SPSS Modeler ヒモトク
データ分析者達の教訓 #22- 予測モデルはビジネスの文脈で語られ初めてインパクトを持つ
2024年10月25日
カテゴリー Data Science and AI | SPSS Modeler ヒモトク | アナリティクス | データサイエンス
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皆さんこんにちは。IBMの坂本です。
SPSSを含むデータサイエンス製品の技術を担当しています。
このリレー連載ブログはSPSS Modelerの実際のユーザーで第一線で活躍するデータ分析者に、データ活用を進める上で忘れられない教訓をインタビュー形式で伺い、これからデータ分析に取り組む皆様に参考にしていただくことを目的にしています。
今回インタビューをお願いしたデータ分析者は
日本情報通信の青島様です。こちらのブログにも度々寄稿をいただいた日本情報通信様は私たちSPSSにとって重要なビジネスパートナー様です。製品をご提供する際に、伴走サービスやコンサルティングサービスには定評があり、そのサービスを担当される青島様にお話を伺います。
青島 諒 様
日本情報通信株式会社
データ&アナリティクス事業本部
-日頃のデータ活用業務について教えてください
私が所属するグループでは、SPSS Modelerを中心とした分析ツールの販売や導入だけでなく、お客様にヒアリングを行いながら現在抱える業務課題を明らかにし、その業務課題解決をお客様がお持ちするデータを活用しご支援しています。
また、SPSS Modelerを中心とした分析ツールの操作方法や、データ活用業務の進め方・活用事例の紹介などのデータ活用における基礎知識を身につけていただくためのトレーニングを通じて、最終的にお客様ご自身でデータ活用業務を行えるよう人材育成支援も実施します。
担当のお客様は、小売・流通、製造、金融など、特定の業界に絞られることなく、多岐にわたるお客様の分析支援を行っています。
-データ活用業務で味わった苦い経験を教えてください
初めて担当したお客様の需要予測プロジェクトのことです。時間をかけて試行錯誤しながら、SPSS用いた予測モデルで良い精度を出せるよう工夫し、最終的に納得のいく結果を得られました。
しかし報告会では期待していたお客様の反応を得られませんでした。今になって振り返ると精度の良さのみを強調し業務の中でどれほどのインパクトになるかを説明せず、モデルの根拠についても違和感を持たれてしまったのが原因だと思います。
-その苦い経験から得られた教訓はなんでしょうか
この経験から得た教訓は、「予測モデルはビジネスの文脈で語られ初めてインパクトを持つ」です。
データ活用プロジェクトは精度の良い予測モデル構築を目指すのはもちろん、その結果に至った根拠や業務活用をイメージして納得感を上げることも重要だということに気がつくことができました。
さらに、お客様の業務にモデルがどう役立つのか、どれほど利益を生むのか伝えようと意識するようになりました。
また、難しい分析用語を淡々と説明してお客様には伝わり難いため、分析報告や人材育成トレーニングの説明の中でもなるべく難しい用語は使わず、お客様の業務の中での活用イメージ例を交えながら説明し、データ活用に興味を持ってもらえるよう心がけています。
-これからのデータ活用領域でのチャレンジについて教えてください
私たちは分析支援やトレーニングを通じて、お客様の日々の業務の中でデータ活用をもっと身近なものとして取り入れていただきたいと考えています。
お客様が抱える業務課題への取り組みや、日々の業務の中で行われる意思決定の場面で、これまでは過去の経験や現場の方の直感を交えて進められていた状況に対して、そこにデータ活用をプラスαとして取り入れていただくことで、よりビジネス成果を上げられるよう努力しています。
その目標に向けて、今後もどうしたらお客様にデータ活用に興味を持ってもらえるようになるのかを意識しながらデータ活用の定着化にチャレンジしていきます。
インタビューのお礼と感想
青島様、お話をいただきありがとうございます。
さて皆様、いかがでしたか?
現場や経営者と合意しないとデータ活用プロジェクトは立ち行かないとこの連載でも何度か取り上げられましたが、業務視点で予測モデルが語れ、ビジネスの文脈でその有用性が語られてステークホルダーと合意形成ができるのだと改めて理解いたしました。
私はITの文脈でついついお客様に説明してしまうので、折に触れてこの教訓を思い出し自分を戒めたいと思いました。
→これまでのSPSS Modelerブログ連載のバックナンバーはこちらから
→SPSS Modelerノードリファレンス(機能解説)はこちらから
→ SPSS Modeler 逆引きストリーム集(データ加工)
坂本 康輔
日本アイ・ビー・エム株式会社
テクノロジー事業本部 watsonx事業部
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