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[事例] KONE社のデータ分析とイベント駆動型コンピューティング

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このブログ記事は、KONE社のIoT主任アーキテクトであるFareed Ahmed氏が書かれた『How KONE Uses Data Analytics with Event-Driven Compute』を抄訳し、日本向けにリライトしたものです。


 

■ クラウド、IoT、AIで、都市機能を保全する

KONE(コネ)社は、エレベーターやエスカレーター、自動扉などの製造、販売、機器保全サービスの世界的リーダー企業です。

世界に45万の顧客を抱えるKONE社にとって、同社の機器が正しく動作することは非常に重要です。オフィスビルや商業ビル、住宅用マンションなど、毎日10億人以上が使用しているKONE社の機器にもし大きな障害が起きれば、都市機能全体に大きな影響を与えかねません。

 

KONE社は、クラウドとモノのインターネット(IoT)テクノロジーに投資し、10億人を超える人びとのデータを分析し、予知保全ソリューションを強化しています。

同社の機器から使用状況データを収集し、分析結果から問題発生前に潜在的な障害を検知し、お客さまの根本原因解消を支援しています。

 

最高レベルのサービス提供の一環として、KONE社は「24/7 Connected Services」という、機器の故障停止時間を排除、あるいは削減することを目的とした、24時間年中無休の新しい保全プログラムを開始しました。

 

「24/7 Connected Services」は、お客様の機器をクラウドに接続して24時間監視し、使用状況データを分析して将来の障害を予測するサービスです。保全履歴の詳細データも保持します。

人間の目や耳では検出できない潜在的な障害を、機器からのセンサーデータを通じて見つけだし、障害が発生する前に手を打つことで、ユーザーの安全性を高める事ができます。

 

■ 大量データをリアルタイム分析し、イベント駆動型コンピューティングで

KONE社は、IBM Cloud上で稼働しているWatson IoT Platformを使用し、振動や荷重をはじめとした、機器や装置に影響を与える動きに関するデータを絶えず収集し続けています。

 

この大量のストリーミングデータを処理するには高いスケール性能が必要ですが、そこで真価を発揮するのがIBM Cloud Functionsです。

IBM Cloud Functionsは、IBM Cloud Message Hubと共にサーバーレスのイベント駆動型アーキテクチャーを提供し、ストリーミングデータの量に応じて必要なコンピューティング・リソースを自動的に割り当てます。

 

私たちは、IBMのMaximo Predictを用いて運用データのリアルタイム分析を実施し、潜在的な障害の特定と問題予知を行なっています。分析結果は「Cloud View」という弊社アプリを通じて、現場保守技術者とお客さまに提供しています。

過去の保全記録と併せて現在の機器の状況を表示する「Cloud View」と、イベント駆動型アーキテクチャーを用いて、私たちはお客さまにより高品質な現場保守を提供しています。そしてこうした現場保守が、潜在的な障害特定とその対応予定日時のタイムリーな確定に役立っているのです。

 

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