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枠を超えた共創の触媒に | 新装IBM Innovation Studio 東京が目指す先

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2024年1月30日、日本アイ・ビー・エムは、虎ノ門ヒルズ ステーションタワー(東京都港区)へと本社を移転しました。

参考 | 日本IBM、港区虎ノ門の新本社に移設したIBM Innovation Studioを拡充し、さらなる共創を推進(ニュースリリース)

当記事では、オフィス・オープニング・セレモニーおよびプレス・カンファレンスの様子と共に、「なぜ本社移転なのか」そして「新たなオフィスでどのように価値共創を実現しようとしているのか」について、IBM Innovation Studio ジャパンの責任者である武井 総(たけい おさむ)の言葉をお届けします。

カンファレンス、セレモニー、オフィスツアーの様子

<もくじ>

  1. 新オフィス創設の狙い | IBMの新たな働き方と実現したいこと
  2.  エンターテイン | IBM Innovation Studio 東京の目指す姿
  3.  企業の枠を超えた共創の加速
  4.  最大のアイデアや知恵は常にお客様の中に | 共創の触媒として

日本は今、AIをはじめとするテクノロジーの活用により、コスト削減中心の従来の対応からイノベーション創出などにより、新たな価値を提供する価値追求型に大きく舵を切る『本当のデフレからの脱却』の分岐点にいます。イノベーションの推進と変革が真に求められています。私たちIBMも、この大事な局面で少しでもお客様のお役に立ちたい。心からそう考えています。

そして私たちは生成AIや量子コンピューター、ハイブリッド・クラウドなどに代表される先進テクノロジーを提供させていただいていますが、実際にそれをお客様とともに変革に役立て、実践しているのは、社員でありパートナーの皆さまです。

物理的にもバーチャルにも、皆が集まりやすく意見を出しやすいオフィスを提供したい。もっとフラットに議論できる場を提供することで、企業の枠を超えた共創を加速させたい。

それが、この新オフィス創設の狙いであり、社会の役に立つために、社員みんなが誇りを持って働ける状態を目指します。

——日本IBM社長の山口は、オープニング・セレモニー直前に開催されたプレスカンファレンスでそう語りました。

 

山口に続いて登壇した執行役員の小野は、「箱崎を東京の東とすると、虎ノ門は西の中心地の一つ。お客様やパートナー様からのアクセスやイメージの良さもあり、虎ノ門を選択した」と、本社移転について説明しました。

そして最後に、IBM Innovation Studio ジャパン 部長の武井が登壇し、スタジオの移設完了について発表しました。

 

「本日晴れて、旧本社・箱崎事業所から虎ノ門本社へのイノベーションスタジオ移設が完了いたしました。なお、この移設は、単なる場所の変更や面積の拡張ということではないということを、ぜひご理解いただければと思います。

新たなイノベーションスタジオの最も大切な役割は、コラボレーションを通じてイノベーションを生みだすことです。そのために、たとえば先進テクノロジーや共創の具体的成果を五感を通じて体感していただく没入型体験など、新しい試みにもチャレンジしていきたいと思っています。

新設する代表的、かつシンボリックな体感型展示としては、以下が挙げられます。

  •  キヤノン様のボリュメトリックビデオ技術を活用したARアバター名刺ソリューション
  •  テクノロジーの未来を演出するプロジェクション・マッピング
  •  5月新設予定の360度スクリーンの没入型体験空間

他にも、新しいアイデアの創出と、それを実装への道のりにつなげていくための工夫を随所に取り入れていますので、ぜひご覧ください。」そう語った後、オフィスツアーが行われました。

ツアーでもご覧いただいた新オフィス・ワーキングエリアの一部 

 

「単なる変更や拡張ではない。」イノベーションスタジオ部長の武井総はそう語っていました。

それでははたして、そこにどんな思いが込められているのでしょうか。その真意や狙いについて、詳しく話を伺いました。

「展示デモのエリアや種類といったハード面の拡張はもちろんですが、それだけではありません。ソフト面も、これまでの考え方やアプローチから大幅に進化させたんです。」

 

「IBM Innovation Studio東京の前身『ソリューションセンター』がスタートしたのは2010年です。イノベーションスタジオは世界19カ所にありますが、前身はそれぞれ研究開発拠点であったりショールームであったりと異なる出自を持っていて、それが各センターの特色となっています。そして東京の特色は『エンターテイン』です。

スタジオの移設計画をスタートしたのは2020年。コロナ禍の中、『パンデミック後の社会』を見据えて、どのような施設が社会に必要とされるのか、そして私たちスタジオメンバーの強みをもっとも端的に表すことができ、自信を持って提供できるものはなんだろうかと話し合いを重ねました。

その結果、『エンターテイン』という結論に至りました。

「そんな雑用までやり過ぎだろう」だとか、ときにお節介を感じさせてしまうということもあるかもしれません。しかし、このコンセプトを胸に、満を持しての新しいスタートとなります。」

イノベーションスタジオジャパン責任者の武井総(右)とメンバーの吉野和宏(左)

 

2023年は1000を超えるセッションを通じて、延べ3,000名以上にそのサービスを提供したというIBM Innovation Studio東京。

活動を通じて明らかになったのは、技術セールスやエンジニア、コンサルタントや研究開発という異なる専門性を持つIBMのプロフェッショナルたちを、リクエストや状況に合わせて短時間に集結させるコーディネーション力の高さ。そしてどんな困り事にも、なんとかそれに応えようとする姿勢にも、お客様はその価値を強く感じていることがわかったと武井は語ります。

 

「山口社長も話していたように、私たちが実現したいのは『企業の枠を超えた共創の加速』です。イノベーションスタジオ東京を、共創を誘発する触媒にしたい。そのためには、私たちスタジオメンバー自身も、これまでの価値創造の枠を超えていかなければならないと考えています。」

 

そう語る武井には、信念とでも呼べるような一つの思いがあると言います。それは「IBMの強みは、個々のお客様の変革に主眼を置き、全力を注ぐこと。」

「これまでも、お客様からのリクエスト一つひとつにテーラーメイドで対応させてもらってきましたし、それはこれからも変わりません。ただこれまでは、『IBMができること』という枠の中で考えてしまいがちな部分がどうしてもあった気がしています。

しかしこれからは『個々のお客様のリクエストにも、企業の枠を超えて応えていこう』と考えています。

従来のようにIBMの中でさまざまなエキスパートたちと知見を集めるだけではなく、お客様のために企業や組織の枠を超えて知見を集めていく。そのためには、IBM外部の知見もこの場に流れ込み集積していくための取り組みも必要ですし、来訪者の多様性と交流の促進も重要となります。

海外からの訪問者や学生、内定者、経済団体や各種コミュニティーなど、虎ノ門というアクセスの良さも活かして、幅広い方がたに来ていただきたいですね。」

 

「枠を超えるための場所に、我われが新たな枠を持ち込んではいけませんよね。

まだ誰も思いついていないような新しいスタジオの使い方や、革新的なアイデア創出セッション、変革のためのPoC作成、新しい形のコミュニケーションなど、ご利用いただくお客様やパートナー様、そしてIBM社員にも、私たちにどんどんチャレンジングな提案をぶつけて欲しいと思っています。

最大のアイデアや知恵は、常にお客様の中にあります。必要なのは、五感でIBMテクノロジーとの共創を感じていただきながら、的確にそれを引き出すこと。私たちの存在価値は、そこにあるのですから。

ここイノベーションスタジオ東京から、従来のビジネスを大きく超えるものをどんどん生み出していきましょう。」

 


TEXT 八木橋パチ

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