IBM Sustainability Software
IoT時代に求められる大量データからの洞察の発見~ナレッジグラフの能力とは
2019年03月11日
カテゴリー IBM Sustainability Software | 技術動向・トレンド
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施設内のあちらこちらにセンサーを取り付けて、大量のデータを収集している企業が増えています。しかし、集めた大量のデータから、意味がある洞察を得られていますでしょうか。集めたデータを何らかのアクションにつなげられなければ、データを収集するコストは無駄になります。一方、収集したデータの中から洞察を発見しようとAIを適用したものの、良い結果を得られていないという声も聞かれます。
「大量のデータを集めたが活用できていない」あるいは「AIに期待したが効果はなかった」とお考えの皆様に、IBMが提供するナレッジグラフを紹介いたします。
【ナレッジグラフとは】
IBMが提供するナレッジグラフは大量のデータに対する包括的な視点を提供します。KITT(Keep IoT Trivial)と呼ばれるプラットフォームを提供し、データの構造(例:Location、Asset)と物理的な値(例:温度や圧力)とを関連づけることで、設備や装置に関する視点を提供します。
ナレッジグラフを利用するには、分析対象とするオブジェクト(例:建物や装置)の関係(スキーマ定義)を定義し、そのスキーマ定義に応じたセンサーデータを投入します(※)。
これにより、たとえばセンサーが検出した異常(温度、ガス漏れ)がどの建物やフロアで発生し、建物と建物の間で異常がどのように分布しているかといった視点が得られます。
※たとえば、エッジデバイスに蓄積したデータをIoTプラットフォームに蓄積し、API経由でナレッジグラフにデータを送信します。
【ナレッジグラフの実装例】
東京のある水質管理センターにおいて、施設内の各ポンプにセンサーを装着してデータを収集している、と仮定します。センサーから取得したデータをナレッジグラフに投入したところ、以下のヒートマップが生成されました。
図を見ると、設備内のBuilding1でLeaking(漏れ)が発生し、それがTeiketsu(締結部)に関連していることがわかります(左図)。Teiketsu(締結部)をクリックするとガス漏れがB1_1FとB1_3Fで発生しています。フロアやビルをまたがり異常がどこで発生しているかなどの視点を簡単に得ることができます。
同一データを、さらに別の図で表現してみましょう。
大量のセンサーデータが点で表され、データとデータのつながりが線で表されています(左図)。良く見ると、中央のデータ集合体から左に飛びしているデータがいくつかあります。これらに焦点を当ててみると(右図)、ガス漏れを示すデータ群であることがわかります。他のデータとの位置関係から、これが大多数のデータと異なる特徴を持つことを理解できます。
収集したデータからどのような洞察を得て、どうアクションにつなげることができるかが重要です。データを分析し、次のアクションにつなげることができなければ、データを収集することに意味はありません。もし、収集したデータからあらたな洞察を得ることができれば、これまでとは違う行動をとることができるはずです。今回ご紹介したIBMのナレッジグラフは、利用者に新たな視点をもたらすことでしょう。
【ユースケース】
最後にナレッジグラフとチャットボットとを連携させたユースケースをご紹介します。
ここ最近、産業用ポンプが各ビルやフロアでガス漏れをおこしていました。ナレッジグラフはそのことを知っています。ナレッジグラフとチャットボットを利用することで、同じ産業用ポンプを点検する保守作業員に、同型のポンプが他のフロアで事故を起こしていたことを通知し、念のため点検するよう注意を喚起できます。
これまでご紹介してきたナレッジグラフは、IBM Equipment Maintenance AssistantやTRIRIGA Building Insightsに含まれており、SaaSで提供されます。
ナレッジグラフの機能を有効活用するには、企業が管理する施設や装置についての適切なスキーマ定義が必要です。IBMは、お客様の運用保守業務やお客様の設備資産の構造を理解し、適切なナレッジグラフの運用をご支援するプロフェッショナルなサービスをご提供することができます。
問い合わせ情報
お問い合わせやご相談は、Congitive Applications事業 cajp@jp.ibm.com にご連絡ください。
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