IBM Sustainability Software
サステナブル・ビジネス運営ガイド(その4)
2023年12月29日
記事をシェアする:
持続可能なサプライチェーンの構築
トレーサビリティと排出量を管理し、循環性と回復力を向上させる
真に持続可能な企業では、ESGの取り組みが企業内だけにとどまるということはあり得ません。
消費者の80%近くが持続可能性を重要視し、60%が環境への影響を減らすために購買習慣を変えたいと回答していることから分かるように、企業が自社やグループ会社内だけではなく、サプライチェーン全体で何が起きているのかを正確に把握できていることは非常に重要です。
今日の企業は、使用している品目や商品、原料や材料がどこでどのように調達されているかを理解できている必要があります。
また、サプライチェーン全体が、自社および顧客の持続可能性に関する基準、さらには規制当局が求める基準を満たしていることを保証できなければなりません。
そしてもし基準が満たされていない場合には、代替調達先を見つけて変更することや、あるいはサプライヤーを促し速やかに行動変容してもらうなど、適切な行動を速やかに起こせることが大切です。
サプライチェーンの持続可能性を可視化
企業は、ブランドの持つ資産価値を高め、成長率を増加させながら、サプライチェーンがカーボンフットプリントと人権リスクを削減していくようにする必要があります。
製品や原材料が倫理的かつ持続可能な方法で入手されていることを証明できること、つまり出所まで遡って追跡できることは不可欠となっており、ブロックチェーンがそのための重要な実現技術となりつつあります。
また、スコープ3(自社の事業活動に関連した他社の温室効果ガス)の排出量は、温室効果ガス排出量全体の最大90%をも占める可能性があるため、生産と物流のカーボンフットプリントを把握することも重要です。
業界によっては、サプライチェーンの可視化はまだ義務化されておらず、自主的な取り組みとなっている場合もあります。しかし、顧客や投資家、社会の要請の変化に目をやれば、それがいつまでも続かないことは明らかです。
今後の成長と繁栄を望むのであれば、企業はサプライチェーンの持続可能性について正確かつ十分に報告できる環境と体制を一刻も早く整えるべきです。
投資家や社会から求められている正確性と、サプライチェーンの混乱に迅速かつ効果的に対応する必要性が相まって、現在、先進的なサプライチェーン・インテリジェンス・ソリューションへの需要は高まり続けています。
ファーマー・コネクトの持続可能性
ファーマー・コネクトがどのようにブロックチェーンを活用し、農園から手元のコーヒーカップまで、消費者がどのように責任ある持続可能なコーヒー生産を支援しているのかを、事例記事にてご覧ください。
低炭素サプライチェーンの構築
IBM Sterling Supply Chain Intelligence Suiteは、実用的な洞察、よりスマートなワークフロー、インテリジェントな自動化により、サプライチェーンの管理、回復力、持続可能性を向上させます。
一切不明瞭な点がない、追跡可能で脱炭素化されたサプライ・チェーンを実現することで、サプライチェーンの混乱をチャンスへと転換します。
そのメリットは、在庫レベルの18%削減、店舗から食品生産者まで遡った追跡にかかる時間を数日から数秒に短縮、クリティカルサプライチェーンの混乱管理に必要な時間を数日から数時間へと短縮します。
廃棄物の削減と循環性の向上
包装資材の過剰使用やリサイクル不可能な資材の使用、燃料消費と排出を増加させる非効率的な輸送や経路など、サプライチェーン全体で廃棄物が大きな問題となっています。
多くの企業が、リサイクル可能な包装資材の採用、輸送経路の最適化、改修・リサイクル・再利用スキームの導入による埋め立て処分の回避など、あらゆる形で廃棄物をなくす方法を模索しています。
これらの施策による環境への影響軽減はもちろんですが、関連コストの削減も企業にとって重要なメリットです。
IBM Sterling Order Managementを使用しているEコマース企業は、従来の輸送コストを52%削減し、二酸化炭素排出量の削減を実現しています。
柔軟性とビジネスチャンスを手に入れたフォレット社の注文管理システム
フォレット社がどのように1000を超えるオンラインストアと実店舗や倉庫を統合したのか。在庫リスクと販売機会損失をなくすための取り組みを、事例記事にてご覧ください。
出荷の無駄を最小限に
IBM Sterling Order Managementを使用することで、注文処理を最適化し、より少ないパッケージ数とより環境に優しい配送方法を実現できます。
製品廃棄物の削減、配送パッケージ資材の削減、スマートな注文購入プロセスと店舗やフルフィルメントセンターとのシームレスなサービス提供で、二酸化炭素排出量を削減できます。
さらに、カーボン計算システムと連携させることで、環境意識の高いオンラインショッピングの利用者に、最も二酸化炭素排出量が少ない配送方法の選択肢と、実際のカーボン削減量の提示ができるようになります。
540%の売り上げアップを手にしたサリー・ビューティ・ホールディングスのフルフィルメント・システムの刷新
サリー・ビューティ・ホールディングスがどのように注文管理およびフルフィルメント・システムの刷新を行い、わずか3週間で2,700店舗をフルフィルメントセンターへと転換したのか。顧客満足度と売上を大幅に向上させた取り組みを、事例記事にてご覧ください。
当記事は『Build a sustainable supply chain』を日本の読者向けに編集したものです。
関連製品・サービス
問い合わせ情報
この記事を読んだあなたへのおすすめ
「第2回ベジロジサミット」レポート後編 | ベジロジシステム討論会
IBM Partner Ecosystem, IBM Sustainability Software
ベジロジ倉庫とベジロジトラック、そしてキャベツ食べ比べを中心にご紹介した「第2回ベジロジサミット」レポート前編に続き、ここからは第二部、場所を屋内に移して開催されたベジロジシステム討論会の様子をご紹介します。 目次 前編 ...続きを読む
「第2回ベジロジサミット」レポート前編 | レタスの食べ比べとベジロジ倉庫・トラック
IBM Partner Ecosystem, IBM Sustainability Software
「佐久地域は葉洋菜類の一大産地であり、産地の生産を守ることは日本の食を守ることです。主体的に取り組んでいきます。ただ、青果物の取り組みは特に困難な要素が多く、物流業界でも取り組みが進んでいない分野です。そんな中で、持ち前 ...続きを読む
日本Maximoユーザー会2024@天城ホームステッド 開催レポート
IBM Partner Ecosystem, IBM Sustainability Software
2024年10月15〜16日の2日間に渡り、IBM天城ホームステッドにて1年半ぶりの「日本Maximoユーザー会」が開催されました。 石油・化学企業、産業機械製造企業、エネルギー企業、エンターテインメント企 ...続きを読む