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[事例] IoTで眼科医療に変革を起こすボシュロム社

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このブログ記事は、ボシュロム社のRon Cummings-Kralik氏が書かれた『Improving eye surgeons’ workflow with IoT technology』を抄訳し、日本向けにリライトしたものです。


 

あなたのお知り合いにも、おそらく一人くらいは眼科手術、特に白内障手術を受けられた方がいらっしゃるのではないでしょうか。

アメリカでは毎年200万件以上の白内障手術が行われています。そして今日、白内障手術は最も頻繁に行われる最も成功率の高い外科手術であり、毎日たくさんの眼鏡装着者が、文字通り一夜にして正常な視力を手にしています。

 

とは言え、これらの手術は決して簡単なものではありません。術中に発生し得る臨床的状況を考えると、成功率が高いとは言え眼科医は毎回緊張感を持って手術に臨んでいます。

なぜなら、目は私たちの体の中で最も繊細な器官だからです。日常的な手術であるとは言え、白内障手術には狂いのない正確さが求められます。そして緊急事態が発生した際には、視力喪失や状態悪化を防ぐための外科手術が必要となるケースも考えられます。

いずれにしろどのような状況であっても、眼科医とその支援チームは迅速に行動する必要があります。そして彼らが頼りにしている機器の性能も、そこでは大きな鍵を握っているのです。

 

大きなプレッシャーを抱えている眼科医ですが、「もっと効率を高めるように」「ワークフローを改善するように」「さらにコストを削減する方法を見つけるように」という異なるタイプのプレッシャーにも悩まされています。

そしてこれらは眼科医に止まるものではなく、アメリカの医療システム全体における医療慣行の強化に関する課題と言えるでしょう。

今、必要とされているのは、医療従事者がよりスマートに働くことを支援し、医療慣行の全体効率を大幅に改善するソリューションなのです。

 

■ ボシュロムが眼科支援パートナーにIBMを選んだ理由

眼科手術器具メーカーとして、私たちボシュロムは今日の眼科医が直面する課題に対し、これまでとは異なる新しいアプローチが必要だと認識していました。

そしてボシュロムが達成しようとしていることに、クラウド技術やIoT(モノのインターネット)が不可欠な基盤だということも分かっていました。

そこで私たちはIBMをパートナーとし、IBMのソフトウェア技術に関する専門知識と、ボシュロムの眼科手術器具における専門知識を組み合わせ、クラウドテクノロジーを活用した新しいソリューション「eyeTELLIGENCEアプリケーション」を開発しました。

 

eyeTELLIGENCEアプリケーションは、ボシュロムの白内障および網膜手術用の次世代手術プラットフォームである「Stellaris Elite」上で動作する、眼科医に迅速な技術サポートと複数機器の設定同期機能を提供する最新システムです。

私たちは、このeyeTELLIGENCEアプリケーションが、今日の手術室における慣行に大きな変革をもたらすものだと考えています。

 

eyeTELLIGENCEアプリケーションは、IBMクラウド上のWatson IoTサービスを使用した手術用ダッシュボードソリューションで、Stellaris Eliteのデータを取得、保存、分析します。

このアプリケーションにより、私たちはアメリカ全土で使用されているStellaris Eliteシステムの運用データとパフォーマンスデータを集中監視することができます。そして眼科医とスタッフからの技術的あるいはサービスリクエストを特定し、迅速に対応することができます。

また、システム状態を遠隔確認することで、トラブルによるダウンタイムをプロアクティブに制御することが可能です。

 

技術サポートが必要な際、eyeTELLIGENCEが提供されるまでは、眼科医あるいは医院スタッフは営業担当者またはボシュロムのサポート担当に連絡をし、状況によっては担当者の訪問を待つ以外に打つ手がありませんでした。

しかし今は違います。眼科医院はシステムのデジタル画面のドロップダウンメニューからeyeTELLIGENCEのデータを収集し、必要なサービスリクエスト要請や技術的な問題報告を直接送ることができます。そして送られたデータはIBMクラウドを通じて弊社ボシュロムの適切なチームに届き、彼らからすぐに連絡がくるのです。

さらに、眼科医院は必要に応じてeyeTELLIGENCEの遠隔アクセス権限を付与することができるので、弊社のサービスチームが即座にクラウド経由で技術的アセスメントやソフトウェアの更新を行うことができるのです。

 

■ 眼科医により多くの時間を。医院によりスピードを

多くの眼科手術室で、各機器がそれぞれの外科医の要求に合わせて日常的に調整されていることをご存知でしょうか?

結果として手術室内の機器設定パターンは100通りにもなることもあり、従来はその設定と調整を、手術医が技術担当者と共に1つずつ進めていました。そこに多くの時間が費やされことは想像に難くないでしょう。

 

しかしeyeTELLIGENCEを用いることで、手術医は調整作業から解放されます。

どの医院のどの手術室にいようとも、手術医は自分のアカウントでeyeTELLIGENCEにログインするだけで、過去に記録しておいた自身の設定に自動同期させることができるのです。この機能は、眼科医の時間を大幅に削減します。とりわけ複数の医院で手術を行う眼科医にとっては顕著です。

そして機器を複数の医師で共有する医院にとっても、大変大きなメリットとなります。

 

また必要なときには、弊社のStellaris Eliteスペシャリストが、専用アプリを通じて施設全体の設定を制御することも可能です。

このように、eyeTELLIGENCEは手術効率の向上に貢献するだけでなく、私たちとお客さまのつながりをこれまで以上に強く深いものとしてくれました。

 

IBMとのパートナーシップを通じて、私たちボシュロムはIoTとクラウド技術を用いて、眼科手術と眼科手術プラットフォームに新しい領域を生み出し、可能性を拡大することができました。

そして今後も、絶えず進化するお客さまのニーズに応えるためにパートナーシップを継続し、手術用プラットフォームの幅広いラインアップにクラウド技術の活用と適用を進めて参ります。

 

関連ソリューション: Watson IoT Platform

 

問い合わせ情報

お問い合わせやご相談は、Congitive Applications事業 にご連絡ください。

 

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土屋 敦 | Technical Lead, Watson IoT

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