IBM Sustainability Software
大規模レベルのエンジニアリングを変えるIBMのELMソリューション
2020年01月18日
カテゴリー IBM Sustainability Software | エンジニアリング | 自動車
記事をシェアする:
業界をリードするIBMのエンジニアリング・ライフサイクル管理ソリューション
車の開発は以前から困難なものでした。でも今、「安全な自動運転車」という新たな次元に向け、開発の困難さは指数関数的な上昇を続けています。
つながる要素(コネクティビティー)が高まれば高まるほど、開発は複雑さと困難さを増していきます。そしてそれは車に限りません。
たとえば、医療従事者と患者の命と健康を守るために、医療機器には数百万行のソフトウェアコードが組み込まれています。そして乗客と乗組員たちの生命と安全を守るために、航空機には厳密な安全基準に準拠するよう、莫大な量の複雑なソフトウェアコードが組み込まれています。
私たちの生活は、驚異的なエンジニアリングの世界に包まれています。安全で平和な暮らしは、最先端のエンジニアリング・ライフサイクル管理(ELM)により守られているのです。
そしてそれを支えているのは、厳しいビジネス環境においても、安全性と市場投入までの時間のバランスを取りつつ、大規模レベルでの製品開発を続けている企業と、それをサポートするELMソリューションなのです。
■ 増し続ける製品開発の複雑さと困難さ
世界で最も安全とスピードのバランスを考慮しているのは、企業の製品開発チームではないでしょうか。
ソフトウェア駆動型製品の設計・開発には、複雑に絡みあい補完しあうシステム群をスケーリングできるプロセスが必要です。そして多様さを増すサプライヤーとの共創を深く理解し、相互に与えあう影響を十分に踏まえた意思決定が求められます。
今、複数の開発チームが関与しあう「チームのチーム」が直面しているのは、時差のある地域間での異なる言語と異なる職場環境や文化におけるリアルタイムコラボレーションであり、時間とワークロードのコントロールです。
これほど複雑なエンジニアリング環境で、どうすれば成功への道を進めるのでしょうか?
スタート地点は明確です。まず、エンジニアリングの全プロセスを通貫する、常に信頼に足る唯一のデータソースを用意することが最も重要です。
最新版を求めてあちこち見て回り、それが本当の決定かを確認するのに時間を費やす必要がないよう、すべてのチームにアクセスとトレーサビリティの追跡を約束する唯一無二のデータベース –製品ライフサイクル全体を照らす誘導灯が欠かせません。
御社の開発チームには、現場が本当に必要としている大規模レベルでのELMソリューションが用意されていますか?
IBMは、最も困難な課題に取り組む企業と、その製品開発チームを支援し続けてきました。
そしてこれからも、自動車、医療機器、飛行機、その他、最も複雑な製品やさまざまな電子機器を作り出しいくお客さまに最も信頼されるパートナーであり続けるべく、ELMソリューションをさらにスマートにしました。
世界を代表する顧客企業の要求精度に応える設計、構築、スケーリングを、AIを搭載したIBMの最新ELMソリューション・ラインアップが実現します。
その1つが、先日、DOORSとDOORS Nextをご利用いただいているお客さまにもご利用いただけるようになったRQA(Requirement Quality Assistant)です。Watson AIを基盤に要求定義/要求仕様書作成を支援するRQAは、リスクを最小化し、市場投入までの時間を短縮します。
■ コンプライアンス遵守の重要性
製品開発は「すばらしいモノを作ればそれで良い」わけではありません。
厳しさを増すコンプライアンス規制に準拠しつつ優れたプロダクトを開発することが、いかに難しいことか。私たちIBMは、規制の最も厳しい業界におけるパートナーとの協業を通じ、その困難さを身を持って経験してきました。
こうした経験が、業界の専門家やパートナーとのIBMのコラボレーションをより深くし、開発チームとマネージメント陣の求める「ストレスのない快適な体験」をお届けするための一層の努力へとつながっています。
ELMソリューションをより進化させるために、私たちがまず手をつけたのが自動車業界のプロセス標準であるAutomotive SPICE(ASPICE)サポートのELMソリューションへの統合です。
IBMのELMソリューションなら、導入しやすいプロジェクトテンプレートとレポート機能、そしてASPICEプロセスのコンプライアンス規制に厳密に整合させることができるので、自動車業界のお客さまは安心して開発業務にご専念いただけます。
これは、ELMソリューションで市場をリードするIBMの、お客さまへのコミットメントを表しています。
■ 大規模レベルの開発に洞察を – コンチネンタル社の場合
開発方法がますます複雑化していく中で、ハードウェアとソフトウェア、そしてユビキタス接続の統合により、さまざまなイノベーションが可能となりました。しかしその一方、企業は大きなチャレンジに向き合うことを余儀なくされています。
従来の人手を中心とした、あるいはサイロ化されたままの開発プロセスは、いよいよその限界に達しました。
今、開発チームは転換期を迎えています。
IBMはELMソリューションの大規模アップデートを行い、AIと高度なアナリティクス、そしてデジタル・トランスフォーメーションをプロセスに組み込んだ、包括的なエンドツーエンドのELMソリューションを開発チームへお届けします。
-
コンチネンタル社の場合 – 変革の牽引力を手に
ドイツ・ハノーファーに本社を置くコンチネンタル社のPMT部門の責任者であり、シャーシ&セーフティ部門の品質およびプロセス責任者でもあるベルンハルト・リーガー博士は、先日イベントで次のように述べました。
「自律、コネクテッド、電動、シェア。こうした方向への車の移行は、当社のビジネスに大きな影響を及ぼします。我々コンチネンタル社は、これらの変化する要件に応えていくために、IBMと協力して製品の開発と展開方法を再改革しています。」
リーガー博士率いるコンチネンタル社のシャーシ&セーフティ部門のチームは、エンジニアがチーム間でデータを共有し協力を深めていけるよう、IBMのELMソリューションを活用してスマートなコネクテッドビークルの開発をさらに進めています。
市場をリードするIBMのELMソリューションを活用することで、製品開発をリアルタイムでトラッキングでき、システムとソフトウェアの開発サイクル全体 — モデリング、シミュレーション、要件管理、品質管理、構成管理 — を改善し、製品ライフサイクル全体のワークフローをカバーできます。
コンチネンタル社とIBMのパートナーシップは、今後、開発を一層スマートにし、開発チームの働きかたをスマートで革新的なものへと変えていくことでしょう。
■ 複雑なエンジニアリングの未来におけるIBMの役割
データから生みだされる洞察をエンジニアリングチームに提供していくことは、製品開発の未来に欠かせない重要な役割です。
エンドツーエンドのエンジニアリングライフサイクル、安全を確保するためのコンプライアンス基準、デジタルツインとデジタルスレッドが導くテクノロジーとデータによる開発の未来 –私たちIBMは、こうした最新の動きを正確に捉え、転換点の先にある未来へお客さまを導きます。
より快適でより安全な未来へ。よりスマートで安全で想像力に富んだ製品開発を大規模レベルで。IBMはELMソリューションで、お客さまと共にエンジニアリングの未来を描きます。
関連記事: 市場調査会社Ovum社が、IBMをALMおよびDevOpsソリューションの業界リーダーに指名
関連記事: セッションレポート – Automotive SPICE最新動向と開発品質向上の取組事例
関連記事: スペシャリストが解説! Watsonが手戻りと欠陥発生を抑止 – 要求仕様書作成にRQAを
問い合わせ情報
お問い合わせやご相談は、Congitive Applications事業 cajp@jp.ibm.com にご連絡ください。
当記事は、Insightful Engineering at Enterprise Scale を抄訳し、日本向けにリライトしたものです。
日本Maximoユーザー会2024@天城ホームステッド 開催レポート
IBM Partner Ecosystem, IBM Sustainability Software
2024年10月15〜16日の2日間に渡り、IBM天城ホームステッドにて1年半ぶりの「日本Maximoユーザー会」が開催されました。 石油・化学企業、産業機械製造企業、エネルギー企業、エンターテインメント企 ...続きを読む
トヨタ紡織「 A-SPICE レベル3」取得活動事例 | シートシステム/車室空間開発の未来に向けて
IBM Partner Ecosystem, IBM Sustainability Software
「Automotive SPICE(A-SPICE)の取得を意識し、実際に検討を本格化したのは2021年です。そして昨年2023年3月にレベル2を取得し、そこから約1年半で今回のA-SPICE レベル3の取得となりました ...続きを読む
「何度でもやり直せる社会に」あいふろいでグループ代表 吉谷 愛 | PwDA+クロス9
IBM Partner Ecosystem, IBM Sustainability Software
「日本は一度ドロップアウトした人にとても厳しく、いわば『敗者復活』の機会が残念ながらとても限られています。ただそんな中で、半年程度の準備期間で再チャレンジの機会を手に入れられるのが『IT』です。 私自身、ITに救われた身 ...続きを読む