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エンタープライズ・アセット・マネジメント(EAM)について知っておくべきこと

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エンタープライズ・アセット・マネジメント(EAM)とは

エンタープライズ・アセット・マネジメント(EAM)とは、企業が保有する設備資産を、ソフトウェア、システム、サービスを組み合わせてライフサイクル全体を通じて一元管理し、品質の最適化を実現するものです。

EAMには、資産管理、作業管理、計画とスケジュール管理、サプライチェーン管理、環境・健康・安全(HSE)管理への取り組みが含まれます。

 

あらゆるものが接続されるモノのインターネット(IoT)時代においては、設備資産から収集されたデータはEAMに送られAIにより分析されます。そしてそこから得られた洞察は、保全チームがより良い意思決定を行い、より効率的な予防保全を実施し、稼働時間の生産性を向上させ、運用コストを削減することに大いに寄与します。

 

EAMが重要である理由

EAMが重要なのは、組織が資産の品質と信頼性を追跡、評価、管理、最適化するのに非常に重要な役割を果たすからです。

 

何百、何千、あるいは何百万もの資産を保有する「資産集約型」の組織の資産には、多くの形状や規模(鉄道、パイプライン、製造設備、輸送手段、風車など)が含まれます。EAMは、複雑な環境で、多種多様な資産をより適切に管理する上で役立ちます。以下、そのポイントを見ていきます。

 

・ 資産情報の一元化: 保全管理の担当者は、EAMの一部であるCMMS(設備保全管理ソフトウェア)によって、資産がどこにあるか、その資産に何が必要か、誰がいつその資産を使用すべきなのかを把握できます。これにより重要な設備保全管理のワークフローが自動化され、どこからでもアクセスおよび監査可能となります。

・ 問題の未然防止: CMMSには、安定した継続的運用のために機器を保全する予防機能があります。この機能により保証規定に準拠し、生産に支障をきたすような問題を未然に防ぐことができます。

・ よりスマートな資産監視: AIを活用した遠隔監視で、資産の現在および未来の状態についての洞察を提供します。さまざまな情報源からデータを収集することで、正確なアラートと適切な意思決定を支援します。

・ 機器資産の最大活用: IoTデバイス、分析ツール、診断ツールなどから収集されたリアルタイムデータと履歴データにより、資産の可用性と信頼性を向上させ、耐用年数延長を促進します。

老朽化が進む資産やインフラの管理: より多くの情報に基づく保全戦略を通じて資産のライフサイクルを延長します。また、リスク管理をビジネス・プロセスに組み込むことで投資収益率を向上します。

・ 保全管理の向上: IoT、AI、分析によりメンテナンス業務を強化します。資産のトレーサビリティにより複雑化する環境、健康、安全の要件に対応します。

運用アプリケーションの統合: EAMは、実質的にあらゆるタイプの資産を一元管理することができます。そのプロセスは企業全体の幅広い資産能力に対応するように統一され、標準化されています。

参考: IBM Maximo Application Suite | 設備作業管理ソリューション

 

EAMの主要機能

・ 作業管理

計画的作業と計画外作業について、起票から完了まですべてを一元的に記録・管理します。

・ 保全の実施

故障発生後に対応する事後保全から、使用状況やカレンダー/時間に基づく予防保全、予防保全をさらに発展させた予知保全など、保全作業の実施を支援します。

・ 計画とスケジュール管理

作業指示書や予防保全のスケジュールをガントチャートでグラフィカルに表示します。作業管理を直感的にナビゲートし、タスクと作業の依存関係の管理を支援します。

・ サプライチェーン管理

資産と保全に必要な資材など、サプライチェーン全体にわたる物理的資産を維持管理します。

・ 健康および安全

環境と健康、安全に関する懸念事項を文書化してレポートします。インシデント分析、是正処置のトレーサビリティ、プロセス変更管理によりリスクを軽減します。

・ 分析

AIをはじめとした分析機能により洞察を深めます。 最適化モデルを使用しデータ分析に基づく計画、スケジュール管理、作業管理のプロセス自動化を実現します。

・ クラウド

SaaS、クラウド・ベース、ハイブリッドクラウドなどの実装環境を通じ、コスト管理やシステムの柔軟性を向上させ、IT部門をはじめとした導入部門の負担を軽減します。

・ モバイル

メーターやバーコード、RFIDの読み取りから、電子署名の使用・取り込みまでさまざまなことを実現できます。 写真や音声テキスト変換などスマートフォンの機能を活用して、ツールやドキュメント、コラボレーションを提供します。

参考: IBM Maximo Mobile動画 | モバイルを利用して、あらゆる資産をいつでもどこでも管理

 

アプリケーションと業種

・ エネルギー・公益事業

上下水道、ガス、電力の送配電には、パイプラインや送電線などの線形資産を管理する機能が必要です。また、これらのシステムは、作業員のスケジュール管理を緻密に調整し、遠隔地に設置されている資産についてもその距離や地理空間情報を考慮する必要もあります。

・ 化学、石油、鉱業

化学、石油、鉱業の業界では、安全性、信頼性、コンプライアンス、およびパフォーマンスをワークフローに統合することが重要となります。EAMシステムは、メンテナンス業務の標準化、改善、およびコラボレーションを促進することにより、コストを削減します。

・ 製造

自動車、航空宇宙業界、防衛、電機、製造装置、消費財などに代表される製造業においては、EAMシステムはリーンシックスシグマなどの全体的なプロセス管理手法の一部となり、製品ライフサイクル管理を補完します。

・ 運輸

サービスや物流機能、在庫に関する詳細を管理・提供します。燃料の管理、ドライバーの記録、予備部品、運搬スケジュールやその他のデータは、鉄道、道路、航空の適切な交通運行維持に欠かせません。

・ ライフサイエンス

標準化、トレーサビリティ、電子署名の管理が重要です。機器、設備、モバイル資産を監視、追跡、管理し、複雑な規制条件を満たし検証するために文書パッケージを使用します。

・ ヘルスケア

ヘルスケア業界では、施設と機器の対応能力の複雑な状況を管理する必要があります。重要な資産の特定とトレーサビリティ、状態監視、報告要件の遵守を通じて情報システムと統合させます。

・ 原子力発電

原子力機関では、安全、セキュリティ、健康のための厳格な規制対応が求められ、状態管理、ワークフロー、エスカレーション、電子署名などの詳細かつ綿密な作業管理と資産管理が必要とされます。

参考: IBM Maximo、製造業向けEAMマーケットのリーダーに選出 | IDC EAM MarketScape for Manufacturing

 

EAMとSaaS

クラウドで実行されるSaaS EAMは柔軟性があるため、企業はデータ要求量に応じた拡張および契約が行えます。オンプレミス実装環境と比較し、SaaSではIT部門のサポートや介入が必要とされることは稀です。結果としてよりコスト効果の高い運用が行えます。

アップグレードはサービスプロバイダーによりクラウド上で行われるため、企業は常に最新バージョンと最新機能を使用できます。また、SaaSでは迅速かつ低リスクで新しいテクノロジーが導入されます。

参考: IBM Maximo、今回もIDC MarketScapeのSaaSおよびクラウド対応アセット集約型EAMアプリケーション分野のリーダーに

 

関連ソリューション

設備保全管理 | IBM Maximo Application Suiteは、資産作業管理基盤をベースにAIやIoTデータを活用して、パフォーマンスの最適化、資産のライフサイクルの延長、運用のダウンタイムとコストの削減をハイレベルで実現する市場をリードする統合プラットフォームです。

https://www.ibm.com/jp-ja/products/maximo

 

モバイル| Maximo Mobileにより、時間や場所を問わず、あらゆる資産を管理できるようになります。また、技術者にステップバイステップのガイダンスを提供します。

https://www.ibm.com/jp-ja/products/maximo/mobile-eam

 

職場の安全 | データを洞察に変えることにより、安全の中心にコンプライアンスを据え、危険をより適切に識別して排除し職場の安全性を向上します。

https://www.ibm.com/jp-ja/products/maximo/environmental-health-safety

 

導入事例

アムステルダム・スキポール空港 | 世界をリードし最も好まれるデジタル空港へ

https://www.ibm.com/blogs/solutions/jp-ja/iot-schiphol/

メルボルンをさらに暮らしやすい街に | IBM Maximoによるサステナブルな水管理

https://www.ibm.com/blogs/solutions/jp-ja/iot-melbourne/

Sund&Bælt Holding社 | より良い洞察への架け橋を築く

https://www.ibm.com/blogs/solutions/jp-ja/iot-greatbeltbridge/

Novate Solutions | 人間には知覚できないものを認知するテクノロジー

https://www.ibm.com/blogs/solutions/jp-ja/iot-novate-2/

オマーン石油開発会社 | バックオフィス業務を一元化。2,300時間をMaximoで削減

https://www.ibm.com/blogs/solutions/jp-ja/iot-omanllc/

キング・ハーリド国際空港を次世代スマート空港に変革するIBM Maximo

https://www.ibm.com/blogs/solutions/jp-ja/iot-kkia/

 

当記事は『What is enterprise asset management?』の一部を抜粋し再編集したものです。

 

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