IBM Sustainability Software

OTとITをつなぐアロー社のオープン・ラボ開設

記事をシェアする:

 

このブログ記事は、アロー・エレクトロニクスの産業用IoT部門のリーダーであるレベッカ・センデル氏が書かれた『Arrow Colorado Open Lab: How to bridge the OT/IT knowledge gap for end-to-end IoT solutions』を抄訳し、日本向けにリライトしたものです。


 

OT(運用技術)チームとIT(情報技術)チームのコラボレーションは、組織に多くの利益をもたらします。これは組織だけではなくエコシステムも同様です。それなのになぜ、ITとOTはそれぞれ個別に動いてしまい、すべてのステークホルダーにメリットを届けられるせっかくのチャンスを活かせないのでしょうか?

私たちアロー・エレクトロニクス(アロー社)は、組織の壁という「成功への障壁」を打破し、ハードウェアベンダーとソフトウェアベンダーがより良い関係を結びお互いを理解しあうための新しいアプローチである「オープン・ラボ」を開発しました。

オープン・ラボは革新的なアプローチで、おそらくあなたも自組織に取り入れたくなることでしょう。

 

■ 世界最大規模の技術ディストリビューター、アロー社がオープン・ラボを開設したわけ

米国フォーチューン100にも選出されているアロー社は、オンライン・コマースサイトを通じて約30,000種類のIoTセンサーを販売している、世界最大規模の技術ディストリビューターです。

私たちのコマースサイトをご利用いただいているIoTデバイスの販売メーカーや購買企業、そしてそこで生まれるサービスを使用するユーザーは、それぞれ独自の観点からデバイスとそれらが生み出すIoTデータが有している大きな可能性を理解しています。その結果、IoTセンサーを活用したユーザーシナリオや使用シーンが多数生まれ続けています。でも一方で、市場が拡大するほど、本来の想定通りにサービスが進まず途切れてしまうことも増えているのです。

 

私たちは、アロー社の周囲に存在しているOTとITコミュニティやグループの間に、知識ギャップや関係の断絶が存在していることに気づきました。

そしてこの度、これらのギャップや断絶を埋めるためのコラボレーションを推進し、共同プロセスを開発する新たな取り組みをスタートいたしました。

私たちの最終的な目標は、アロー社のお客さまが弊社バリューチェーン・ネットワークの相乗効果を活用して、強力なエンドツーエンド・ソリューションやサービスの開発を支援することです。

 

ハードウェア企業は、5年前10年前には考えもつかなかったデータを収集できるようになっています。そして、もはや一社でエンドツーエンドのすべてを提供できる企業はありません。

ハードウェアとソフトウェアをつなぐことでビジネス課題を解決するIoTユースケースは、少なくともここ10年は着実に増え続けてきています。これらの状況を踏まえれば、今後企業とデータをよりダイナミックにつないでいくことにより、これまでとは異なるレベルでビジネスを支援するソリューションが提供できるようになることは間違いないでしょう。

 

そこで、私たちはIBMをはじめとした企業の支援を受けて、オープン・ラボを開設しました。

オープンラボは、探索とコラボレーションを目的とした集いの場であり、デジタルものづくりの場であり、デザインラボです。ぜひこちらの動画で、デンバーにある私たちのオープン・ラボの様子をご覧ください。

 

 

■ 対話とコラボレーションを促進し、結果を生み出す

オープン・ラボは、デンバーの素晴らしい大自然を活かした立地にあります。ラボの裏には相互に絡み合いガッチリと根をはることで知られるアスペン(ポプラ)の樹々が広がっていますが、これはラボのテーマである互助とエコシステムを象徴しています。

先日、アロー社とIBMは、IoTをエンドツーエンドで用いることにフォーカスしたシリーズ・イベントの第一弾をオープン・ラボにて開催しました。アロー社のパートナー約40社を招待し、アイデアや提案を相互にデモしてもらいました。イベントは盛況で、多くの機会と可能性を広げ、潜在的な障害を取り除くための活発な議論が行われ、相互理解を深め合いました。

 

イベントの開催にあたり、IBMの取締役兼アロー社担当マネージャー、ミシェル・スターン氏は参加者の皆さまに向けて次のように語りました。

「IBMのソリューションは、アドレス可能なIoT市場の23%をカバーしています。 IoTの市場規模は1兆ドルと言われていますので、皆さんと共に残り77%の市場機会を手にしたいと思っています。」

 

オープン・ラボの初めてのセッションは、アロー社のOTチームとITチームを強く結びつけ、コラボレーションから効果的な成果を生み出しました。

そしてもちろん、その成果と学びはアロー社だけにとどまらず、ご参加いただいたパートナー社の皆さまにもご活用いただき、その結果お客さまにもお届けさせていただくものとなります。

 


本当に、こういう機会がもっともっと増えて欲しいです。エコシステムのすべてが集まることが、私たち全員の市場成長に大きな意味をもたらすのですから。

– スコット・イェーツ、EDI社COO


 

アロー社は、エンドツーエンドのIoTサービスを生み出すために、ソフトウェアベンダーとハードウェアベンダーのコラボレーションを強化するイベントを、今後も四半期ごとに開催する予定です。

もし、今後のご参加に関心のあるIoTデバイスのメーカーや、サービスの構築を検討している組織の方がいらっしゃいましたら、下記までお問い合わせください。

 

問い合わせ情報

お問い合わせやご相談は、Congitive Applications事業 にご連絡ください。

 

IBM Maximoで資産集約型産業の運用リスクとコストを削減

 

関連記事: デジタル・ヴィレッジ・プラットフォームで地域課題に挑む(TDU松井研究室インタビュー)

関連記事: ミュンヘンのWatson IoTエクスペリエンス・センターに行ってきました(Watson IoT 田中郁美)

関連記事: Watson IoT サマーキャンプ – 灼熱の伊東から

 


More IBM Sustainability Software stories

「第2回ベジロジサミット」レポート後編 | ベジロジシステム討論会

IBM Partner Ecosystem, IBM Sustainability Software

ベジロジ倉庫とベジロジトラック、そしてキャベツ食べ比べを中心にご紹介した「第2回ベジロジサミット」レポート前編に続き、ここからは第二部、場所を屋内に移して開催されたベジロジシステム討論会の様子をご紹介します。 目次 前編 ...続きを読む


「第2回ベジロジサミット」レポート前編 | レタスの食べ比べとベジロジ倉庫・トラック

IBM Partner Ecosystem, IBM Sustainability Software

「佐久地域は葉洋菜類の一大産地であり、産地の生産を守ることは日本の食を守ることです。主体的に取り組んでいきます。ただ、青果物の取り組みは特に困難な要素が多く、物流業界でも取り組みが進んでいない分野です。そんな中で、持ち前 ...続きを読む


日本Maximoユーザー会2024@天城ホームステッド 開催レポート

IBM Partner Ecosystem, IBM Sustainability Software

2024年10月15〜16日の2日間に渡り、IBM天城ホームステッドにて1年半ぶりの「日本Maximoユーザー会」が開催されました。   石油・化学企業、産業機械製造企業、エネルギー企業、エンターテインメント企 ...続きを読む