日本IBMオラクル・コンサルティング・チームとしては「アーキテクチャ価値を意識したERP導入」を常に探究しています。

 

例えば、System of Engagementという観点で、ERP導入時の操作性が問われるのが、経費精算や稟議申請など多くのエンドユーザーが触れる発生源と呼ばれる領域です。正しく高い鮮度でデータ入力をする、いわばユーザーとシステムが繋がる仕組みです。
このユーザー接点において、①ERPの標準機能をそのまま活用する ②ローコード開発を含めERPから提供されるPaaS上で要件に沿った開発をする(アドオン開発) ③ワークフローや経費精算に特化したサードパーティーアプリケーションと連携する ④他の開発基盤上でユーザビリティの高い画面を開発し、APIなどによるリアルタイム連携やバッチ処理などのインタフェース開発をしてERPと連携するといった対応策が想定されます。アーキテクチャ視点では機能要件だけでなく、操作レスポンスなどパフォーマンスを含めた非機能要件を意識しながらのUX・UIの実現が必要でしょう。

またSystem of Insightにおいてはデータを可視化・分析するという観点で、ERP標準に備わっているレポーティングツールを活用した帳票を作成・使用するのか、大量データを駆使して分析をするのであればERPのデータとお客様保有の外部データと組み合わせた分析、検知、AI/機械学習による予測を行うためにOracle Fusion Data Intelligenceの活用、或いはERPからデータを抽出して、ミドルウェア上の分析基盤にデータを蓄積し、サードパーティ製品のBIツールを活用してデータを照会・分析するのか。または、管理会計に特化した業務であれば、ほとんどのERP製品と統合された製品として備わっているEnterprise Performance Management製品(Oracleの場合はOracle Fusion Cloud Enterprise Performance Management (EPM))も活用できます。業務的な要件やデータボリュームなどの非機能要件を含めて、適切な機能配置をすることが求められます。

更に機能配置という観点では、いかに生産管理や販売管理、人事・給与系システムなどのフロント・ミドルエンドシステムとの棲み分けを行っていくかも重要です。ERPにはSCMやHCMといったソリューション群もあり、ワンプラットフォームとして統合型のシステムを作り上げていくことも可能です。国内外含めて、SCM・会計や人事などを包括的に導入するビッグバンの事例も多数あります。一方で、企業によっては、商習慣やその企業が大切にしているコアコンピテンシー、長年の業務遂行の中で積み重なった業務ロジックからの移行が難しいという判断から、コアな業務領域は無理にERPには転換せず、会計システムのみERP、フロント・ミドルエンドシステムは既存システムの継続利用やカスタム開発で新規構築されるケースも多々あります。その際にはデータ連携基盤・共通インタフェースを構築し、円滑なシステム連携を実現することが望ましいでしょう。

以上の観点から、Fit to Standardを意識し、最大限に標準機能を活用しながらSoRとしてERPを導入することがDXの近道であることは間違いありません。その上で、SoEという観点では、エンドユーザーがシステムを最大限に利活用するために、例えば、発生源システムをどう構築していくかはERP導入のデザインポイントの一つでしょう。またERPをデータ駆動型の経営管理システムとして活用するために、SoIの観点も重要です。どの業務領域で、どのようにデータを活用していくのか ――― 機能・非機能要件双方の観点で、管理会計やデータ分析基盤などの実装が必要です。SoEおよびSoIに関しては、今後生成AIを含めた人工知能の活用がトレンドになっていくことを付記したいと思います。
さらにはエンタープライズアプリケーション全体の視点で、機能配置をどうしていくのかをシステム構想・計画フェーズ時に方針を固めていくことも重要です。円滑なシステム連携のためにデータ連携基盤・共通インタフェースも、アーキテクチャ価値を意識したERP導入の肝要なポイントであることも述べました。

日本IBMオラクルコンサルティングチームとして、アーキテクチャ価値を最大限に意識したERPを核とするシステム統合を構想・実現することが可能です。更には、ポストERP導入としてAIや分析ツールを活用し、いかに基幹業務システムに蓄積された構造化・非構造化データを利活用していくかも含め、エンタープライズアプリケーション全体の変革が可能です。今後もIBMの持つコンサルティング力とオラクル技術の融合によるグローバル総合力で、市場に価値を創造していきます。

日本アイ・ビー・エム株式会社
IBMコンサルティング事業本部
オラクルプラクティス・リーダー
中村 健一

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