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使いやすさに寄り添った文書検索AI「InsightBuddyX」登場(empowered by watsonx)

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生成AIを使用したPoCの3分の2以上が、サービス実装に至らず終わってしまっていると言われています。そして原因の多くは、「精度」「コスト」「運用」面での課題を解消するまでのハードルがまだまだあるから、とのこと。

当記事にてお伝えする株式会社日本AIコンサルティングの「InsightBuddyX(インサイトバディ・エックス)」は、そうした生成AIの自社活用に不安を感じている方、あるいは諦めてしまっている企業の方々にこそお読みいただきたいものです。

今回ご紹介する日本AIコンサルティングは、2018年の創業当時より、自社プロダクトを用いた業務改革と、それにともなう企業独自の用途・目的に応じたAI活用・導入支援を推進されています。2024年8月にはIBMのPartner Plus Buildパートナーとして参画。これまでのコンサルティング事業に加え、先述の生成AIの3大ペインポイント「精度」「コスト」「運用」を解消する「InsightBuddyX」を、2024年10月リリースしました。
 

InsightBuddyX

(IBMの「watsonx.ai」との連携による、企業向け生成AIソリューション)

目次

(写真左) 香月 章宏氏(かつき あきひろ) | 株式会社日本AIコンサルティング 代表取締役
(写真右) 新居 桂陽氏(あらい けいよう) | 株式会社日本AIコンサルティング チーフデータサイエンティスト

 

 

● InsightBuddyXが提供する5つの付加価値

「オンプレ生成AIであるInsightBuddyの提供スタートから半年が経ち、大変ありがたいことにご導入いただきました多くのお客様よりご称賛をいただくことができました。

ただ一方で、オンプレだけでなくクラウド対応を求められることもあり、どう対応しようかと検討していたタイミングで、IBM様からエンタープライズ向け生成AIプラットフォームであるSaaS版watsonx.aiをご紹介いただきました。

さっそく詳細に調査してみると、InsightBuddyと連携させることでクラウド対応できることが分かりました。

それがおよそ3カ月前。開発・検証を急ピッチで進め、ついに『InsightBuddyX』のリリースとなりました。」

 

日本AIコンサルティングの香月章宏代表はそう語ると、「InsightBuddyXが提供する5つの付加価値」という資料を見せてくれました。

InsightBuddyXが提供する5つの付加価値

 

● セキュアな環境でのRAGベース質疑応答

オンプレミスや指定のlaaS環境への導入により、データセキュリティーとプライバシーを確保します。

● 迅速なアプリケーション開発

自動ベクターデータベース構築により、開発時間とコストを削減し、ビジネス価値の早期実現を可能にします。

● 高度な運用管理機能

詳細なユーザー管理とログ管理機能で、システム運用の効率化とコンプライアンス要件の遵守を両立します。

● 専門的な技術サポート

専門チームが導入から運用までをサポートし、技術的な課題を迅速に解決します。

● 多様なインフラストラクチャーへの柔軟な展開

仮想化技術により、多様なインフラストラクチャーへの柔軟な展開が可能です。

 

InsightBuddyX実装例の1つである「AIチャットボット」による回答画面キャプチャー画像

 

ここからは、日本AIコンサルティング データサイエンティスト 新居桂陽氏を中心にご説明いただいた、watsonx.aiにより強化された「InsightBuddyXを選ぶべき2つの理由」を紹介します。

 

● 包括的なAIライフサイクル管理 | InsightBuddyXを選ぶべき理由その1

InsightBuddyXは業務問題を解決するためのAIツールで、その最大の特長は、社内ドキュメントを利用したテキスト生成により、社内ナレッジを踏まえた回答をする生成AIチャットボットを安価かつ容易に導入・利用できることです。

 

生成AI導入プロジェクトがうまくいかない大きな理由の1つが「生成AIの回答が世間の一般論にとどまり、社内ナレッジなどの「自分たちの文化・背景」を踏まえた回答をしてくれない」という点です。

この問題を解消する方法としてRAG(Retrieval-Augmented Generation)技術の応用が知られていますが、実際に社内ドキュメントから社内ナレッジを整理し、生成AIで活用できるシステムとして自社で構築するには専門的な技術力やコストがかかります。

加えて、その困難を乗り越えて実装しても、GPUをはじめとする計算リソースの整備への投資が次の課題として待ち受けています。これを避けて、世間一般に提供されているクラウド型の生成AIサービスを利用する場合、データセキュリティの運用規則の見直しなどの調整が必要となります。

これらの問題に対し、InsightBuddyX は、自動ドキュメントデータベース構築機能により独自アプリケーションの開発時間とコストを大幅に削減し、ベクトル量子化により計算リソースの効率的な活用を実現します。

さらに、IBM Cloud上で稼働するWatsonx.aiを生成AIエンジンとして活用することで、クラウド上の計算リソースを積極的に活用しつつエンタープライズレベルのセキュリティで生成AIを利用できます。そのため、生成AI経由の情報漏洩リスクも最小化されています。

システムのメンテナンスやアップデートについても専門チームがしっかりサポートさせていただきます。モデルの開発からデプロイ、ガバナンスまでを一元管理し、プロジェクトの効率化と透明性を向上させ、長期的なAI運用コストを最小限に抑えます。

 

● 多様なAIモデルの選択で「マルチAI」実現 | InsightBuddyXを選ぶべき理由その2

現在、自社専用生成AIの開発・導入・運用を行っている企業様の多くは、他分野への応用や生成AIサービスのAPIを利用した業務の自動化など、さらなる活用を模索しています。

業務へのさらなる活用を考えると、利用局面ごとに生成AIに対する期待や要求も異なります。例えば、単純な処理をとにかく高速に行わせたい場合と、時間がかかっても良いから複雑な処理を行ってほしい場合では、利用すべき生成AIモデルが異なります。

 

このように、本来、多種多様な要求がある業務において生成AIを活用する際には、目的ごとに適切な生成AIモデルを使い分けたり組み合わせたりする「マルチAI」の戦略が必要です。

InsightBuddyXは、ご利用いただく中で、自然と蓄積されていく利用ログを分析し、従業員のニーズに沿った社内ナレッジの再整理を可能とします。これにより取得した問合せ内容や回答に用いられた社内データを活用してオープンソースのLLM(大規模言語モデル)をファインチューニングし、企業独自の生成AIを構築することができるようになります。

マルチAI戦略の一つとして、このカスタマイズされた生成AIモデルを、日々公開される最先端モデルと共に組み込むことで、企業様独自の業務要求に柔軟に対応できる生成AIの活用体制が実現します。
InsightBuddyX は、このようなサイクルの立ち上げの第一歩として、企業様の生成AI活用の深化を強力にサポートできる生成AIプロダクトとして開発されました。

 

繰り返しとなりますが、InsightBuddyXの特長は、自社独自の生成AIチャットボットを安価に、そして容易に導入できることです。

お客様にはIBMのGraniteをはじめとしたオープンソースAIモデル、サードパーティAIモデルから、ビジネスニーズや相性に合わせて最適なものをご選択いただけます。

SaaS版watsonx.aiを生成AIの運用基盤とすることで、さまざまなAIモデルを使い分ける「マルチAI」が実現できるようになりました。

 

● InsightBuddyXへのユーザーの驚き・喜びの声

「開発協力ユーザー企業の方々からは、高機能さと高性能さにかなりの高評価をいただいています。いくつか、特に喜んでいただけたことや驚かれたことをご紹介しますね。」

香月代表と新居氏が挙げた中から、いくつかをピックアップしました。

 

・ 高度なAIシステムにもかかわらず手頃な価格

「中小企業でも手が届く価格の手頃さと明確さは、とても歓迎されています。」

・ シンプルな構成で使いやすい独自UIとフローチャート生成

「お客様からのフィードバックに応え、InsightBuddyXの画面構成は、直感的に操作できるシンプルかつ必要十分なものとしています。また、その後の操作や必要なアクションがわかりやすい、生成AIによるフローチャート作成・提示機能にも驚かれました。

・ 導入環境の柔軟さ

「ビジネス上の理由や経緯から、お客様のインフラ環境はそれぞれですが、さまざまなクラウド・プラットフォームやオンプレミス環境への導入が滞りなく進んでいます。」

・ 生成AIの回答精度

「社内マニュアルを踏まえた『問い合わせ対応チャットボット』を導入されている企業様にも比較検証いただきましたが、性能差から『できるだけ早くInsightBuddyXに切り替えたい』とご契約いただきました。」

 

最後に、香月代表からの導入検討希望のお客様へのメッセージを紹介します。

「InsightBuddyXは『貴社だけの業務パートナー』をお探しのお客様にこそご検討いただきたい、欲しいときに必要な洞察を提供してくれる頼りになる相棒です。ぜひ、お気軽にお問い合わせください。」

 

株式会社日本AIコンサルティングお問い合わせ

https://j-aic.com/contact

取材に同席いただいた、InsightBuddyX開発チームのアブドゥルさん(右から2番目)とメヘディさん(右から3番目)とともに。

 


■企業情報

株式会社日本AIコンサルティング https://j-aic.com/

2018年創業。「楽しめるチームをつくる!」を理念に、人の行動を計測、分析・評価してフィードバックし、満足度、生産性、存続可能性の向上を支援するスタートアップ。人とAIが共存する未来を、人の行動分析と生成AIで実現を目指す。大阪府吹田市本社。

 

■ IBM製品・ソリューション情報

IBM watsonx.ai

 

TEXT 八木橋パチ

 

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