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お客様と一緒に変えていく。それが営業 | チームメンバー・インタビュー #43 廣澤 和宏 セールス, Cognitive Applications

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チームメンバー・インタビュー #43

廣澤 和宏 セールス, Cognitive Applications

コグニティブ・アプリケーションズ(コグアップス)チームのメンバーが、テクノロジーと自分自身とIBM、そして過去・現在・未来について語るインタビューシリーズです。今回は2022年よりチームにジョインしたばかりの廣澤さんにお話を伺いました。

(インタビュアー 八木橋パチ)

 

— — はじめまして。今、どちらですか?

どうぞよろしくお願いします。実は大阪の空港内のカフェでして、フライトがかなり遅れてしまい、ついさっき着いたばかりなんです。

 

— — そうでしたか。忙しいところありがとうございます。それではまず簡単に自己紹介をお願いします。

はい。2022年よりコグアップスに異動してきた廣澤 和宏です。近頃は珍しいかもしれませんが、1999年に新卒でIBMに入社して以来、ずっとIBM社員として働いています。

 

— — たしかに、20年以上IBM一筋という人は近頃では珍しいかもしれないですね。最初からずっと営業職ですか?

いいえ。私が入社した当時は「アウトソーシング」全盛のはしりの頃で、私も入社早々、大手地方銀行の常駐SEとして常駐しました。その銀行では先輩社員よりも早く朝7:30には出社し、みんなの机そうじをするのが新入りの仕事でした。

「アレ? 自分はたしか、外資系IT企業に就職したハズだったような…」なんて思いながら過ごしていましたね(笑)。

 

■ 営業職への転身を決めさせた「アウトソーシング」と「営業道場」

 — — それがきっかけで営業職への転向を決めたんですか?

いえ違います。その数年後に東京に戻ってきたものの、今度はまたすぐ日本の電機メーカーへの出向となりました。そこでは5年間、システム構造改革のプロジェクトに取り組みました。

その5年間が自分にとっての大きな転機となりましたね。今の営業職である私のルーツとなる体験をした期間でした。

 

— — 一体どんなことがあったんですか? 気になります!

大きくは2つの体験がありました。1つは、入社早々からの他社への出向で、自分の仕事に対する考え方ややり方が完全にお客様側になってしまっていたと感じたことです。

「IBMという会社に入ったにもかかわらず、自分はどれだけIBMを理解しているのだろう? テクノロジー、グローバル、ソリューション…。そうした強みをどれだけ活かせているのだろう? 何も試せていないじゃないか」って。

それからもう1つ、こちらのほうがより直接的な「営業への転身」の理由となるんですが……。

 

— — なんだかちょっと喋りづらそうですね。もし、内容的に表に出しづらいことなら、記事には載せないようにしますよ。

いや、そういうわけでもないんですが…。えーっと、パチさんは、「アウトソーシング」って仕事にどんなイメージを持たれていますか?

 

— — うーん、言葉はシュッとしているけど、実際は社外へ仕事を出すわけで、仕事を失う人が出てくるってことですよね。ここ数年の「AIに仕事を奪われる」という騒ぎと似ているところがあるかも。

そうなんです。まさに今言われたとおり、心情的には厳しい局面に何度も向き合わざるを得ない仕事でした…。30年、真面目にその仕事をしてきた人の仕事を、ある意味奪ってしまうのですから。「余計なことを…。あと数年で定年なのに。」って、正面切って言われることもありました。

言わば「コスト削減」なわけですが、その削減されたコストがどこに向かうかと言えば、必ずしも彼らの新しい仕事に向かうわけではありません。実際に当時、10人でやっていたシステム運用業務の仕事を7人でできるようにしたけれど、その3人には新しい仕事が何も用意されていないということがありました。

 

— — 想像がつきます。それは辛い展開が待っていますね…。

はい。ただそれまでに、私は出向先のベテラン社員たちが、高いコミュニケーション能力を発揮して社内や関連会社の責任者クラスから仕事を取ってくるのを何度も目にしていました。

それで、「きっとこの方たちなら、しっかりと学び直す機会さえあれば、その力を営業職で発揮されるのではないだろうか?」と思ったんです。

 

— — なるほど。とは言っても人事に関係する部分で、出向社員にできることはそんなに多くなさそうな気もします。

たしかに簡単ではなかったですね。でもどうにか、IBM社内で「営業道場」を開いていたシニア営業コンサルタントを招いて、出向先でも同じように「営業道場」を開設することができたんです。

認定制度を作り、エンゲージメントやパイプライン管理といった営業の心得や手法をしっかりと身に付けた方だけが免許皆伝される仕組みとしました。

 

— — それはすごい。では、彼らは営業として社内での仕事を続けたわけですね。

そうなんです。そしてあるとき、「営業道場」をやっていたIBMの営業スペシャリストに言われたんです。

「廣澤さんも営業になっちゃったらどう?」って。

 

— — おっと! そしてついに…!?

はい。結局、出向を終えるタイミングで、IBMのコンサルティング部門所属の営業となりました。それからもう12年。所属部門や担当範囲は変わりつつも、ずっと営業をやっています。

 

— — その方は廣澤さんの中に「営業として輝くであろう何か」を感じ取られて言ったのでしょうか?

いやー、多分、何の気無しにいった言葉じゃないかな(笑)。でも結局、私にとっては大きな意味を持つ言葉となりました。

正直に言うと、それまで自分の中では「営業って口先ばっかりなんじゃないの?」っていう否定的な思いがありました。でも、道場に関り、そしてIBMの他の営業たちからもじっくりと話を聞く中で、私の認識が変わっていきました。

「お客様と一緒に変えていく。それが営業だ」って。

 

■ ヤクルト・スワローズとキャンプ

 

— — 廣澤さんは休みの日は何をされているんですか?

うーん、私はあまりプライベートなことは仕事の場では話さない方なんですが…せっかくなので今日はいいかな。

うちは中1、小4、小2と3人の息子がいるんですが、全員ヤクルト・スワローズファンなんです。去年も家族全員で何度か神宮球場に足を運びました。

 

— — 家族全員同じチームのファンっていうのはいいですね。他にも趣味とかありますか?

そうですね。もうかれこれ10年近くになりますが、家族で結構よくキャンプに行っています。最近はテントを張るよりも、ロッジに泊まることが多いかな。

以前、1年に7回か8回立て続けに栃木にキャンプに行ってた時期があって、そのときは妻に「前世で栃木に何かいわれがあるんじゃないの?」なんてからかわれました(笑)。

 

— — アウトドアは大人も気持ちいいし、子どもたちも思いっきり身体を動かせていいですねー。

そうですね。やっぱり子どもたちもここ2年間は学校での生活も以前とは違うみたいで、フラストレーションを感じているようです。こないだちょっと聞いたら、給食の時間も「黙食」で、一切口をきいちゃいけないそうです。

しょうがないことだとは思いつつも、やっぱり子どもにはしんどいことですよね…。そんなこともあって、私も意識的にオフを多めに取り、子どもたちと一緒に過ごすようにしています。

 

— — めっちゃいいお父さんですね! 廣澤さん。

■ エネルギー業界を進化させ革新していくのが私のライフワーク

— — 先ほどヤクルトの話が出ましたが、コグアップスの事業部長の関さんが大の巨人ファンだってご存知でした?

はい。知っています。関さんのことは昔からよく知っていて、同じチームで働いていた時期もあったんです。

 

— — そうなんですか! じゃあ、今回異動してきたのも関さんからのプロポーズがあったんですか?

まあそうかもしれませんね、でも、実は前任の村澤さんがマネージャーをされていた頃から何度かお声かけいただいていて、ずっとお断りさせていただいたんです。特定製品の担当にはなりたくなくって。

 

— — そうだったんですね。ではどうして?

「昨年まで所属していた部門が解散したから」と言えばそれまでになってしまいますが、でも実際には自分でもなんだかいいタイミングだと思えたんですよね。

というのは、私、ずっと「クロスブランド営業」と呼ばれるさまざまな製品を担当する役割だったのですが、実際にはIBM Maximoをすごくたくさん売ってきたんです。ここ何年かは日本で1番Maximoを売っているのは私なんじゃないかってくらい。

 

— — そうでしたか! コグアップスを代表してお礼を言わせていただきます! ありがとうございます。ところで、何か「売れるきっかけ」のようなものがあったんですか?

そうですね…。もう10年以上前になりますが、2011年の東日本大震災という未曾有の事態の後、日本の電力業界は多くの変革を必要としていました。IBMはその数年前にMaximoを買収していたのですが、私には日本の電力業界が必要としているものに思えてならなかったんです。

それで、私はIBMのパートナー企業さんをひたすら周り続け、Maximoを取り扱っていただくようにお願いしていました。そしてコンサルタントの清野さんと一緒に、電力会社さんにMaximoを紹介して周りました。

 

— — そんな時代があったんですね。

はい。その後2013年に某電力会社さまに大口契約をいただき、今も日本を代表するMaximoのビッグユーザーとして広範にご活用いただいています。業界内でその話がよく知られるようになったこともあり、今では電力業界の他のお客様にも広がり続けています。

 

— — なるほど。ところでコグアップスには他にもいろんな製品・ソリューションがありますが、今後もMaximo一筋ですか?

これまでの10年間で、Maximoは日本の電力業界のかなりの部分の発電や変電、送配電の主に設備保全によりスマート化や省力化を支援し、その基盤を支えてきました。ただ、Maximo自身が今、大きく変身しています。ここ数年の技術進化とその大掛かりな取り込みにより、予知保全だけではなく、業務に大きな変革をもたらすことができると思うんです。なので、私自身は新しいもの好きなところもあり他の製品にも関心はありますが、今となってはエネルギー業界を進化させ革新していくのが私のライフワークですね。

 

— — Maximoも、廣澤さん自身も重要な役割を担っていますね。

はい。業界も、そして私自身も、もっと新しいことにも踏み出していかなければならないのではないかと思っています。電力は国家を支えるインフラであり、それ故に多くの規制もあります。でもだからこそ、変化の激しい世界においては従来の延長線上だけではダメだと思うんです。

Maximoは電力会社の効率化や生産性向上に大きく寄与してきましたが、業務それ自体を変革してきたわけではありませんでした。これからは、電力会社が別業界の会社と組むことで、まったく新しいビジネスが生まれるだろうって思っています。IBMやMaximoが「触媒」となることで、地場産業とのつながりを活かしたり、いろいろと新しいものを生みだせるんじゃないでしょうか。

 

■ 子どもたちには「生きているって楽しい!」と感じながら暮らして欲しい

— — 身の回りのもので、テクノロジーで実現して欲しいものってありますか?

もっと「ちょうど良い」が増えて欲しいですね。IoTを活用してトイレや電車の混み具合を紹介してくれるサービスとかアプリってありますよね、こういうちょうど良さがもっと身の回りに増えればいいなと思います。

それから、「人と人の適度な触れ合い」も増えて欲しいので、それを支援するサービスとかも増えるといいですね。例えば、そうだな、「小一時間ほど誰かと飲みたいな」なんて思っている近くの人同士をマッチングしてくれるアプリなんていうのもいいかな(笑)。

 

— — たしかにそれありかも! それでは最後の質問です。3人の息子さんがみんな成人になるまでに、この世から無くなっていて欲しいものはなんでしょう?

うーん、難しいなぁ。なんだろう……。コロナが続く今だからとりわけそう思うのかも知れませんが人を不快にする空間とか、物理的な制約ですかね。

私はギュウギュウに混んでいる場所とか本当に嫌いなんです。だから、満員電車とか、人がただただ辛い思いをする場所とか無くなって欲しいです。…この答えじゃちょっと抽象的過ぎますね、すいません分かりづらくって。

 

— — いや、そんなことないです。私も満員電車は大の苦手です。あんな意味のない修行みたいなもの、なくなればいいってずっと思っています。あれじゃ仕事前にエネルギー無くなりますよね。

そうですよね。私、子どもたちには辛くてしんどい顔はできるだけ見せたくないと思っているんです。そりゃもちろん、IBMで営業という仕事をしていれば、楽しいことばかりじゃないですよ。すごく辛いこともあります。でも、それをただ辛いと感じるかそこで楽しみを見つけ出すかは、自分で選ぶことができるじゃないですか。

子どもたちには「生きているって楽しい!」と感じながら暮らして欲しいんです。そのためにも、まずは私自身が、楽しみながら暮らしていきたいし、その姿を見せていこうと思っています。

 

— — 大人が辛そうな姿ばかり見せていたら、子どもたちが将来に夢を持てるわけがないですよね! 今日はありがとうございました。

 

インタビュアーから一言

関さんのことは昔からよく知っているということだったので、1つそれに関して質問をしてみました。

え、「関さんに何か一声かけるとしたら」ですか? そうだなぁ「もっとヤンチャでもいいんじゃない?
昔のように(笑)」。

はたして、関さんはどんなヤンチャな姿を見せていたのでしょうか!? 廣澤さん、コロナが落ち着いたらぜひ軽く飲みながら教えてくださいね!

(取材日 2022年1月25日)

 

 

 

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