IBM Sustainability Software
サステナブル・インパクトを高めるIBMのサービス&ソリューション
2022年10月18日
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トランスフォーメーショナル・サステナビリティ
トランスフォーメーショナル・サステナビリティは、企業価値の中核としてサステナビリティを位置付け、企業トップ関与の基に全社的な取り組みとしてそれを推進していく継続的なプロセスです。
より具体的には、価値の定義や受益者を従来から変化させ、新たなビジネスモデルを定義し、デジタル技術を戦略的に活用して社会的および環境的な問題を解決するためのアクションを実行し、サステナビリティの成果を企業価値向上へとつなげていきます。
行動を迫られる企業
CEOに対してサステナビリティへの対応を迫る圧力はここ数年で劇的に高まっており、事業相手や株主はもちろん、消費者の行動や従業員の姿勢をも変化させています。
過去1年間にサステナビリティをうたった商品を購入するために上乗せ料金を払った消費者は全世界で約半数(49%)に上っており、従業員10人中7人が環境意識の高い会社で働きたいと回答しています。
そしてこうした変化を受け、80%以上のCEOが、今後5年以内にサステナビリティ投資による業績向上が見込めると考えています。
(2022年5月に発表された、IBM Institute for Business Value(IBV)経営層スタディ・シリーズ第25版*より。)
* 経済分析・予測を手掛けるオックスフォード・エコノミクス社(Oxford Economics)の協力の下、世界40カ国超・28業界におよぶ3,000人のCEOを対象に行った、定性的・定量的インタビューからの分析結果、および提言。
サステナブル・インパクトを高める手順
企業がサステナブル・インパクトを高め、環境面、社会面、経済面で実質的な価値を提供していくためには、まず下記のようなサステナビリティ目標を設定する必要があります。
これは、企業や組織が持つそれぞれ個別のパーパスと密接な関係を持つ、以下のようなものとなるでしょう。
- 2030年までのネット・ゼロ達成
- サプライチェーンのトレーサビリティーと透明性向上
- 今後5年間での温室効果ガス (GHG) 排出量25%削減
- 多様性と包摂性のある、ハイブリッドな職場環境の確立
- データ、インフラストラクチャー、およびIDのセキュリティー確保と保護
- コミュニティーのデジタル・インクルージョンの支援
そして次に、目標に対する明確な基準を確立し、目標達成に向けた効率的かつ効果的な運用化やレポーティングを進めていきます。
ここでは、その取り組みを支援する代表的なサービスとソリューションを紹介していきます。
IBM サステナビリティー・ソフトウェアの主要ポートフォリオ
IBM サステナビリティー・ソフトウェアは、お客様がデータとAIの力を活用して、リアルタイムで予測的なビジネスの洞察を引き出し、インテリジェントでサステナブルな意思決定を行うための、実績あるソリューションを揃えています。
■ IBM Consulting Sustainability Services
IBM Consulting Sustainability Services は、サステナビリティーに関する価値創造を、お客様と共にエンドツーエンドで行います。以下は代表的な具体的活動およびサービスです。
– サステナブルなサプライチェーン + 循環型 | 責任ある・公正・実行可能なサプライチェーンを築きます。データの洞察を持続可能な開発目標(SDGs)戦略に結び付け、リスク管理、収益成長、および利益拡大を目指します。
– サステナブルな財務 + ESGレポート作成 | 環境・社会・ガバナンス情報開示、および規制コンプライアンスに対するサステナビリティー目標達成に向けた包括的なレポート作成により、リスク削減、透明性を高め、公正・実行可能な運用を確立します。
– 責任あるコンピューティング + グリーンIT | データセンター、インフラストラクチャー、コード、データ使用、システム、インパクトの6領域を統合的に検討し、IT環境全体にサステナブルな戦略を実施するためのカタリスト(触媒)としてご支援します。
– 脱炭素化 + クリーン・エネルギーへの移行 | 低炭素物理インフラストラクチャー、低炭素エネルギー市場、EVプラットフォーム、これらの実現や、消費者向けのデジタル製品ビジネスなど、上流から下流に至るまでお客様に広範な支援を提供します。
– 自然関連、気候リスク評価 + 適応 | 気象・気候がもたらす物理的リスクや移行リスクを軽減し、それらに適応できるようにするためのカスタム・アドバイザリー・サービスやソリューション構築、インテリジェントな運用のためのマネージド・ソリューションを提供します。
■ ESGデータの管理とレポート作成 | Envizi
温室効果ガス(GHG)排出量およびESGレポート作成領域におけるグローバル・マーケット・リーダーEnviziは、脱炭素化ジャーニーのあらゆるステップを最適化し、追跡するために必要なツールを提供します。
– データ基盤および統合されたSystems of Record(SoR)を構築します
– 世界的に認められている主要なESGレポート作成フレームワークに対応し、レポート作成を合理化および自動化します
– 社内外のステークホルダー、プロセス、およびテクノロジーを統合し、サステナビリティーを日常的な運用に組み込みます
– データ分析と洞察により、最速かつ最もコスト効果の高い脱炭素化に向けた道筋を示します
■ 気候リスクの管理と対策の作成 | IBM Environmental Intelligence Suite(EIS)
EISは、気象や気候に関連した影響の大きな事象に備えて計画と対応を行い、事業継続性を確保するためのクラウド・ベースのデータ分析プラットフォームです。
お客様専有データとサード・パーティーの地理空間データ、気象データ、IoTデータなどを組み合わせてビジネス価値の高い洞察を導き出し、気象・気候現象が自社資産にもたらすリスクや、サプライチェーンと事業運営の混乱を最小化します。
EISの環境インテリジェンスが各事業分野にもたらすビジネス促進例
– 金融機関 | 与信リスクのスコア付けの手法を改善し、貸し倒れ件数を削減できます
– 保険会社 | リスクをより正しく見積もり、問題が発生する前に契約者に警告することができます
– 電力会社 | リスクの高精度予測により保全や作業員スケジュールを最適化できます
– 電力会社 | 植生管理のコストを削減できます
– 製造業 | 生産予測と歩留まりを改善できます
– 小売業 | 需要と供給の計画を改善できます
– 食品企業 |より適切に需要に応えながら、サステナビリティーに確実に取り組むことができます
– 農業 | 収穫量を増やせます
– 空港 | キャパシティー・プランニングを改善できます
– 政府・官公庁 | 健康、疾病、および気象に関する実用的な洞察を使用して、自然災害時やパンデミック発生時に的確なアドバイスを市民に提供できます
■ 生産拠点の最適化 | IBM Maximo Application Suite(MAS)
生産拠点で稼働する重要資産の長寿命化やパフォーマンス最適化は、GHG排出量削減や、エネルギー・水の効率使用、廃棄物や材料物質管理などによって自然環境への負荷を大幅に減らします。
また、近年複数のお客様と実施したROI分析によると、AIやIoTを活用したMASのさまざまな機能は、お客様に平均で「年間1,460万ドルのメリット」「28%の生産性向上」「および43%の資産ダウンタイム削減」をもたらしています。
MASの代表的コンポーネント
– Maximo Manage | 作業を効果的に特定、計画、およびスケジュールし、作業員が適切な手順に従い、適切なタイミングで適切な部品を使用し、担当作業を効率的かつ安全に実行できるよう支援します。
– Maximo Monitor、Health、Predict (Asset Performance Management) | 設備に故障が起きそうな時期を高い確率で予測できるので、問題発生前に対策を取ることで高コストとなるダウンタイムを回避できます。また技術的な専門知識不足を解消できます。
– Maximo Visual Inspection | データサイエンティストや専門知識不要で、AIを活用した画像検査を容易に取り入れることができます。製品の品質チェックや問題検出を高レベル低コストで行えるようになります。
■ サプライチェーンの最適化 (Supply Chain Intelligence SuiteおよびSterling Order Management)
カスタマー・エクスペリエンス、事業の成長、および収益率向上に、優れたサプライチェーンが果たす役割は増すばかりです。
グローバル・サプライチェーンの混乱を回避し、効率性の向上を図るために、IBMはサプライチェーン・データを統合し、AIを活用する最先端のサプライチェーン・ソリューションを提供しています。
– IBM Supply Chain Intelligence Suite (SCIS) | サイロ間の在庫の可視性、混乱対応時のAIガイド、複数部門にまたがるスマート・ワークフロー、人的エラーを回避するインテリジェントな自動化など、組織が重大なサプライチェーンの問題をより迅速に特定して解決するのに役立つ優れたコントロール・タワーと、ブロックチェーン・テクノロジー上に構築されたデータ共有プラットフォームを クラウドベースのスイート製品として提供し、AIベースの最適化と自動化により、サプライチェーンのレジリエンシーを向上し、俊敏性を高めるとともに価値実現までの時間を短縮します。
– IBM Sterling Order Management Software (OMS) | 分刻みで更新される正確な在庫ビューおよび納期回答データにより、カスタマー・プロミスを守りながら、在庫切れや非生産的な在庫の財務インパクトを低減します。
組み込みAIにより、カーボン・フットプリントと配送・供給コストの削減に重点を置いた、よりスマートなフルフィルメントの実行を支援します。
地球環境・地域社会・組織。すべてのサステナビリティを守るために。IBM サステナビリティ・ソフトウェアにご相談ください。
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