IBM Sustainability Software
地域課題解決を詳細ビジネス気象データで支援
2020年06月16日
カテゴリー IBM Sustainability Software | ウェザービジネス | プラットフォーム
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「住民が中心となって持続的に地域課題を解決していこう」というコンセプトが、高い関心と共感を得ているDVP(Digital Village Platform – デジタル・ヴィレッジ・プラットフォーム、地域ごとのソリューションを横展開するためのプラットフォーム)とDMP(Digital Market Place in DVP – 地域課題流通マーケットプレイス)。
たくさんの企業や自治体から、その取り組み内容や参加方法について多くのお問い合わせやご質問をいただいています。
- 参考: [プレスリリース]地方創生の推進に向け、地域の取り組みを連携させるIT基盤の実証実験を開始 – データ流通プラットフォームと地域課題流通マーケットプレイスを構築
- 参考: IoT×地方創生。自治体の枠を超えて「誰でも使える」テクノロジーを
今回は、これまでの取り組みに加え、新たにプロジェクトに加えられた高付加価値化を支えるテクノロジーについてご紹介します。
また、その取り組みを支える「超精細天候データ」が、他にもどのような効果を地域課題解決にもたらすことができるのか、あるいはDVPの今後にどのような可能性を与えることができるのかについて、IBMウェザービジネス・チームのみなさんに解説いただきました。
まずは下記の画像をクリックいただき、7分ほどの動画「地域課題解決! 兼業農家を救うデータ流通プラットフォーム活用デモ with 東京電機大学 〜水田管理から収穫時期予測まで〜」をご覧ください。
■ ウェザービジネス・チームに訊いてみました
Q: 「積算温度」により稲の最適な収穫時期の提案を受けられるとのことですが、どういうことでしょうか。また、米作以外にも活かせるのでは?
高田: まず、農作物の成育には「一定温度以下の温度は寄与しない」という考え方があります。積算温度とは、その考え方を基礎として、農作物の収穫時期の予測に用いる指標です。
積算温度の算定基準温度というものがあり、お米の場合はそれが5℃となります。たとえばある日の平均気温が15℃であれば、そこから基準温度の5℃を引いた10℃が稲の成育に有効な温度です。品種により差はありますが、稲の場合はそれを積算していき積算温度が1000℃に達すると収穫に適していると言われています。
この指標は稲作に限ったことではなく、トマトでもぶどうでも農業全般の収穫時期の予測に使われています。IBMウェザービジネスの予報から積算温度を算出することで、正確な収穫時期の予測につながるということです。
Q: 積算温度以外にも一次産業に役立つ気象データがあるのでしょうか? 農家の役に立ちそうな…?
加藤: 農業に不可欠な気象データとして日射量予測があります。この他、気象データではありませんが、作物の生育予測に大いに活用いただけるものとして土壌水分量や地中温度の予測データも提供できます。特に、土壌水分量は、キャベツの裂球リスクの判定やトラクターを畑に入れない(水分量が多いときに入ると危険)などの判断にも利用いただけます。
この他「蚊の活動指数」というユニークなデータも提供しています。気持ちよく働くのには重要な指数ですよね。
Q: IBMウェザービジネスが提供する気象データは気象庁のそれよりかなり詳しいと聞きました。特長的な部分などありますか?
高田: はい。気象庁よりかなり詳しいです。1キロメートルメッシュの空間粒度で、15日先まで1時間刻みの予報データを提供することができます。また、更新頻度も1時間おき(7時間先までは15分毎)とフレッシュなデータを提供しています。
他には、体感温度、露点温度、視程(視界の届く範囲)、肌乾燥指数など、予報データで提供される気象項目が多いのも特長ですね。体感温度は熱中症予測、露点温度は製造業の歩留まり、視程は観光施設の来場者数予測などに役立ちます。その他、人が何らかの行動を起こすタイミングである「マイクロモーメント」の予測に役立つさまざまな指数も含まれています。
Q: 一次産業以外の「中山間地の課題解決」に役立ちそうな他のデータはありますか?
加藤: 中山間地は公共交通機関の便が悪い地域が多く、生活・医療物資を届けるためにドローンの活用が進みつつあります。そこで重要になるのが安全運行のための風速予測です。
ウェザービジネスでは、地上150メートル前後の風向風速の予報を提供できるので、安全なドローン運行の目安として有用性が高いのではないでしょうか。
ちなみに、一般の気象予報での風向風速の予報は地上10メートルのものです。
Q: 社会課題解決に向けて、社会実装や実証実験をスタートしているものの中で公表できるものはありますか?
田中: つい先日、天候災害予測について東京海上日動火災さまとの取り組みを発表したところです。
参考: 天候データを活用した風災被害AI予測モデルの共同開発について
このリリースをご覧いただいた多くの企業や官公庁などから、現在たくさんのお問い合わせをいただいています。
ウェザービジネスの正確な気象予測とIBMのIoTやAIなどの先進技術、そして国内外のデータサイエンティストの知見と企業や組織の持つ固有データと経験を併せていくことで、他では生みだすことができない災害予測の仕組みを提供していけると考えています。
Q: 新型ウイルスの脅威により、都心の超過密化が社会的脆弱性を高めることが明らかになりました。IBMウェザービジネスは新しい生活様式やニューノーマルにも貢献できそうでしょうか?
田中: ウェザービジネスでは、新型コロナウイルス(COVID-19)の感染に関する世界と日本の情報を、こちらのWeather.comのウェブページを通じて行っています。
また、ウェザービジネスは、「気候変動と戦う」をテーマに、世界中の開発者が社会問題の解決に挑むコンペティション「Call for Code」にAPIを提供しています。
つい先ごろ、チャレンジトピック「COVID-19」に取り組むトップ3ソリューションが発表されたばかりです。
新型コロナに揺れる世界を救え!ソフトウェア開発コンペ「Call for Code」
問い合わせ情報
お問い合わせやご相談は、Congitive Applications事業 cajp@jp.ibm.com にご連絡ください。
- 関連記事: 「地域課題解決をDIYするためのデータ流通プラットフォームの取り組みと展望」レポート
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