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[事例] 多国籍EMS企業 セレスティカ社 | 製造業におけるESGの課題
2022年10月26日
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大規模な産業用機器や大型HVACシステムが用いられることが多い製造業は、エネルギー使用量が高いという特徴を持っています。
また、サプライチェーン物流による排出や、生産過程における廃材や排出ガス、排水などの廃棄物発生など、ESGにおける「E」——環境に関する課題の多い業態であり、国内のCO2排出量の約35%が製造業によるものともいわれています。
さらに、これら環境課題への対応に深く関わり合うのが、ESGにおける「SとG」——社会とガバナンスです。次々と制定・改訂されるさまざまな環境規制や、人権に対する取り組みと開示など、コンプライアンスやレポーティングの正確性・適時性は、リスク管理の観点から最重要課題と言えるでしょう。個人/機関、国内/海外を問わず、製造業企業の脱炭素の取り組みとその発信に注目する投資家は増え続けています。
ESG対応が拠点数や事業範囲の広さに比例してその複雑性を増す中、担当者や担当部門がレポート公開対応で目一杯となってしまい、本来すべきサステナビリティ経営へのアドバイスやGHG削減対応が後手後手に回っているという話は少なくありません。
今回は、そんなお客様にご参考にしていただきたい、多国籍EMS企業 セレスティカ社の事例(概略版)をご紹介します。
(全文版はこちらからお読みいただけます: サステナビリティー・レポートの作成を製造業のポートフォリオ全体で変革)
セレスティカ社はEnviziを用いてESGデータを統合して管理。レポート作成を合理化。
セレスティカ社について
セレスティカ社は、世界で有数の革新的な企業向けの設計、製造、サプライチェーン・ソリューションのリーダーで、世界中で2万人以上の従業員を擁し、15カ国50以上の拠点で事業を展開しています。セレスティカ社は、製品の設計から製品寿命の管理まで、エンドツーエンドの製品ライフサイクルのサービスを提供し、航空宇宙・防衛、通信、産業、医療技術、製造、資本設備、エネルギーなど、さまざまな市場をサポートしています。
また、セレスティカ社は、製品開発のあらゆる段階(図面から本格的な生産、アフターサービスまで)で、グローバルな専門知識を活用することで知られています。
サステナビリティ・レポート作成プロセスの変革
かつては、多くの施設からグローバル・データを収集し、表計算ソフトウェアに取り込み、手作業で計算するという作業を行っていたセレスティカ社。
「何年も前のことですが、間違いが多かったようです。とても面倒な作業でした」と、組織の温室効果ガス(GHG)排出削減戦略の管理および包括的なレポート作成要件の監督をしているセレスティカ社 サステナビリティー・マネージャー Jessica Peixoto氏は過去を振り返ります。そんな中、セレスティカ社は、レポート作成プロセスを含むサステナビリティーへの取り組みを大きく変革しました。
「これには、エネルギー使用量の削減や再生可能エネルギーの導入、IBM Envizi Sustainability Performance Management(Envizi)の製品群を活用した環境データの追跡などが含まれます。
現在では、Enviziの製品群にデータを入力し、それをコンパイルして使用可能な形式に変換できます。一人では犯しやすいミスを、データ管理ソフトウェアを使うことで軽減できるのです。このソフトウェアがなければ、世界中からさまざまな単位のデータを集め、手作業で集計しなければならなかったでしょう」。
ESG報告書だけじゃない! Enviziがもたらすさまざまな効果
セレスティカ社は、Enviziがプロセス全体の効率化に貢献していることを認識しています。整理された排出係数、および排出量の合計やさまざまな廃棄物の流れに関するレポート作成等の有用な出力により、レポート作成は容易になりました。
それだけではありません。データの管理と正確性は、社内外向けのレポート作成の枠組みにも責任を持つサステナビリティー・マネージャーにとって、非常に身近な課題です。Enviziの製品群は、複雑な計算を自動化することでこの課題を解決します。そして担当組織やマネージャーは、目標設定やその他の戦略的優先事項など、他の活動に集中できるようになります。
Peixoto氏は、目標設定に注力し、セレスティカ社の戦略と意欲的なサステナビリティーの目標を詳述した最新のサステナビリティー・レポートを完成させることで、まさにそれを実行しています。
以下にその一部を紹介します。
- スコープ1とスコープ2のGHG絶対排出量を、2025年までに30%削減する(2018年を基準)。
- 燃料やエネルギー関連の活動での購入品、サービス、および上流と下流の輸送と流通によるスコープ3のGHG絶対排出量を2025年までに10%削減する(2018年を基準)。
ESGと統合報告書の未来
経営陣のリーダーシップと全社的なサステナビリティーへの取り組みにより、セレスティカ社はCorporate Knightsの「Best 50 Canadian Corporate Citizens」のトップ5に選出されました。
「国連の持続可能な開発目標や、GRI、SASB、TCFDなどの報告フレームワークとの連携は、企業の透明性を高め、世界的に直面している多くの問題の解決につながるものです。」Peixotoはそう述べています。サステナビリティー・マネージャーとともに、組織の脱炭素化とサステナビリティー活動の戦略的優先順位の設定に積極的に関与する経営陣が急増しています。排出量の削減強化が急務であることが示されているのです。
サステナビリティーと同様に重要なのが、ESGの他の要素です。 例えば、ダイバーシティー&インクルージョンは、セレスティカ社と業界全体にとってますます重要な課題であり、今後も変革に向けての取り組みが推進されることでしょう。
Peixoto氏は他のサステナビリティー・リーダーへのアドバイスとしてこう語っています。「サステナビリティー/気候変動の領域における科学、戦略、基準は進化し続けています。ですから、自分の知識ベースと組織の取り組みを成長させ続けることが重要です。しかし、それと同じくらい大切なのは、自分の仕事に情熱を持ち続けることです」。
IBM Envizi Sustainability Performance Managementなどのサステナビリティー・ソフトウェアを利用して、ESGデータの統合と管理を行い、これらのレポート作成の障害を克服する企業がますます増えています。
製品・サービスについての詳細は下記にてご確認いただくか、お気軽にお問合せください。
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