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進む地方行政DX | サービス・ソリューションプロバイダー マクニカの参入で拡がる範囲と未来
2021年06月26日
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最初は「エッジコンピューティングの観点から共創できないだろうか?」とお話をいただいたんです。でも聞いているうちに「マクニカならもっともっとできますよ」って。
そうなんです。Anastasiaこそ、まさに私たちの”サービス・ソリューションプロバイダーとしての総合力と目利き力”を活かせる舞台なんじゃないだろうかと社内でも盛り上がりまして。
Anastasiaの関係者が語る「ありたい未来の姿」を実現する術が、マクニカにはかなり揃っているぞ。例えば自動運転、そして次に…という具合に、どんどん話が広がっていきました。
— これは、株式会社マクニカの3名のフロント営業のリーダーに、地方自治体向けDXプラットフォーム「Anastasia」への参入経緯を聞いたときの答えだ。
今年春に出たリリース「地方自治体向けデジタルトランスフォーメーション基盤のサービス提供開始 | 実証実験先および取扱ソリューションを拡大」には、今も多くの行政関係者や地域サービス提供者からの問い合わせが続いている。
IBM News Room | 地方自治体向けデジタルトランスフォーメーション基盤のサービス提供開始 より
大きな反響を呼んでいる理由の1つがマクニカの存在であることは間違いないだろう。
「棚田における省力化」や「鳥獣害検知における省力化」など、第一次産業における実績を持つプラットフォームであるAnastasiaに、自動運転をはじめとしたモビリティソリューションや脱炭素社会に向けたエネルギーマネジメントシステム(EMS)が連携されるとなれば、多くの自治体が抱えていた「生活インフラ」の課題 – 域内外の移動や防災・減災対策など – 解決が一気に進む可能性がある。
多くの地域で多数の実績を持つマクニカの参加は、固有の課題を複数抱えているそれぞれの地域行政にとって「単一プラットフォームでの複数課題対応」への道を切り開くものであり、これまでの霧が晴れていくようなイメージを与えていることだろう。
なお、詳細発表はまだ少々先になりそうだが、先述の3月のリリース後、新たな実証実験の計画が複数の自治体で現在進行中だという。
→ 自治体として初めて、茨城県境町が 自動運転バスの定常運行を開始〜11月26日から生活路線バスとして無料で利用可能〜
今回は、そんな大きな拡がりを見せているAnastasiaへの参画に関して、マクニカの3人のフロント営業のリーダーと、Anastasiaをリードする東京電機大学の松井加奈絵准教授をお迎えし、これまでの歩みとマクニカが描く地域社会の未来展望について話を伺った。
営業統括本部 西日本・中部営業統括部 統括部長 灰野 雅也 氏
東日本営業統括部 統括部長代理 福井 啓二 氏
カスタマーエンゲージメント推進室 主席ソリューションエキスパート 高橋 基邦 氏
マクニカは、1972 年の設立以来、最先端の半導体、電子デバイス、ネットワーク、サイバーセキュリティ商品に技術的付加価値を加えて提供してきました。近年は、従来からの強みであるグローバルにおける最先端テクノロジーのソーシング力と技術企画力をベースに、AI/IoT、自動運転、ロボットなどの分野で新たなビジネスを展開しています。今後は、「Co.Tomorrowing」をスローガンに、最先端のテクノロジーとマクニカが持つインテリジェンスをつなぎ、ユニークなサービス/ソリューションを提供する存在として、社会的価値を生み出し未来社会の発展へ貢献していきます。当社は、横浜に本社を構え、世界23ヶ国85拠点をベースにグローバルなビジネスを展開しています。詳細はWebサイト(https://www.macnica.co.jp)をご覧ください。
東京電機大学准教授 知的情報空間研究室 システムデザイン工学部 / エクスポリス合同会社 CTO 松井 加奈絵 氏
Anastasiaは、地域課題解決を行う上で重要となる、IoT、AI、エッジコンピューティングなどの先端技術と人が協調し合うための「データ流通プラットフォーム」です。
産官学民の連携を推進するために、Anastasia活用の基本となる「地域分析機能」が利用できるアカウントをご希望される自治体の皆さまに無償発行しています。
詳細の確認およびアカウント申請はこちらより(https://www.expolis.net/anastasia/)どうぞ。
■ DX推進パートナーとして、課題解決のためのサービスを一括提供するマクニカ
松井加奈絵氏(以下「松井」): マクニカ社のことは、茨城県境町での自動運転バスの公道で実用化など、さまざまな取り組みを地域に持ち込まれている企業として以前から存じていました。ご一緒できることになりとても喜んでいます。
高橋 基邦 氏(以下「高橋」): ありがとうございます。私たちマクニカは、元々は半導体とネットワークに強みを持つ会社ですが、5年ほど前から新たなビジネス・モデル作りを進めていました。
特に2年前に親会社マクニカ・富士エレ ホールディングスで中期経営計画を発表してからは、これまで以上に企業や行政というお客様向けだけではなく、地域への貢献を一層意識して活動を進めていこうと社内のみんなが意識しています。
灰野 雅也 氏(以下「灰野」): もちろんビジネスではありますが、同時に社会貢献もしていきたいんです。そしてそれをサステナブルに実践し続けられるようにしていこうとしています。
福井 啓二 氏(以下「福井」): 長らく「技術商社」を名乗り続けてきたマクニカは、技術的な知見をベースとした目利きとグローバル展開という大きなアドバンテージを持っています。
例として挙げれば、ハードウェアはシリコンバレーをはじめとした北米、AIやソフトウェアはインド、医療関連のビジネスではイスラエル、環境や自動運転はフランスをはじめとしたヨーロッパといった具合に、その技術が最も集積しているエリアを中心に世界中から最先端技術を仕入れています。
高橋: 先ほど松井先生に茨城県境町での自動運転実用化の話をしていただきましたが、それ以外にも広島、浜松市や四日市市など、国内の複数の地域でさまざまな車両タイプのMaaS支援サービスを実践し、さらに東南アジア向け(タイ、インドネシアなど)に、日本政府のJICA projectを通してマクニカのオリジナル自動運転技術・ノウハウの海外展開も積極的に行っております。
→ MaaS支援サービス:スマートモビリティの実用化をトータルサポート
福井: モビリティソリューションとして自動運転開発向け実証車両の「macniCAR(マクニカー)」、自動運転ソリューションの「NAVYA(ナビヤ)」などがあります。こちらは単体での販売も行ってはいますが、その多くが「XaaS(X as a Service: ザース)」と呼ばれる「課題解決のためのサービス一括提供」という形でお客様にお届けしています。「モノを売ってお届けする」ということではなく、継続的にサービスを改善していくDX推進パートナーとして捉えていただいています。
■ テクノロジーとデータ解析の力で「点と点」をつなぎ循環させる
松井: マクニカ社の海外とのネットワークの強さにはとても期待しています。そして優れた技術を日本の中山間地に持ち込み、地方と世界をつないで循環させるというこの活動に、とても意義深いものを感じています。
高橋: ありがとうございます。具体的な形で地域の人たちに貢献できて、そして喜んでいただけていることに私たちも大きな喜びを感じています。
今、Anastasiaで地域の方たちとご一緒させていただき感じているのは、地域の方や地方自治体の皆さんと一緒に取り組んでいると、新たな発見や気づきをいただけるということです。私たちにとっては当たり前のこととなっていてつい見逃しがちなことなども、改めて「業界の当たり前は地域にとっての特別なこと」だなぁ、と。
灰野: そして地域それぞれに悩みは特有とはいえ、施策から出てくるデータや情報、それにそこから生まれる洞察は、複数の地域で共有することでもっと良いものにしていくことができそうだということを感じています。松井先生に支援していただきながら、これまでつながっていなかった日本の地域同士や、日本の地方と世界のつながりを推進していき、テクノロジーとデータを循環させていきたいですね。きっともっと暮らしやすい社会にできると思うんです。
日本の地域DXに長年取り組み続けられている松井先生にリードしていただくことで、行政とのやり取りもとてもスムーズですし、いいシナジーが出せているのではないかと自分たちでも感じています。
福井: 商社の力の見せ所の1つが「点と点」をつなげる力です。世界や日本の複数の地域はいわばそれぞれが点ですので、それをテクノロジーとデータ解析の力でつなげることで強みが生まれるであろうと私たちマクニカは考えています。
今後はつなげる力をより一層発揮して、Anastasiaにもっと多くの商材を載せていきたいと思っています。例えば、電気自動車のバッテリーを活かしたエネルギー関連や防災・減災のソリューションだとか、大型・中型施設で用いられる自動清掃ロボット、さらには小型で家庭や個人を支援するパーソナルサービスロボットなども検討していきたいですね。
サービスロボット事業 | 人とサービスロボットが共存する新しい社会をサポートします。
■ 「共創」と「協力」で、地域の「ありたい未来の姿」を実現するために
松井: 少子高齢化と人口減少が進む地域においては、さまざまな点で人手不足が問題化しています。具体的な作業を行う人手もそうですし、問題に取り組もうという人もそうです。人手不足とつながり不足の解消に向け、IBMさんだけでなくマクニカ社にもご一緒いただけるのはとても心強いです。
福井: IBMさんと私たちマクニカには業務領域などで重なる部分もあり、いわゆる「コンペ」として競合してしまうところあるという認識です。でも、それを気にして距離を取っていては、解決できる課題も解決できないし、解決までのスピードも遅くなってしまいます。
私たちマクニカには「T.E.A.M.S.(ティームス)」というコアバリューがあります。その中の1つである「M: Move」は、「既成概念や先入観にとらわれず、時に大胆に変化の波を起こす」という考え方です。それに立ち返ればやるべきことは明らかです。仮に重複する部分があったとしても、そんなに気にする必要はないと思っています。課題に直面している地域やお客様にとっては、1つのパートナーによる1つだけの解決策よりも選択肢がある方がきっと良いはずです。
→ コアバリュー | チャレンジの先にある、未来の扉を開くために。
高橋: 今後、自動運転により得られるデータと、地域の現場から出てくる情報を掛け合わせていくことで、新たに見えてくるものがいろいろとあるのではないかと期待しています。クリーンエネルギーを使って走るEVバスを地域のエネルギーマネージメントや防災・減災に用いるとか、あるいは運転中に得られた情報を元にした認知症による徘徊対処やアラート(警報)システムとの連動なども考えられるかもしれません。
これから一層、地域の「ありたい未来の姿」を実現するために、たとえ困難な状況にあっても「T.E.A.M.S.」精神で最後まで諦めず、成功のシナリオを実現していきたいと考えていますので、引き続きよろしくお願いします。
松井: 皆さん今日はありがとうございました。
地域行政は、進め方ややり方といった「プロトコル」の面で企業とは異なる部分があります。でものその一方で、起点となるのが「想い」であるというのは、本日お話しさせていただいたマクニカの皆さんとまったく変わりません。
今後も是非、「共創」と「協力」の精神で、地域の課題解決への取り組みをご一緒させていただければと思います。引き続きよろしくお願いいたします。
次回は、マクニカよりエネルギーマネージメントのスペシャリストをお迎えし、再生可能エネルギーの活用によるゼロカーボン化の促進や災害対策などの取り組み詳細をお伺いする予定です。
→ エネルギー管理システム Kisense Buildings
問い合わせ情報
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