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[事例] イスデミール・グループ | 鉄鋼生産管理の複雑さをシンプルに

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当記事は、トルコを代表する世界的な鉄鋼会社イスデミール社の工場・運営ディレクター、Sururi Karaçorlu氏による寄稿『İsdemir: Modernizing steel production with Maximo, AI and IoT』を日本向けに抄訳したものです。


 

「測定できないものは管理できない」という言葉があります。

私たちイスデミール社が昨年IBM Maximoエンタープライズ資産管理プラットフォームを導入したのは、その言葉に則り、鉄鋼生産の改善に乗り出すためでした。

導入後まだあまり時間が経っていませんが、機器の保守、管理、運用のすべてにおいて、すでにプラスの効果を実感しています。

 

イスデミール・グループはトルコに本社を構える世界的な鉄鋼会社です。オヤック鉱業冶金グループの2社のうちの1社であり、ヨーロッパのトップ10に、そして世界トップ50にランクされている鉄鋼事業者です。

ご想像いただけるかと思いますが、鋼や鉄の生産は資本集約的なビジネスです。何百万トンもの鉄鋼を何十もの生産現場の設備をフル稼働させて作りつづけるには、革新的な技術が必要なのです。

 

私たちには4つの大きな目標がありました。1つめはエンドツーエンドのメンテナンス活動をより資産を効率的に管理すること。2つめは保全用部品の在庫を最適化すること。3つめが施設の耐用年数を改善することで、4つめが労働者の健康と安全を強化することでした。

これらの目標を満たす、生産現場の設備構築とメンテナンス管理システムを手にしようと、私たちのプロジェクトはスタートしました。そしてIBMビジネスパートナーのOSS Bilişim社が、要件すべてを満たすPoCソリューションを開発してくれたのです。私たちはIBM Maximoの導入を決定しました。

 

■ 複雑なメンテナンスをシンプルにするMaximo

Maximoは、イスデミールとその子会社であるエルデミール社の資産を管理および維持する共通プラットフォームとなりました。

施設の資産ライフサイクルのすべてのフェーズを監視・管理し、レポートするのは容易なことではなく、その複雑性は想像を絶するレベルです。しかし、Maximoのシングル・ダッシュボードは、すべてを簡単に見渡せるようにしてくれます。

 

実際の管理方法の一部をご紹介しましょう。

まず、機器を業務遂行上の重要性に応じて3つにグループに分類し、それぞれのカテゴリごとにメンテナンス戦略を設定します。そして最重要資産カテゴリーにはオンラインモニタリングを行いながらの積極的予知保全、あるいは予測的保守を実施します。最下位カテゴリーには、事後保全(故障や破損してからの対処)を基本としつつ、過去の修理実施経緯や法規制、安全規定を考慮した計画保守を行います。

Maximoはこれらの保守に関連するさまざまな情報を保持し、Watson IoTプラットフォームが行うオンラインモニタリング・データと組み合わせた、統合的メンテナンスを支援してくれます。

 

■ スキルマッチ度の向上と高度な在庫管理機能

メンテナンス作業員の有する専門知識や能力、経験などは、人それぞれ異なります。

Maximoは、そうした作業員個々のスキル特性と、保守作業ごとに必要なスキルレベルをマッチングさせた、適切な担当者割り当てを可能としてくれます。

そして作業員ごとの効率性をモニタリングして分析することで、最適な人員計画とスペシャリストの採用計画を立てることもできるのです。

 

Maximoが提供するUI(画面デザイン)に優れたモバイルアプリは、現場作業員にも好評です。そのおかげもあって、ベテラン作業員の優れた技能がデジタル・ナレッジとして蓄積されていくので、組織的な技能の底上げや知識保持にも大きな効果をもたらしています。

 

また、Maximoのスペアパーツ在庫管理機能にも大いに助けられています。

イスデミールとエルデミールの財務、保守、倉庫部門は統合管理され、資産機器の重要度別にスペアパーツの在庫が可視化されています。そのおかげで、定期メンテナンスに必要な資材が手元にあるかどうか容易に確認できるようになり、在庫切れも過剰在庫もまったく起こらなくなりました。

 

■ 法務部門やコンプライアンスにも恩恵が

Maximoは、すべての法的記録および保守記録のリポジトリーデータベースとして機能します。検査やテストが予定通り適切に行われていることをいつでも示せるので、監査レポートの作成やコンプライアンス遵守の証明にも大いに役立っています。

 

Maximo導入以前は、全社的機器運用の監視や管理データの分析は、限られた範囲でしか行えませんでした。しかし現在は、機器の信頼性、稼働率、平均修理時間、平均故障時間、平均ダウンタイムなど、さまざまな重要指標を可視化できるようになりました。

そしてこれらの指標は、私たちの優れている点と、是正措置を取る必要がある課題を浮かび上がらせてくれました。プロジェクト開始からまだわずかな時間しか経っていませんが、すでに製鋼コンバーター(転換炉)の稼働時間は増加し、メンテナンスコストの削減が始まっています。

 

イスデミールの運用・管理チームは、まだMaximoに組み込まれたAIの活用をスタートし始めたばかりです。しかし私たちはすでに、予知メンテナンス機能によりダウンタイムがさらに短縮されることを、そして卓越したオペレーショナルエクセレンスへとがつながるであろうことを、期待しています。

 

ソリューション紹介: Maximo APM

 

問い合わせ情報

お問い合わせやご相談は、Congitive Applications事業 にご連絡ください。

 

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藤 泉也  データ戦略活用アドバイザリ, AI Applications

 

 

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