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敷居もコストも低い! ふくろう販売管理システムがBIダッシュボード機能搭載
2024年10月01日
カテゴリー IBM Data and AI | IBM Partner Ecosystem
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目次
- 販売管理システムを知名度で選んではいないか?
- 電子取引データの保存完全義務化の本当の意味
- ふくろう販売管理システムは「JIIMA認証」取得済み
- AIによる売上予測機能にも選択肢を
- 「眠っているデータの活用」が企業の成長の鍵を握る
● 販売管理システムを知名度で選んではいないか?
「もちろん、有名なERPソフトを使って統合業務管理をするのもいいでしょう。でも、かけた費用を回収できなきゃ意味がありませんし、年商10億円以下の企業には敷居も金額も高いですよね。」
そう語るのは、43年前から大阪に拠点を構え、「ふくろう販売管理システム」を提供しているアステム株式会社の柴田充啓社長だ。
今回、新バージョン「ふくろう販売管理システム BIダッシュボードオプション」を10月1日発表された、アステム株式会社のお二人に話を伺った。
「中小企業の経営者には、企業活動の根幹を担う販売関連業務の管理にしっかり目を向けていただきたいんです。多くの方が、知名度で販売管理システムを選んでしまっているんじゃないでしょうか?
ふくろうは『下町のERP』を標榜し、長年ご利用いただいてきたお客様たちに育てていただいた販売管理システムです。これまで中小企業を中心に300社以上のお客様に導入いただいています。」
柴田社長からの熱いメッセージが続く。
電子取引データの保存完全義務化の本当の意味
「昨年eBookとして出版した拙著『販売管理システムで解決できる「電帳法とインボイス制度」』にも詳しく書きましたが、2024年1月1日に、改正電子帳簿保存法(電帳法)により電子取引のデータ保存が完全義務化されました。
これにより、見積書、納品書、請求書、領収書など、電子取引でやり取りした取引情報は、電子データのまま保存しなければならなくなりました。また、保存にあたり電子取引のエビデンスが求められます。
販売管理システムに求められる要件が、これまでとは大きく変わったということです。」
この新たな法制度が意味するところを、まだ十分理解していない経営者が多いと柴田社長は言う。
「こうしたデジタル化やDX対応は、局所的な対応はむしろ問題を発生させてしまったり、ややこしい事態を招いてしまったりしかねません。
つまり、会計システムだけの問題でなく、販売管理システムとの連携が肝要になったということです。なぜなら、会計システムと販売管理システム間のデータ齟齬を当局から指摘されれば、その誤りを追求・訂正する必要があるからです。これが適切に行えなければ、罰則が待っています。
そうした事態の発生を防ぐために、手作業で抜け漏れなく両システムを常に同期させることがどれだけ難しいか。それは言うまでもないでしょう。」
ふくろう販売管理システムは「JIIMA認証」取得済み
限られた人員と作業量の中で、手数を増やすことなく、いつでも監査に耐えうる状態を保っておくこと——これが販売管理システムと会計システムを連携させておくことの最大の意味でありメリットだ。
だが監査の観点でもう一つ、大事なポイントがあるという。
「公益社団法人日本文書情報マネジメント協会が提供している『JIIMA認証』です。電帳法の法的要件を満たしたソフトやソフトウェアサービスだけに与えられる認証で、このソフトを適切に使用していれば、法令に準拠した処理業務を行えます。
ふくろう販売管理システムは、JIIMA認証を取得している数少ない販売管理システムです。」
今回の新バージョン「ふくろう販売管理システム BIダッシュボードオプション」について、開発プロジェクトをリードした柴田部長に聞いた。
「販売管理システム選定の際、お客様に本当に気にしていただきたいのは、自社が必要としている機能を自社が求めている形で提供しているかどうかです。
一例ですが、各社管理帳票のレイアウトは、自社にとって最も使いやすい出力フォームがありますよね。これまではそれらの帳票を弊社で一から作成しておりましたが今回、IBM Cognos Analytics on Cloudを組み込んだことで、管理帳票のレイアウト作成をかなり素早く、簡単に行えるようになりました。これは多くのお客様に喜んでいただけるものとなっています。
しかし一方で、データをExcelに落として、自由にピボットテーブルで集計できる機能も大切というお客様も、同じくらいたくさんいらっしゃいます。ですから、この機能も従来通り存在しています。
大切なのは、お客様が求めている選択肢を提供することですから。」
AIによる売上予測機能にも選択肢を
Cognos Analyticsの分析・予測機能についてはどうだろうか。柴田部長は言う。
「売上予測機能については、従来のふくろう販売管理システムにも有償オプションとして用意されていました。
ただ今回のCognosの組み込みにより、簡易的なAI予測が可能になりました。
将来的には、IBM watsonx.aiのAIモデル構築自動化機能であるAutoAIを活用することにより、精度の高い予測モデルも提供することもできるようになる見込みです。
今回の「BIダッシュボード」による簡易な予測と、対象の商品毎に条件を指定して作成する精緻な予測、お客様が求める精度によって使い分けて頂けます。こちらも選択肢を増やすことができました。」
開発プロジェクトの進捗についても伺った。
「開発をスタートしたのが今年の3月末頃ですから、想像よりも早い半年弱での完了となりました。実際には今後の展開も踏まえたwatsonxによる生成AI組み込みまで睨んだ開発だったことを考えると、かなりのスピード感で順調に進んだと言えると思います。
鍵となったのは、IBMのカスタマー・サクセス・マネージャー (CSM) の辻 麻衣子さんと、Cognos製品のスペシャリストである角田 厚志さんの手厚いサポートでした。」
「マイクロソフトのクラウド・プラットフォームにIBMのSaaS BI製品の組み込みということで『難しいんじゃないか…』と思っていたところもあったのですが、まったくの杞憂でした。
導入決定前に行っていただいたデモでも、出来合いのデモを見せるのではなく、私たちが提供したデータを使い、こちらのリクエストを反映しながら一緒に一から解析を行っていただけました。実際にどのように進むのか、どんなことが起きうるのか、そしてどのあたりが要注意なのかなどを体験しながら学べたので、大変ありがたかったですね。
辻さんと角田さんには、現在も定期的に技術定例会を開催していただいており、弊社社員のシステム構築や分析スキルの向上にも大変寄与いただいています。」
「眠っているデータの活用」が企業の成長の鍵を握る
今後、「ふくろう販売管理システム BIダッシュボードオプション」はどのように進化していくのだろうか。アステム株式会社の今後の計画と併せてお二人に聞いた。
「ふくろう販売管理システムには、オンプレミス版とクラウド版があり、それぞれで卸売・小売業向け、レンタル業向け、鋼材業向け、食品卸業向けなど、6つの業種別パッケージを現在提供しています。
これらはすべてふくろう販売がベースとなっていまして、今後、お客様のニーズに合わせて、ヒアリングを重ねながら別業種向けも開発していくことになるでしょう。そこはきめ細やかに対応していきます。」
社長に続き、部長が機能面の未来について語った。
「直近のCognosのバージョンアップにより、自然言語インプットでのダッシュボード作成機能が実装されると聞いているので、非常に期待しています。
その次には日本語対応や音声入力対応も行われると思いますが、多くのお客様が期待して待っているので私も楽しみです。」
最後に、柴田社長に中小企業の経営者に向けてメッセージをもらった。
「今年度はこの後、全国5カ所で開催される『UOSフェア2024』の他、いくつかの展示会にも出展予定です。
『眠っているデータの活用』が企業の成長を大きく左右します。ぜひ、多くの方にご来場いただき、ご自身の目でふくろう販売管理システムの魅力を確かめていただきたいですね。」
アステム株式会社
1981年創業。中小企業の生産性を高めるためのITツールを提供ベンダーとして活動。税理士等の専門家による丁寧なサポートで知られている。なお、製品名の「ふくろう」は、「森の賢者」「先見の明」や「知恵の神」とも呼ばれ、縁起のよい動物としても知られているところから。
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TEXT 八木橋パチ
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