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[事例: 大手保険会社グルパマ社] データを「新たな顧客体験」へ。つながる保険をIoTで実現。

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当記事は Groupama and IBM find opportunity through disruption の抄訳を元に、最新のグルパマ社とIBM Watson IoTのコラボレーション情報を加え、日本向けにリライトしたものです。


 

■ 立ち向かうのか乗りこなすのか。保険業界を襲うビッグウェーブ

 

保険業界には大きな変化が訪れています。保険サービスを購入している顧客の中には、その変化を歓迎する人もいれば、それを混乱とみなして避けたがる人もいるでしょう。

でも、あなたが保険業界に身を置いている関係者であるなら、選択の余地はありません。

あなたがそれを歓迎していようといまいと、目の前に迫る巨大な変化の波に対応しなければならないのです。

 

経済変動、人口変化、テクノロジーの進化、政治的要因…。今、保険業界は根本的な変化を遂げています。

環境変動の波はあらゆるところで起き、いくつかの波が共鳴して瞬時に巨大化することも珍しくありません。

保険会社はこうした変化の波に立ち向かうことが必要です。でも一方で、立ち向かうばかりではなく、変化の波に乗るという方法もあります。

データを活用して、インシュアテック(insurance(保険) x technology(技術)がもたらす新しい潮流)やエコシステムのデジタル化という波を上手に乗りこなせば、お客さまの要望や期待の一歩上を行く「新しい顧客体験」を提供することができるのです。

 

 

顧客が保険会社に期待しているのは、リスクアドバイザーの役割です。自分たちの置かれた状況やライフスタイル、志向に併せて最適なアドバイスを貰えることを期待しています。

一方で保険会社は、ウェアラブルデバイスやテレマティクスなど、顧客が生み出す日々の膨大な量のデータをIoTを駆使して収集し、機械学習や高度な分析などのAIやブロックチェーンなどのビジネス技術を活用し、それら顧客の要望に応えながらビジネスモデルを変革し、新たな収益性を見出していく必要があります。

データを「新たな洞察を得るための天然資源」として活かし、リスクアドバイザーとして顧客との新たな関係性を結び直していくのです。

 

■ データを「新たな顧客体験」へ。フランスの大手保険会社グルパマの取り組み

 

こうした保険業界の大きな変化を、率先して自らのチャンスと変えたのが、ヨーロッパとアジアで34,000人以上の従業員を有し、1,300万人の顧客にサービスを提供しているフランスの大手保険会社グルパマです。

グルパマは、さまざまなタイプの保険を取り扱っていますが、大規模なIoT投資戦略と共に、それまでの保険業界の伝統的なビジネスモデルを大きく変革させる事業を2015年にスタートしました。

それが、自動車の走行データを収集し、ドライバーの運転技量を評価して保険料金を算定するテレマティクス保険サービスです。

 

また、過去の交通事故データをもとに、交通事故防止を目的とした安全なルートを推奨するアプリの開発・提供など、従来の保険会社が提供していなかった付加価値サービスを顧客に提供しています。

これらを通じ、グルパマはこれまでになかった顧客体験を提供することに成功し、保険業界においてテクノロジー活用のリーダーの地位を手にしました。

 

■ 「つながる保険」を実現するWatson IoTプラットフォームとCVI

 

グルパマのこの取り組みの土台となっているのが、IBMのWatson IoTプラットフォームとIoT Connected Vehicle Insights(CVI)です。

 

保険契約者の移動や運転方法を、テレマティクスのバリューチェーン(IoTデバイス、ネットワークコネクティビティ、ロジスティクス、システム統合サービス)を網羅して入手・分析し、より適切な保険料金を顧客に提示するデータ駆動型のサービスとしました。

また、お客様とのコミュニケーションや保険金の支払い、処理などに関しても新たな手法を導入することで、いわば「つながる保険」を実現したものとなっています。

 

 

最後に、グルパマ・グループの役員や社員の言葉を紹介します。

「データを持っているだけでは十分ではありません。考え方を変えなければなりません。私たちはもっとイノベーションや創造性を豊かにする必要があるのです。」

「Watson IoTは、保険業界が常に夢見てきた『リスク予防』を実現する我が社のテクノロジー・プラットフォームです。」

「テレマティクスにこそ自動車保険の未来があると私は信じています。」

「お客様にとって保険金の支払いはとても重要なことです。しかしもっと重要なのは、保険を使わなければならない状況を起こさないこと。Watson IoTで、私たちは本来のリスク予防を行えるのです。」

 


 

問い合わせ情報

お問い合わせやご相談は、Congitive Applications事業 にご連絡ください。

 

ソリューション紹介ページ: IBM IoT Connected Vehicle Insights

 

関連ページ: Think Summit 2019レポート#2 – 日本市場におけるIoTの実践セッション・レポート(Neuro Meets CVI)

 


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