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丸の内いきものランドとIBMの生物多様性の取り組み

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4月21日にスタートした「丸の内いきものランド」をご存知でしょうか。

 

「丸の内いきものランド」は、2023年4月21日から7月2日にわたって開催される「いきもの探しクエスト」——市民参加型の生物調査イベント——です。

東京駅前の丸の内エリアとその周辺を対象フィールドとして、いきものを撮影してスマートフォンアプリ「Biome(バイオーム)」で投稿することで、環境保全に協力しながら抽選でプレゼントも貰えるという、楽しみながらネイチャー・ポジティブ(自然や生物多様性の損失に歯止めをかけ、回復軌道に転じさせていくこと)を推進する「丸の内いきものランド」。

TMIP(Tokyo Marunouchi Innovation Platform)が推進するこの取り組みに日本アイ・ビー・エムも、有志グループ「ダイバーシティー・サポーターズ」として協賛しています。

 

丸の内いきものランド参加方法とプレゼントの一部をご紹介

参加方法 | 「Biome」アプリをダウンロードしたら、ホーム画面のバナーをタップ。クエストで対象のいきものやエリアをチェックし、いきものを見つけたら写真を撮影して投稿してください。

アプリページ | https://biome.co.jp/app-biome/

1. 「Biome(バイオーム)」アプリのホーム画面で「丸の内いきものランド」のバナーをタップ 2. 「丸の内いきものランド」に(アプリ内で)参加し、クエストをチェック 3. クエスト対象の生物を撮影してアプリに投稿しバッヂを獲得。賞品に応募

 

日本アイ・ビー・エム「ダイバーシティー・サポーターズ」が提供しているのは以下のクエストです。一押しのいきものと賞品を併せてご紹介します。

 

クエスト | 丸の内周辺でハチやアブの仲間を1種投稿せよ!

ニホンミツバチ – 見れたらラッキー!日本在来のミツバチです | ホソヒラタアブ – ハチみたいだけどハチじゃない!お花にやってくる小さなアブです | セイヨウミツバチ – 近隣で養蜂されているハチが蜜をあつめにやってきます

 

自然をつなぐハチの観察賞

賞品 | 自然をつなぐハチの観察賞 – ポール・ランドデザイン「IBM」Tシャツを20名に

 

さらに詳しい情報は、丸の内いきものランド特設ページにてご確認ください。

特設ページ | https://biome.co.jp/marunouchi-ikimono-land-2023/

 

IBMの生物多様性の取り組みと「EcoTeams@IBM」

IBMは、生態系の多様性および健全性の確保を継続的にサポートする取り組みの一環として、1991年から30年以上にわたりWildlife Habitat Council(WHC: 野生生息地審議会)のメンバーとして活動しており、施設やその周辺で、生物多様性のための生息地の強化と、有意義な従業員の関与、地域社会への価値提供のための施策を行っています。

生物多様性と環境の持続可能性は、IBM社員にとって重要です。環境保全に情熱を持ち、生態系保護活動を自発的に職場で主導・実践している世界中のIBM社員により組織されたコミュニティが「EcoTeams@IBM」です。

EcoTeams@IBMは、IBMオフィシャルグローバル環境プログラムであり、昨年(2022年)は、世界20カ国64のIBM拠点で活動が行われました。主な活動内容は、ポリネーター(授粉媒介者)のためのガーデン設営、野生の鳥を保護するバードボックス、蜂の巣の管理、植樹、ビーチクリーンアップ、ウミガメ保護活動、サンゴ修復活動への参加など、多岐にわたっています。

 

中でも特に注力しているものの1つが「ポリネーター(授粉媒介者)・ガーデン・プログラム」です。IBMは2023年末までに世界のIBM拠点に50のポリネーターガーデンを作成するという目標に向け、現在その活動を進めています。

花粉を運び受粉させるポリネーターは、多様な生態系を維持するために不可欠な存在で、世界のほぼすべての開花植物の受粉に極めて重要な役割を担っています。果物や野菜、コーヒー、カカオ、アーモンドなどの重要な換金作物を含む世界の食用作物の75%以上は、昆虫やその他の動物によって受粉されており、その存在なくしては世界の食糧危機はさらに悪化してしまうでしょう。

しかし残念ながら、生息地の減少、土地管理における化学物質の過剰使用、病気、気候変動などにより、授粉媒介者の種は急速に減少しています。この現象をストップし、逆転させるには、人間のより積極的な活動が必要です。

 

今回の「丸の内いきものランド」が開催される丸の内エリアには、日本IBMの「戦略共創センター」が設置されている丸の内永楽ビルディングがあります。丸の内で活動する私たちにとって、この場所の生物多様性を支えてくれているハチの仲間たちはとても重要な存在なのです。そして彼らに餌を供給している丸の内各所に設けられた緑地も、ポリネーターと同様とても重要な存在です。

 

生物多様性の保全を社会の当然に | バイオーム代表 藤木庄五郎

今回のクエストを企画し、いきものコレクションアプリ「Biome」を運営しているのが、京都大学発のベンチャー企業バイオーム社です。

「生物多様性の保全が人々の利益につながる社会をつくる」をビジョンに掲げ、生物多様性という巨大な社会問題に研究だけではなくビジネスで挑むバイオーム社 代表取締役の藤木庄五郎氏。

その藤木氏が、自社の取り組みとその背景について語るトークイベント「生物多様性の保全を社会の当然に」が、4月26日にTMIPで行われました。以下、イベントで語られた一部をご紹介します。

 

自然環境や生態系は  「壊した方が儲かる」というのが現代社会であり経済です。環境破壊という問題は、営利企業が「儲かる活動」を優先してきた犠牲として現れてきた社会課題です。

僕は、それを変えることができるのは「研究」ではないと思ったんです。だから、「環境を守ることで儲かる」という営利企業を作ろうと決めました。特に最近はいろいろなお話を企業様からいただきますが、「環境保全に関係するものしかやらない」と決めています。

 

——大学時代、ボルネオ島のジャングルで2年を越すキャンプ生活をしながら環境保全の方法論を研究していたという藤木氏は、起業のきっかけをそう語りました。

現在創業から6年経過したバイオーム社は、社員数を35人まで伸ばしています。しかし、その道のりは「想定よりもずいぶん時間かかったなぁ…という感覚」とのこと。

しかし、ここ1〜2年の社内外の動きには、閾値を超えた際に起きる急激なスピードアップや成長を意味する「Jカーブ」を感じているとも言われていました。急速な変化の理由はどこにあるのでしょうか?

 

生物多様性が、さまざまな観点から巨大なグローバルリスクであると、社会的にもようやく広く認知されてきたからでしょう。地球は現在「6度目の大量絶滅」を迎えており、一説には約100万種の生物が人類を原因として絶滅危機にあると言われています。経済、政治、学術などの多彩な分野から社会リーダーたちが集う国際機関「世界経済フォーラム」がリーマンショック級のリスクとして「環境問題」をあげていることからも、その危機の大きさや影響範囲の巨大さが分かりますよね。

そして生物多様性の保全のために、そのリスクと機会が企業財務へ与える影響を開示する枠組みを定めているのがTNFD(自然関連財務情報開示タスクフォース)で、今年9月から本格スタート予定です。

 

——TNFDの取り組みが本格スタートしたのは2021年。それがわずか2年で国際的な枠組みとして実際に運用されるというのは、かなり異例のスピードではないでしょうか? そしてもう1つ、バイオームは具体的にどのように課題解決に役立っているのでしょうか。

 

とてもスピード感のある展開を見せているTNFDですが、それはカーボン・ニュートラルの取り組みであるTCFD(気候関連財務情報開示タスクフォース)を手本として活用しているからです。

そもそも「ネイチャー・ポジティブ」と「カーボン・ニュートラル」というこの2つは、お互いがその影響を写し合う「ミラーの関係」とも言われています。気候危機への課題意識が非常に高まった今、生物多様性に社会が目を向けるのも当然と言えるでしょう。

ただ、生物多様性が地球温暖化問題と最も異なるのは、「A地点でのネガティブな影響をB地点で補完する」ということができない点です。生き物は特定の環境条件があるからこそその場所で活動しており、世界中で環境保全が行われる必要があります。

私たちが提供しているいきものコレクションアプリ「Biome」は、市民の方がたに生物の分布状況をリアルタイムで報告してもらうもので、参加者は生物多様性保全の基盤情報を、ゲーム感覚で楽しみながら一緒に作り上げてくれる仲間です。現在ユーザー数は73万となり、

生物データが日々集まっています。そしてこれらのデータが、要望に応じて環境保護団体や研究機関などに提供されており、さまざまな対策や研究に役立てられています。

その他にも、株式会社バイオームは、生物多様性を脅かす「4つの危機」に対処するためのサービスパッケージを、企業・行政・団体・研究機関向けに提供しています。

参考 | 「4つの危機」に対処するサービスパッケージ

 

日本アイ・ビー・エム有志グループ「ダイバーシティー・サポーターズ」より、最後に

詩人、金子みすゞは『蜂はお花の中に』という書き出しで、地球とすべての生命の共生を、一匹の小さなハチを起点に描き出しました。私たち人間は、文化的・精神的、そして経済的な価値の根源を、大自然とそこで育まれる生態系に頼っています。しかし現在、生態系の相互依存の網はもつれ、裂け目は広がり、そこかしこが破れかけ、かつてないほど脆弱になっています…。

これまでその網に頼りきっていた人間は、このまま、運を天に任せていていいのでしょうか?

私たちIBMは、今回の丸の内のハチたちとの小さなアクションが、「バタフライ・エフェクト」ならぬ「ビー・エフェクト」へとつながり、ネイチャー・ポジティブの一助となることを願っています。

皆さまの協力とご参加をお待ちしています。

 


TEXT 八木橋パチ

IBM 環境 – 日本

IBMは、事業活動から製品の設計、技術の利用にわたる、あらゆる事業活動において環境保護のリーダーシップを追求しています。

Biodiversity | IBM Environment(英語)

 

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