IBM Sustainability Software
IBM Maximo Application Suiteで回復力と責任ある排出管理を促進
2024年01月17日
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責任ある排出管理の利用によって、組織が資産の健全性と収益性に与える影響を変えることができます。世界中の3,000人のCEOへのインタビューに基づいたIBM CEO調査 では、サステナビリティとデジタル変革をうまく統合したCEOは、他のCEOよりも高い平均営業利益率を報告していることが明らかになりました。さらに、インタビューを受けたCEOの80%以上が、サステナビリティへの投資が今後5年間の業績向上につながると述べています。
そこで、IBM Maximo Application Suite (MAS) が排出量管理を通じて資産の効率を最適化するのにどのように役立つかをご紹介します。
排出管理のメリットを最大限に活用する
排出管理は温室効果ガスを追跡することだけではありません。産業プロセスの中で大気中に放出される広範な排出物の制御と監視も含まれます。排出には、発電所からの排気ガスなどの意図的なものもあれば、製造時の汚染物質などの意図的でないものもあります。このようなプロセスにおいて、漏れ、廃液、廃油、有害廃棄物などの副産物が生じます。
これらを効果的に管理するには、資産を最適化し、新たな問題を早期に特定することが重要です。適切に維持された資産は副産物の生成が少なく、長持ちします。さらに、廃棄物や有害物質を最小限に抑えることで、より安全でクリーンな環境を維持することができます。
また、排出管理は環境への責任に加えて、業務効率、法規制順守、より安全な作業環境、企業イメージの向上などを通じて収益を向上させることができます。これらの側面をさらに詳しく見てみましょう。
戦略的計画と業務効率化
戦略的なメンテナンス計画により、大幅なコスト削減が実現します。効率的な資産は寿命が長く、パフォーマンスが向上し、中断することなく生産を維持するのに役立ちます。
たとえば、Sund & Baelt社は検査作業を自動化し、重要なインフラストラクチャを監視および管理し、時間とコストを削減しました。また同社は、資産の健全性とメンテナンスによって対処すべきリスクをより深く理解することで、総二酸化炭素排出量を削減しながら、橋、トンネル、その他の資産の寿命を延ばすことができると想定しています。
共通のサステナビリティ目標を確立することにより、運用、安全、メンテナンスなど、通常はサイロ化されている部門間のコラボレーションも促進することも可能です。このコラボレーション促進によって将来の資産管理プログラムを主導する立場が高まります。また、目標達成により組織の運用健全性が向上します。
参考 | [事例] Sund&Bælt Holding社 | より良い洞察への架け橋を築く
MASで排出量をより適切に管理
MASは、資産の健全性と信頼性を向上させるために設計されたアプリケーション群一式(スイート製品)です。MASは排出量管理の改善において、どのように役立つのでしょうか。
MASが提供するアドオン、信頼性戦略 (Maximo Reliability Strategies)を使用することで、排出問題の発生しやすい資産の故障モードと影響分析(FMEA)を、複数部門からなるチームで利用することができます。
資産運用チームは、信頼性を中心としたメンテナンス戦略を適用し、最高の信頼性基準で資産管理を行えます。
また、Maximo Health、Maximo Manage、Health, Safety and Environmental Management (HSE)などの MAS の主要コンポーネントは、排出量管理において重要な役割を果たします。これらのアプリケーションは、運用データのキャプチャ、ガバナンス、安全対策、インシデント管理を提供します。具体的には、HSEコンポーネントは、労働衛生事故の追跡、プロセスの安全性、環境排出量の特定、ISO14000 要件の遵守および調査を提供します。
排出量管理戦略を強化するには、Maximo MonitorやMaximo Predictなどのコンポーネントを使用して MAS 内に資産パフォーマンス管理(APM) を適用します。これらのコンポーネントは、IBM watsonx サービスを介して業界をリードするアルゴリズムと AI によって強化されています。APM を使用すると、排出量管理に対して積極的かつ規範的なアプローチを採用でき、効率の向上と資産の健全性をさらに高めることができます。
Envizi と MASを連携する
IBM Envizi ESG Suiteは、包括的な排出管理ソリューションの主要な機能を提供し、MAS が可能にする優れた運用を補完します。
Envizi はトップダウンの管理レポートを提供し、MAS はボトムアップの運用資産管理を提供します。Envizi はエンタープライズレベルおよびサイトレベルのレポートを提供しますが、MAS は完全なトレーサビリティと説明責任のために資産レベルのレポートを追加します。
どちらのソリューションでも、Envizi または MAS を通じて、エンタープライズから資産レベルに至るまで、問題の範囲全体を可視化できます。さらに、Envizi または MAS によって表面化された問題に資産レベルで直接対処したり、そもそもこれらの問題の発生を防いだりすることも可能です。
これら 2 つのソリューションを使用すると、資産管理リーダーは組織のパフォーマンスとサステナビリティ目標の運用状況を正確に評価できます。
まとめ
大手企業は、サステナビリティ、回復力、責任ある資産運用を積極的に推進していますが、これらはネットゼロ目標を達成するための戦略的必須事項です。
資産の運用効率を最適化することで、問題を予測して防止し、排出量を削減し、コンプライアンスを確保し、企業全体でより安全で健全な作業環境を構築することができます。
また、効果的な排出管理は、規制遵守、従業員の満足度、前向きな企業文化、評判の向上などに繋がります。最終的には、私たちの未来と企業の収益を守ることにもつながります。
環境への影響を最小限に抑えるために MAS などの排出管理テクノロジーに投資し、それらを Envizi などのソリューションと統合することで、サステナビリティな未来への道を切り開き、企業と地球の両方にとってより豊かで環境に優しい未来につなげましょう。
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