IBM Sustainability Software
Watson IoT サマーキャンプ – 灼熱の伊東から
2019年08月02日
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テクノロジーの世界で最も頻繁に参照される資料の一つが、2008年にガートナー社が作り出したとされる「ハイプサイクル」だろう。
ハイプサイクルに対しては賛否を含めさまざま意見があるが、「黎明期から流行・幻滅・回復へとつながり最終的に安定期に入っていく」という捉え方と、それが社会に浸透していくという考え方は多くの人たちに共感されているし、実体験に近いと感じられているからこそ受け入れられていると考えてよいだろう。
だからこそ、ハイプサイクルがここまで認知されているのだ。
昨年、ガートナー ジャパンが発表した「日本におけるテクノロジのハイプ・サイクル:2018年」では、モノのインターネットやIoTプラットフォームは”過度な期待”ともされるピーク期を超えたと紹介されている。
はたして、モノのインターネットやIoTプラットフォームは、これからどう進化していくのか。あるいはしないのか。
今回は、気温35度を超える猛暑日の静岡県伊東で開催中の「Watson IoT サマーキャンプ」会場より、ディスカッションおよびワークショップの模様をお届けする。
■ IoTで社会をより良い場所にするために
「われわれが常に念頭に置くべきことは、社会、ビジネス、生活の基盤として、IoTやAIを当たり前のものとして安心して使っていただくためには何が必要か? まずはそこからスタートしましょう。」
サマーキャンプは、Watson IoT事業部長の村澤によるこんなオープニングトークで幕を開けました。
その後、村澤はハイプサイクルについて言及しました。
「モノのインターネットやIoTプラットフォームはピーク期を超えたと言われています。これが意味するのは、流行りとして捉えられる時期は過ぎ、企業や人々の興味は過度なものから正常値に戻ったということ。
これを”IoTが萎んでいく”と捉える企業は、市場から消えていく。そして、本当に価値を生み出し続けていく取り組みをやり続けていけるものだけが生き残っていく。
そう考えると、われわれWatson IoTにとっては良い状況になってきたということです。」
そしてこう続けました。
「今後、本物の価値として受け止めてもらうためには、いろいろな意味で幅を広げていけるか、深みを増すことができるのか、それにかかっています。社会で少なくとも5年、10年と長く活用されるものでなければ本当の価値提供ではありません。
すでに、お客様はハイブリッドやマルチクラウドという環境を当然のものとして受け止めています。というよりも、適応性や拡張性を十分持ったインフラスクラクチャーの上で組み合わせて利用できるものでなければ、相手にされない時代になっています。」
そして最後に、このメッセージで、明日夕方まで続くセッションへの期待を伝えました。
「IoTやAIの活用とは、どうやってつながりを活用するかという問い。そこで肝心となるのは、今現在だけではなく、5年10年後までを見据えた価値創造のプラットフォームの創造です。
われわれIBMが期待されているのは、そして提供すべきは、社会基盤としての価値創造であり、そこに必要とされるのはネットワークの信頼性やデータ正確性の確保です。誤ったインプットやリソースから生まれるのは誤ったインサイトや短期視点だけに基づいた価値です。
真の意味で、社会とお客さまのビジネスに価値あるものを届けましょう。」
■ 真のテーマとは – お客さまへの価値の高い提案とアクションプラン
Watson IoTが、そしてIBMが届けるべき「社会をより良い場所にするため」のテクノロジーは、果たして何か。
今回、IoT事業部だけではなく、IBM社内の先端テクノロジー部門からの有志と共に集まったサマーキャンプでは、以下を真のテーマとしてそれぞれのチームに別れてディスカッションをし、お客さまへの価値の高い提案とアクションプランを作り上げることを目的にグループワークが行われています。
真のテーマ:
- お客さまが本当に必要としているものにフォーカスする。そして最後まで一緒に歩んでいくシナリオを作りあげる。
- なぜ、IBMが一緒に歩むべきパートナーなのか。お客さまの本当の課題を一緒に見つめさせていただける仲間なのか。
- お客さまが最初に取るべきアクションを考え抜いて伝えること。
以下、1日目のWatson IoT サマーキャンプに参加中のメンバーの言葉でこの記事は終了します。
わたしたちWatson IoTチームのこれからの活動に、どうぞ一層ご期待ください。
■ サマーキャンプ参加中のメンバーの言葉
- IBMのソリューション、とりわけMaximoに代表される設備保全と設備管理の高度化についての対応範囲は広い。だが、広いがゆえに個々のお客さまの痛みやニーズに向き合えているのか?
それぞれのメンバーがそれぞれに考えるのではなく、チームとして知識と経験を統合する機会になっている。
- iPhoneデフォルト天気アプリのベースとなっているThe Weather Companyなど、データがものを言うIoTという分野でのIBMのケイパビリティは特別なもの。
きちんとその価値を伝えていくことで、お客さまの本当の悩みを聞き、それに応えていけるようになるはず。今この場所で、そのための土台作りが進んでいる。
- 世界の動きと日本の動き、それを重ね合わせて見れるのがIBMの強みだし、それを体感しているメンバーが中外に揃っているのがWatson IoT。
じっくりと知見を共有できる時間を持てたので、これからもっと「広さ」と「深さ」に自信を持ってお客さまと会話できる。
- 事前に準備してきた資料を、新たな視点や意見で磨き上げつつある。
今はまだ荒削りだが、明日のワークでどこまで輝くものとできるかが楽しみ。私たちが焦点を合わせるべきは今この瞬間をフィルターとした10年後。
TEXT 八木橋パチ
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