IBM Sustainability Software
「DX時代の今だから考える! 設備保全管理のススメ」セミナー・レポート
2020年12月11日
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社会や企業のあらゆる現場において設備や機器の安定稼働は重要な役割を果たしています。
しかし、その重要性に見合うメンテナンスがしっかりとされているでしょうか?
近年、IoTやAIなどの先進テクノロジーを導入した製造設備や保安業務がスマートプラントやスマート保安と呼ばれることが増えています。
そうした技術が具体的にどのように用いられているのか、適切に用いることでどれくらい大きな効果をもたらすのか — それらについて解説する「設備保全管理のデジタル変革最新動向」と「IBM Maximo による設備保全管理ソリューション(EAM)の紹介」という2つのセッションからなるセミナーが11月11日に開催されました(主催 コムチュア株式会社 / 株式会社ネットワールド)。
このレポートでは、セッションの中から、印象的だった資料と言葉をいくつかピックアップして紹介します。
■ 設備保全管理のデジタル変革最新動向
講演者 | 日本アイ・ビー・エム AI Applications事業部 富田 亜紗美
現場で何か問題が発生した際には、作業者の方のウェアラブル端末を用いるか、あるいはモバイル端末を取り出してもらうかして、AIが送ってるマニュアルや作業指示を見ていただくことになります。
例として、ここではポンプの緊急停止が必要になった場合を取り上げます。作業基盤である画面左下の「Manage」に作業方法のデータがあっても、不慣れな作業員にはそれだけでは対応が難しいという状況は十分考えられるでしょう。
その際「Remote」のステップで、AR技術を用いて遠隔地にいるベテランや専門家に現場の画像を見ていただき、画像に確認すべきポイントを入れていただいて、現場はそれに応じて作業を実施します。
こうした作業経緯や履歴がしっかりと「Manage」に蓄積されていき、次に同じような状況が起こった際にはより素早く適切な指示がAIから作業員に送られ、一人で対応作業を行い解決できるようになります。
また、AIが作業員と専門家の間のやり取りを橋渡しすることで、匠の技能がデータとして「Assist」に蓄積し、広く現場へと普及させることができます。
保全の設備作業管理基盤であるManageから始めて、AIやIoTを活用した保全高度化ソリューションにシームレスに進みやすいよう、Maximo全製品のOpenShift対応が順次進められています。そして料金的にも保全高度化を進めやすいよう、シングルライセンスで対応できる「Maximo Applications Suite」という仕組みも用意しています。
ただ、作業現場のDXも設備管理のDXも、まずその第一歩は「Manage」から始まります。この後の講演ではその「Manage」について詳細な説明がありますので、ご期待ください。
■ IBM Maximo による設備保全管理ソリューション(EAM)の紹介
講演者 | コムチュア株式会社 クラウドソリューション事業部 田村 嘉史
これまでの設備保全と言われていたものは、上の図で言えば左下のCMMS(現場業務の最適化)と呼ばれる範囲で取り組まれていたものでした。EAMはより広範囲に保全に関係する会社全体の情報の統合管理を実現するものです。
例えば、図の右に視点をずらしていけば、調達部門における機器の部品の在庫管理や調達管理は保全業務に多いに関係しますし、設備稼働のKPI管理という生産・操業部門の活動も広義の保全業務です。
そして図の左上に目をやっていただくと、コンプライアンスや法令準拠などの経営マターが書かれています。これらも、法令に基づいた形で点検や作業が保全部門や関係会社により行われているかという、会社の経営全体に保全が大きく関与しており、それらが統合的に管理されていること、可視化されていることが求められていることを示しています。
Maximoの1つの特長はそのテーラリング性の高さ、つまりカスタマイズ無しでお客様の業務に合わせられる拡張性と柔軟性にあります。業界のベストプラクティスが集められた製品なので、Maximo標準の使用でカスタマイズが必要となることがほとんどありません。
これは非常に重要で、他社EAM製品にありがちな、カスタマイズを行ってしまったことにより標準サポートが受けられなくなってしまっただとか、バージョンアップに対応できなくなってしまうという心配がありません。
Maximoであれば標準のままで使用できるので製品標準サポートを受けられますし、バージョンアップにも対応しています。長く使用し続けられるので資産やノウハウを容易に蓄積することができます。
構想策定、要件定義、基本設計をお客様と一緒に進めるCPR(Conference Room Pilot)という手法を用いてシステム導入を進めています。
通常のシステム開発や導入では机上での会話となってしまうところを、Maximoの場合は画面がすでに出来上がっているので、要件をお聞きしてプロトタイプに反映させて実際にツールを見るだけではなく使っていただきながら会話や確認を進めることができます。
実際の画面を見て使っていただきながら導入準備を進めることで、想定と実際が合っているのか、業務に合う設計となっているかといった判断に用いていただきやすいですし、システムの使い勝手を知り慣れていただけるというメリットも持っています。
合意形成もしやすいですし、失敗しづらいシステム導入の進め方ではないかと考えています。
この記事では非常に断片的な紹介となっていますが、セミナーでは設備保全管理システムとそれがもたらす効果が、全体像と個別部分のバランスよく説明されていました。
記事で紹介されている部分、あるいはそれ以外でも、IBM Maximoや設備保全管理のデジタル変革の動向にご質問がある方は、ぜひ下記よりお問い合わせください。
問い合わせ情報
お問い合わせやご相談は、Cognitive Applications事業部 cajp@jp.ibm.com にご連絡ください。
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