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IBMテクノロジーをフル活用しサービス競争力を大幅に向上させた、証券会社向けサービス「KICSクラウド」とは?

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光世証券株式会社(以下、光世証券)は、証券業務を行う事業者向けに、証券基幹業務システムをクラウドで利用できる“KICS クラウド”の提供を開始することを発表しました。KICSクラウドはIBM Cloud環境で稼働している、信頼性・拡張性の高いサービスです。

本日はKICSクラウド を提供する光世証券、IBM Cloudの環境構築支援を行う株式会社MONO-X(旧 株式会社オムニサイエンス 以下MONO-X)の対談形式でお届けします。

光世証券 システムソリューショングループ 部長 権藤 信明 氏

光世証券 システムソリューショングループ 部長 権藤 信明 氏

MONO-X 取締役 COO 下野 皓平 氏

MONO-X 取締役 COO 下野 皓平 氏

IBM, Power Global Ecosystem, Vice President, Jonas Ullberg氏

IBM, Power Global Ecosystem, Vice President, Jonas Ullberg氏

IBM:この度はKICSクラウドの発表おめでとうございます。日本で証券事業をはじめたい、もしくは、既存の業務システムをビジネス・トランスフォーメーションの観点、コスト削減の観点から刷新したいという企業にとって、これまでにない魅力的な選択肢が出てきたことを、非常に嬉しく思っています。

それでは、はじめに光世証券様とMONO-X様、自社の紹介をお願いいたします。

光世証券:光世証券は金融市場の担い手として市場に貢献できる証券会社であることを目指し、1961 年に巽悟朗が創業した独立系総合証券会社です。証券会社が取り扱う、ほぼ全ての金融商品に対応しているほか、日本にデリバティブが創設された当時から積極的に取引に参加し、大阪取引所の全てのデリバティブ商品をインターネット・対面で取扱している数少ない証券会社でもありました。株式市場とデリバティブ市場の活用と拡大、金融市場を通じた資産形成の大衆化を目指してきました。

こうした取り組みをスピード感持って実現するために、システムを全て自社で開発・運用してきました。これは様々な証券会社がある中でも、大きな特徴となっております。私たちのように、システムを自社で開発・運用している証券会社はほとんどありません。自分達で業務プロセスを改善できますので、あるべき証券会社の業務システムとその処理の流れの最適化を図り、常に業務改善をおこなってきました。

これらを長い間、実践してきましたので、証券業務を行う上での業務ノウハウとシステム開発のノウハウが蓄積してきました。光世証券で、長年利用し、改修を繰り返してきたシステムが、KICSです。

光世証券 本社ビル

光世証券 本社ビル

シンボルである「弓を引くヘラクレス」

シンボルである「弓を引くヘラクレス」

MONO-X:MONO-XはKICSクラウドのインフラ面でのご支援を行っています。200社以上のIBM iユーザーのお客様に既存のアプリケーション資産と新しいテクノロジーを組み合わせて、クラウド時代に合わせた提案を行っている企業です。今回、光世証券様のKICSクラウドのインフラ運用や機能拡張を、弊社のIBM Cloudの利用支援やIBM iのAPI連携など様々なノウハウを活かしてご支援しています。

IBM:現在、日本で証券業務を行う会社は、どのような課題に直面しているのでしょうか。そしてKICSクラウドはお客様のビジネス課題の解決にどのように役立ちそうでしょうか。

光世証券: DX の波が基幹業務へと広がる中で、国内に約 270 社ある証券会社においても、新要件への対応と業務改善、そして、トータルコスト削減のニーズが高まっています。

また、海外証券会社の日本の証券業への進出や、異業種からの参入時の新規でのシステム立上げなど、証券業務を提供する事業者向けの基幹業務システムの構築を検討される企業が増えています。

こうしたニーズの高まりに応えるために、光世証券の自社利用および他社へのご提供実績がある証券会社向け 基幹業務システム KICS をクラウド基盤にて、ご提供を開始いたしました。

IBM:光世証券様は今回のKICSクラウドのみならず、これまでも新しいテクノロジーを積極的に採用し、自社のサービス強化に取り組まれてきたと聞いています。まさにクラウド時代にあわせて、クラウドの良さを活かしたサービス強化ですね。

KICSについて、ご紹介をお願いします。どのような機能を持っているシステムですか?

光世証券:証券業務の基幹システムはフロントオフィス機能、ミドルオフィス機能、バックオフィス機能、3つに大別できます。KICSはこれら3つの機能をオールインワンで提供しています。そして、お客様ごとの要件に応じて柔軟にカスタマイズできることも特徴です。

全ての機能を利用することもできますが、お客様のご要件に合わせて、オーダーメイドでもご提供できます。また取扱い商品が、ほぼすべての金融商品という点も特徴的となっています。(※詳細は末尾の機能例・取扱商品をご覧ください。)

IBM:フル・パッケージとして提供もしながら、部分的に採用することもできるのですね。お客様ごとに要件も異なるでしょうから、それは非常に大きなメリットですね。

そうした柔軟性も評価されて、これまでもオンプレミスでKICSを採用されている企業がいらっしゃると聞いています。それを今回クラウドサービスとしてご提供開始されたわけですが、その経緯と理由を教えてください。

光世証券:IBM CloudでIBM iが利用できるPower Virtual Serverがリリースされてから、KICSの運用性改善やコスト最適化をできる手段として、Power Virtual Serverの動向に注目していました。情報収集する中で、自社利用しているオンプレマシンの更改を検討する際に、その移行先として十分検討可能なサービスであると考えるようになり、2023年5月に本番環境、開発環境、バックアップ環境、全てをIBM Cloudに移行しました。その結果、安定稼働し、新しい取り組みを行うためにも柔軟な環境であるということが実感できました。

そうした自社の取組を通して、外部に提供する際にも、IBM Cloudをインフラとして採用することを決めました。

IBM:今回、重要なアップデートとして、クラウドへの対応があります。IBM CloudでIBM iが利用できる Power Virtual Serverをはじめとしたインフラ環境の構築を行ったMONO-X様に質問です。IBM Cloudがどういった観点でKICSを利用する企業のメリットになっていますか?

MONO-X:IBM Cloudをご採用いただくことのメリットの1つ目は、まさに圧倒的なスピードです。お客様が極めて短期間でKICSを利用できるようになりました。IBM Cloudの場合、オンプレミスで稼働させるのと比べて、数ヶ月近く短縮可能です。スピードが求められる時代、この数ヶ月短縮できる、ということは特にご評価いただける点となっています。

証券業界は、他の業界と比較しても動きの速い世界だと感じています。例えばある海外の企業が日本で証券業務を開始したいと決まれば、どれだけ最短で業務を開始できるか、ということは重要な点です。その際に、IBM CloudをベースとしたKICSクラウドであれば、今すぐに始めることができるのです。

続いて、2つ目はコスト面です。オンプレミスに比べて初期投資を必要としません。データセンター費用なども不要です。KICSは一度利用し始めていただくと、全てのお客様で長くご利用いただき続けていますが、どうしても最初から初期投資が大きいと検討のハードルが上がってしまいます。しかしながら、こうしたイニシャル・コスト面も評価いただけることが増えています。ただもちろん初期だけでなく、必要な分だけ必要なリソースを使えるというクラウド環境は、長期のトータルコストという観点でもメリットとなっています。

3つ目は、導入後も、要件の変化に合わせて、最適な構成がとりやすいということです。新サービスを始めたり、新しい規制や規則に対応したりするために、サーバー環境を手配する必要が出てきた、ネットワークの構成を変更する必要が出てきた、ということはよくあります。こうした時に、非常に柔軟に対応できることもIBM Cloudの魅力と感じています。

このように、新要件が出てきた際のスピードと柔軟性、価格の最適化など様々な観点でKICSを更に使いこなすことができるようになったと感じています。Power Virtual Serverのサービスは日々進化しています。例えば仮想テープ機能を提供するFalconStorをはじめとして、様々な機能拡張を続けています。様々な運用要件に対応できるようになり、Power Virtual Server利用してビジネス・メリットが出るお客様は日々増えていると感じています。

IBM:アジリティーとコストの最適化は重要なIBM Cloudのメリットの一つですね。インフラの価値がKICS利用企業に大きな価値を生み出していることを伺えて、とても嬉しく思っております。今回KICSクラウドに移行に合わせて、KICSをアプリケーション面での機能改善はありますか?

光世証券:証券会社の業務プロセス、基幹システムは、日々様々なアップデートを求められています。法令対応、システム連携先とのインターフェースの変更、そして、業務改善まで、様々です。そうした様々なシステムの改善という観点では、APIへの対応力強化が一つの特徴です。

証券業界も他の業界同様に、APIでの連携が業界標準になり始めています。例えば、まず1つは証券業務を遂行する上で、証拠金を計算する必要があります。これらは取引所が準備したAPIを実行することでも、計算が可能となっており、効率的なシステム処理ができるようになりました。

また他にもSaaSなどを社内システムとして利用すると、SaaS側でAPIを準備していることがあります。例えばboxを利用していますが、boxのAPIをKICSから実行することでシステム連携が容易になりました。

今後、新たにKICSをご採用いただく企業様で、基幹システムと連携したいSaaSや社内システムでAPI連携ができるのであれば、簡単に対応することが可能です。KICSのメリットの一つはオーダーメイドできることです。お客様のシステム要件に合わせて、API連携を実装することも可能です。

こうしたAPI連携が簡単にできるようになった背景には、IBM Cloudで構成変更がより柔軟になったこと、そして、MONO-Xの提供するAPI-Bridgeを活用できるようになったことがあります。API連携への対応力が高まり、その結果として業務改善に要する開発期間の短縮とコスト削減が実現できました。

MONO-X:APIは顧客インターフェースの改善も柔軟に実現しやすくなります。例えば、日本ではコミュニケーションツールとして、LINEが多くの人に使われています。今後、顧客接点として対面での対応やPCからインターネットで受発注を行うことに加え、LINEを追加する場合も考えられるでしょう。その際にAPI連携の技術が必要です。その時にKICSで持っている顧客データとリアルタイムに連携されていることが重要になってきますが、そういったこともAPIを利用しながら、実現できる顧客接点強化の例になります。

IBM:KICSクラウドの中には様々なIBMテクノロジーをご採用いただいています。IBM Cloud以外にも、IBM iやIBM MQもご利用されています。それらのテクノロジーは、どのようにKICSのユーザーに役に立っているでしょうか?

光世証券:弊社では、様々なIBMテクノロジーを採用してきました。中でもKICSのコア部分を支えるIBM i のメリットは、様々なありますが、非常に安定しているということが第一に挙げられます。言うまでもなく、証券業務の基幹システムは極めてミッション・クリティカルです。そうしたアプリケーションのプラットフォームとして開発された IBM Power(IBM i)の安定性には大きな信頼を寄せています。実際にこれまで、何十年と安定して業務を行うことができてきました。

また、IBM i のプログラムの後方互換性やセキュリティー、運用の容易性なども、KICSをお客様に提供する上でのコストを圧倒的に下げているということは間違いないでしょう。IBM MQも、金融業界で求められるよう高いサービスレベルの接続を行う上では必須のテクノロジーです。

IBM:IBM iのクラウドであるPower Virtual ServerをMONO-Xでは推進しているかと思います。Power Virtual Serverはどのようにお客様のお役に立っていると感じられていますか?

MONO-X:IBM iで、大変多くのお客様がミッション・クリティカルなアプリケーションを動かしてきました。その実績の中で、信頼性やアプリケーションの資産継承性を評価し、これからもIBM i を使い続けるというお客様は非常に多くいらっしゃいます。

そうしたIBM iユーザー企業様では、少しでもインフラ面を時代に合わせたテクノロジーを利用したい、ということで、IBM CloudでIBM iを動かすお客様が増えています。移行も簡単ですし、環境構築もオンプレ・プロジェクトでは比較にならないほどすぐに終わります。

IBM iのクラウド・リフトのニーズが高まる中で、2桁以上のお客様で、本番環境をPower Virtual Serverでご利用するご支援をしてまいりました。

IBM iというと、AS/400時代からのレガシーな印象をお持ちのお客様もいらっしゃいますが、そんなことはありません。分散型のアーキテクチャーに比べてクラウド・リフトも簡単な製品、電力消費量も抑えられるSDGsの時代に合った製品、ということで、実は今、一番IBM iのポテンシャルが発揮される時代なのではないかなと思っています。

IBM:本日は、KICSのご紹介、利用対象となるお客様、そして、IBMテクノロジーとのつながりをご説明いただき、ありがとうございました。今後、証券基幹パッケージとして、KICSをご検討されたいというお客様がいらっしゃった場合、どのような流れでご検討いただく形になりますでしょうか。

光世証券:KICSクラウドの提供は、日本テクノ開発株式会社と協業しています。日本テクノ様がご提案や契約の窓口となります。お客様の課題を把握し、最適なご提案をさせていただきますので、ぜひお気軽にご相談ください。

IBM:本日は、ありがとうございました。Power Virtual ServerやIBM iがKICSクラウドの価値向上に大きく寄与していることがわかり、とても嬉しく思っています。IBMはこれからもKICSをご利用の企業様を、光世証券様やMONO-X様を通して、IBMテクノロジーのご提供を通してご支援してまいります。KICSクラウドを通して、より多くの証券業務を行う企業様がビジネス・トランスフォーメーションを実現できることを祈っています。ありがとうございました。

日本テクノ開発株式会社 お問合せ先
担当:ソリューション事業本部 金融システム プロダクトマネージャー 渡辺
お問合せフォーム:https://www.ntec-net.co.jp/contact/

※詳細: 機能例・取扱商品

KICSクラウドの機能例

・フロントオフィス機能

取引注文管理: 取引注文の受付、確認、修正、取消などを行う機能。
株式情報表示: 株価情報、チャート などを表示する機能。
取引所接続: 取引所との接続を確立し、リアルタイムな取引データを受信する機能。
リスク管理: 取引のリスクを評価し、顧客の制限や警告を管理する機能。
顧客情報管理: 顧客の口座情報、取引履歴、保有証券などを管理する機能。
ポートフォリオ管理: 顧客の保有証券や資産の状況を表示・管理する機能。

・ミドルオフィス機能

取引処理: 約定処理、決済処理などを行う機能。
決済管理: 取引の決済手続きや清算業務を管理する機能。
リスク管理: 取引リスクの監視、ポジション管理、リスク評価などを行う機能。
データ管理: 取引データや市場データの収集、保存、処理、分析などを行う機能。
アラート・通知: 取引やリスクに関するアラートや通知を生成・送信する機能。
レポート生成: 取引履歴、リスク評価、ポジションレポートなどを生成する機能。

・バックオフィス機能

帳簿管理: 取引の会計処理、帳簿管理、財務報告などを行う機能。
クライアントレポート: 顧客への取引報告書や口座残高報告書などを生成する機能。
経費管理: 経費の管理、精算、予算管理などを行う機能。
データ管理: 顧客情報、取引データ、会計データなどのデータの管理、保存、バックアップなどを行う機能。
管理報告: 経営者や規制当局への報告書や監査報告書などを生成する機能。
税務管理: 取引や利益に関する税務処理、申告、納税などを管理する機能。
バッチ処理: バッチ処理によるデータの更新、バッチジョブのスケジューリングなどを行う機能。
連携・統合: 他のシステムやサービスとの連携、データの統合、API の提供などを行う機能。

KICSクラウドの対象商品

国内・国外の株式や先物・オプション、投資信託、債券、ETF・REIT など証券会社が取り扱う、ほぼ全ての金融商品に対応できます。

株式:国内上場株式、信用取引、立会外分売、新規公開株式(IPO)
債券:国内公社債、個人向け国債、新窓販国債、CB(転換社債型新株予約権付社債)、外貨建債券
投資信託:株式投資信託、公社債投資信託、ファンド・オブ・ヘッジファンズ(会社型私募外国投資信託)
ETF・REIT:ETF(上場投資信託)、REIT(不動産投資信託)
先物・オプション:
株価指数先物 日経 225 先物、日経 225mini、日経 225 マイクロ、JPX400、TOPIX 先物、ミニ TOPIX 先物、東証マザーズ指数先物、TOPIX Core30 先物、RN プライム指数先物、東証銀行業株価指数先物、S&P/JPX500ESG スコア・ティルド指数先物、その株価指数先物
国債先物:
中期国債先物、長期国債先物、ミニ長期国債先物、超長期国債先物
商品先物:
貴金属、ゴム、農産物、CME 原油等指数
海外指数先物:
NY ダウ先物、台湾加権指数先物、FTSE 中国 50 先物
その他指数先物:
日経平均 VI 先物、日経平均・配当指数先物、東証 REIT 指数先物
金利:
TONA3ヵ月金利先物
オプション:
有価証券オプション、日経 225 オプション、TOPIX オプション、JPX400 オプション、長期国債先物オプション、日経 225 ミニオプション

【参考情報】

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