IBM Sustainability Software

OSLC | 複雑な製品の開発者なら知っておくべきこと

記事をシェアする:

 

拡大を続けるエコシステムで、デジタル・エンジニアリングを実現するために

 

自動車、医療機器、航空宇宙・防衛産業…。ますます複雑化する製品は、その開発難易度をますます高めています。この傾向は先に挙げた業界業種だけではなく、さまざまな業界の製品開発で同様です。

そして複雑さに加え、高い技術を持つ技術者の確保や安全性に関する懸念の増大、厳しくなる規制やコンプライアンス、製品ライフサイクルの縮小、差別化のためのソフトウェア依存度の高まりなど、エンジニアリングの難易度にも拍車がかかっています。

 

エンジニアリングが抱えるもう一つの大きな課題が、異なるワークカルチャーを持ち、新旧の異なる開発ツールを用いているパートナーやサプライヤーからエコシステムの拡大と、それへの依存です。

彼らといかに適切にすばやく情報や市場洞察を共有し、より良い意思決定を通じて共創・共存していけるかが重要な鍵を握っています。

 

一部の先進的な企業は、すでに開発環境に対して全体的アプローチを取っています。要件管理、テスト管理、ワークフロー管理を包括するツールを用いて、これらの要素に統合的に対処するプロセス基盤とデータ基盤を活用しているのです。

一方、そうしたアプローチへの進化をまだ果たせていない企業もあります。そうは言っても、開発プロセス間で効率的かつ論理的にデータ交換を行うためには、オープンな業界標準サービスの導入は最低限進めなければなりません。

 

多くの企業が採用している業界標準のサービスが、Open Services for Lifecycle Collaboration (OSLC)です。

OSLCはIBMが長年支援してきたサービスですが、私たちは市況に対する公平な見解を求めていたので、ハイレベルな調査力で高く評価されているVDCリサーチグループ社に、市場調査を依頼しました。

ホワイトペーパーは下記リンクからお読みいただけます(英語)が、ここではその極一部を紹介します。

VDC Research | OSLC – A Driving Force behind Engineering Process Integration
https://www.ibm.com/downloads/cas/J6PBNPYX

 


■ エンジニアリングツールの統合はROIを高める

  • – 70%のエンジニアが、エンジニアリング領域の統合を進める予定であると回答
  • – 33%がプロジェクト/製品管理の改善、31%がトレーサビリティの改善を理由に挙げている
  • – スケジューリングのパフォーマンスが8倍向上

 

■ スピードアップの鍵を握るモデリングツール

  • – モデリングツールを使用すると、市場投入までの時間が短縮される | モデリングツール使用者は、そうではないケースよりもスケジュール通りにプロジェクトを完了する可能性が63%高い
  • – 要件をテストにリンクさせているのは、要件管理ツール使用者の3分の1以下。システム要件を変更管理または影響分析にリンクさせているのは、要件管理ツール使用者のわずか14.7%

 

■ OSLCのようなエンジニアリング・デジタル変革基盤を

OSLCのようなオープンスタンダードは、ますます複雑化する製品開発において効率・品質・コンプライアンスの目標達成に不可欠なフレームワークであり、統合開発ライフサイクル環境の実現に不可欠なエンジニアリング・デジタル変革基盤であることが証明されつつある。


 

VDCリサーチグループ社のホワイトペーパーが示しているのは、データとワークフローの統合に対する標準アプローチの採用がもたらす多くの利点です。

OSLCによって実現される統合開発ライフサイクル環境がどのように素晴らしいのかが、700人以上のエンジニアと製品開発専門職の証言で明らかになっています。

 

IBM Engineering Lifecycle Management(ELM) ソリューションは、OSLCに支えられた開発環境の全体的アプローチを取られているお客様にはもちろん、まだオープンな業界標準サービスの部分的な取り入れに留まっているお客様にも、効率と敏捷性をお届けするものです。

そしてIBM ELMは、モデル・ベースのシステムズ・エンジニアリング、プロセス管理、レポート作成、およびエンジニアリング・データ解析のためのツールも提供しています。

 

デジタル・エンジニアリングの実現には、すべてのデータセットとシステムの概念モデルである「ドメインモデル」全体にわたるデジタル・スレッドの管理が必要です。

データソースは単一のライフサイクル・フレームワークに統合され、オーケストレーションされなければならず、OSLCサービスはこれを実現できる唯一のオープン標準ベースの手法です。

 

デジタル・エンジニアリングとは、ソフトウェア主導型の複雑なシステム環境をエンド・ツー・エンドにつなぎ、分野横断的なイノベーションを可能とする重要な手法でありコンセプトです。

OSLCをデータ交換に用いているIBM ELMソリューションは、ドメインモデリング言語や使用するツールに関係なく、オープン・アーキテクチャでプロセスとデータをつなぎ、拡大を続けるパートナーやサプライヤーのエコシステムを確立させるものです。

市場投入スピードの向上と低コストを実現するデジタル・エンジニアリングを、IBM ELMソリューションで実現しましょう。

 


当記事は「Unlock the power of digital engineering: What complex products developers need to know」を日本のお客様向けにリライトしたものです。

 

製品・技術情報

 

問い合わせ情報

 

関連記事

How to makeの変革 | モノづくり革命がもたらすチャレンジとチャンス#1

持続可能な自動車への道のり(前編)

IBM Zの製品開発ライフサイクルを支えるワークフロー管理ソリューション


More IBM Sustainability Software stories

「第2回ベジロジサミット」レポート後編 | ベジロジシステム討論会

IBM Partner Ecosystem, IBM Sustainability Software

ベジロジ倉庫とベジロジトラック、そしてキャベツ食べ比べを中心にご紹介した「第2回ベジロジサミット」レポート前編に続き、ここからは第二部、場所を屋内に移して開催されたベジロジシステム討論会の様子をご紹介します。 目次 前編 ...続きを読む


「第2回ベジロジサミット」レポート前編 | レタスの食べ比べとベジロジ倉庫・トラック

IBM Partner Ecosystem, IBM Sustainability Software

「佐久地域は葉洋菜類の一大産地であり、産地の生産を守ることは日本の食を守ることです。主体的に取り組んでいきます。ただ、青果物の取り組みは特に困難な要素が多く、物流業界でも取り組みが進んでいない分野です。そんな中で、持ち前 ...続きを読む


日本Maximoユーザー会2024@天城ホームステッド 開催レポート

IBM Partner Ecosystem, IBM Sustainability Software

2024年10月15〜16日の2日間に渡り、IBM天城ホームステッドにて1年半ぶりの「日本Maximoユーザー会」が開催されました。   石油・化学企業、産業機械製造企業、エネルギー企業、エンターテインメント企 ...続きを読む